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窓口に行かなくてOK! インターネットバンキングをはじめてみよう!
2020.7.29インターネットバンキング講座
涼子さん
ご近所さんから良いって聞いたけど、「インターネットバンキング」って何かしら?
坂本先生
「インターネットバンキング」とは、インターネット上で銀行口座の残高照会や振込などを行うことです。
これまで店頭窓口やATMまで出向いて行っていた銀行取引の多くが、パソコンやスマートフォンを使ってどこでもできるんです。
涼子さん
それは、「ネット銀行」ってやつかしら?
坂本先生
いいえ。「ネット銀行」と「インターネットバンキング」はちょっと違うんです。
「ネット銀行」は、店舗を持たないで、取引(残高照会・振込など)や手続き(口座開設・住所変更など)を原則、Webや、メール、コールセンターなどで行うインターネット専業銀行のことです。日本ではこういった銀行が2000年以降に新しく設立されたんですよ。
「インターネットバンキング」とは、従来からある都市銀行や地方銀行などの手続きを、インターネット上で行えるサービスのことです。
店頭窓口、ATMと並行して利用できるので、初めての人でも使いやすいでしょう。
涼子さん
なるほど、いつもの銀行でインターネットでも取引ができるようになるってことね!
必要な時には窓口に相談に行けるのは安心だわ。
坂本先生
窓口やATMだけでなく、いつでも、どこでも利用できるのがインターネットバンキングの魅力です。
さらに、振込手数料が窓口やATMより安くなるなどのメリットもあります。
涼子さん
それはいいわね! わが家でもはじめてみようかしら。
坂本先生
インターネットバンキングを活用すれば、時間とお金が節約できて、お金のやり取りや管理がラクになりますよ。
インターネットを使った取引は、操作が難しくて若い人向けのイメージが強いかもしれませんが、想像しているより簡単。世代を問わず便利に使えておすすめです。セキュリティ対策も強化されていますよ。
店頭窓口やATMに出向かなくても手続きできるので、新型コロナウイルスの影響でインターネットバンキングの利用をはじめる人が急増しているという報道もありました。外出を控え、人やお金との接触リスクを減らせるのもインターネットバンキングのメリットです。
また、年齢が上がって外出の機会が減ってくれば、さらにその便利さを実感できると思いますよ。
今後の暮らしをスマートに送るためにも、今こそはじめてみてはいかがでしょう。
豊さん
実際になにができるのか、もう少し詳しく知りたいな。
坂本先生
銀行によって多少の違いはありますが、たとえば都市銀行のインターネットバンキングでは、次のようなサービスが利用できます。
通帳に記帳しなくても残高や取引明細が確認できる。
旅行代金やネットショッピングの代金を指定口座に振込をしたり、自分名義の別口座への振替をしたりできる。
口座から定期預金への預け入れや解約ができる。
ペイジーなどのサービスを使って、税金などの支払いが行える。
引っ越しなどで住所が変わった場合に変更ができる。
1度にできる振込や引き出しの上限額の変更ができる。
万が一、キャッシュカードや通帳を紛失した場合、すぐに利用を止めることができる。
など
豊さん
ほおー、想像していたよりもたくさんの取引ができるんだね。
坂本先生
約20年前に始まったインターネットバンキングは、年々使いやすくなって、利用者も増えています 。
先ほどお伝えしたように、特に新型コロナウイルスの感染防止による外出自粛にともなって、はじめる人が急増しました。
現金を使わないキャッシュレス化が進んでいますが、インターネットバンキングも、技術の進歩にともなって、今後さらに利用シーンが増えていくことが予想されます。便利なサービスですから、上手に使いこなしたいですね。
豊さん
ふむふむ。
坂本先生
定年後の生活を想像してみてください。
現役時代は、銀行ATMの利用の際も、通勤途中や昼休みのランチのついでに立ち寄れるので、それほど負担は感じなかったでしょう。
しかし、外に出る機会が少なくなる定年後の生活では、わざわざATMまで出向く必要があります。
インターネットバンキングなら、外出しなくても、給与や年金の入金をパソコンやスマホで確認できるほか、先述した各種サービスが利用できます。
涼子さん
今でも雨の日や暑い日にわざわざ外に出るのはおっくうだわ。家で手続きできるのは便利ね。
坂本先生
各サービスの具体的な利用方法は、次回から分かりやすく説明していきますね。
涼子さん
いつも通帳を見ながら家計を管理していたけど、インターネットバンキングの場合はどうすればいいのかしら?
坂本先生
インターネットバンキングを使っていれば、給料や年金の支給額、公共料金などの口座引き落とし額、クレジットカードの引き落とし額、ATMでの現金引き出し額などがWebサイトやスマホのアプリ上で確認できます。
明細をダウンロードして保存もできますし、銀行によっては毎月末に資産残高などを取りまとめたレポートも確認できますよ。
銀行口座を通したお金の動きはこれで把握できるので、大まかですが家計簿代わりに使えます。
涼子さん
家計簿をつける手間が減るのは助かるわ。
坂本先生
また、銀行が収支をグラフ化してくれる独自のアプリを提供している場合もあります。
さらに、家計簿アプリに、銀行口座の情報、クレジットカードの明細、デビットカードや電子マネー、証券口座などを登録することで、全資産をまとめて管理して、見える化することも可能に!
老後までを見すえた、マネープランが立てやすくなります。
豊さん
なんだか、すごそうだな!
坂本先生
銀行アプリや家計簿アプリを使って資産管理するためには、まずはインターネットバンキングの契約が必要です。
簡単で便利な資産管理の入口が、インターネットバンキングということですね。
次回は、最初の一歩、インターネットバンキングのはじめ方から解説します。
坂本 綾子(さかもと あやこ)
CFP® /1級FP技能士。大学在学中より雑誌の編集に携わり、卒業後に取材記者として独立。1988年より女性誌、マネー誌などで金融に関する記事を執筆。家計管理、保険、資産運用に関する記事をはじめ、銀行の商品・サービスについても雑誌やWeb媒体で多数執筆。執筆に加え生活者対象のセミナー、家計相談も行っている。著書に「今さら聞けない お金の超基本(朝日新聞出版)」「まだ間に合う!50歳からのお金の基本(エムディエヌコーポレーション)」、「年収200万円の私でも心おだやかに毎日暮らせるお金の貯め方を教えてください!(SBクリエイティブ)」など 。