シンジケートローン
シンジケートローンとは
シンジケートローンとは、お客さまの資金調達ニーズに対し複数の金融機関が協調してシンジケート団を組成し、一つの融資契約書に基づき同一条件で融資を行う資金調達手法です(※)。参加金融機関をアレンジャー(幹事金融機関)が募集する点において社債発行と似た面がありますが、シンジケートローンは金融機関からの「お借入取引」です。設備投資資金のような長期資金の調達を行う場合のみならず、コミットメントラインのような短期融資枠の組成においても有効な手法です。
- ※各金融機関は一つの融資契約書に基づき個別に貸出を実行します。
<ご留意点>
- 1.シンジケートローンのご利用には、金利とは別にアレンジメントフィーやエージェントフィー等の手数料が必要となります。
- 2.シンジケートローンの組成に際しては、所定の審査がございます。
- 3.税務・会計・法務等については、貴社の顧問税理士・会計士・弁護士等とご相談の上、ご自身でご判断下さい。
- 4.詳細については、お取引店までお問い合わせください。
シンジケートローンのしくみ
参加金融機関の募集から契約締結まで
アレンジャーは、契約条件の検討、シンジケート団を構成する貸付人となる金融機関の募集、契約締結手続等を行います。(多くの場合、アレンジャーがシンジケート団の貸付人となります。)
- ※借入人には、アレンジャーに対する手数料(アレンジメントフィー)が発生します。
契約締結後
エージェントは各貸付人の代理人となり、契約期間中の借入人・貸付人間の通知取次や、元利金の受け払い等の資金決済に関する事務の取りまとめを行います。(通常、アレンジャーを務めた金融機関がエージェントに就任します。)
- ※借入人には、エージェントに対する手数料(エージェントフィー)が発生します。
シンジケートローンの特徴
シンジケートローンは、「市場型間接金融」(※)といわれる金融形態を代表する調達手法で、直接金融の特徴である「市場性」と間接金融の特徴である「柔軟性」をあわせ持つ手法といえます。
- ※市場型間接金融とは、広く財務内容を開示することや、債権の流通可能性を高めることによって、資金調達の可能性を高めることを目的に、証券ではなく、借入金(間接金融の手法)によって資金調達を行うものです。
シンジケートローンには、通常の相対の銀行借入や社債での調達に比べ、以下のような特徴があります。
柔軟な条件・ 返済スケジュール |
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事務負担の軽減 |
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取引条件の統一 |
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調達窓口・調達余力の拡大 |
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対外的IR効果 |
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シンジケートローンの形態
シンジケートローンの形態として以下の3通りあります。
- (1)コミットメントライン
予め設定した融資枠金額・期間の範囲内で、借入人の請求に基づき、短期の融資を実行することを約束(コミット)する契約です。安定的な運転資金枠や緊急時の保険的な資金枠として利用される取引です。 - (2)ターム・ローン
証書貸付形態とし、主に長期的な運転資金、設備資金、リファイナンス資金として利用される取引です。 - (3)コミット型タームローン
予め設定した融資枠金額・期間で、借入人の請求に基づき、長期の資金を実行することを約束(コミット)する契約です。資金調達時期が未確定な、長期的な運転資金、設備資金、リファイナンス資金の資金枠として利用される取引です。
シンジケートローン事例
シンジケートローンの取組事例として以下があります。
- 企業買収や設備投資等の大口となる資金調達をシンジケートローンで確保した事例
- 多数の相対借入をシンジケートローンにて一括でリファイナンスし、キャッシュフローに応じた条件を設定した事例
- 主要行による金融支援体制強化と運転資金を確保した事例
- 地方への設備投資に際し、地元金融機関をシンジケート団に入れることで金融取引を拡大できた事例
- 事業承継や事業再編を契機とする資金調達をシンジケートローンで確保した事例
三井住友銀行のシンジケートローン
アレンジャーの重要性
複数の金融機関でシンジケート団を組成するシンジケートローンの成否は、金融機関を取りまとめるアレンジャーの案件組成能力にかかっています。三井住友銀行は海外・国内での豊富なシンジケートローン組成の経験や実績を活かし、お客さまの資金調達のニーズにお応えしてまいります。
三井住友銀行でのシンジケートローンの取扱い
弊行の平成25年度国内組成件数は738件、組成金額は約8兆132億円に達しております。
資金調達の手段としてシンジケートローンを活用する動きが企業の間で拡大、定着してきております。