デビットカードとクレジットカードの違い｜特徴や使い分けについて解説

そもそもデビットカードって？

デビットカードとは、現金の代わりに商品やサービスの代金の支払いができるカードです。デビットカードは店頭にある端末の種類や決済金額などに応じて、サインをしたり、暗証番号を入力したりして利用します。また、タッチ決済なども可能です。決済額は即時に銀行口座から引き落とされます。コンビニやスーパーをはじめ、さまざまな店舗やインターネットショッピング、自動販売機など、多くの場面で利用できます。

デビットカードには2種類ある

デビットカードには大きく分けて「J-Debit」と「ブランドデビット」の2種類があります。

J-Debitの場合は、普段ATMで現金の出し入れに使用しているキャッシュカードを、そのまま買い物時の支払いに利用できます。ただし、利用可能な場所は、日本国内にあるJ-Debitの加盟店に限定されています。

一方、ブランドデビットは、VisaやMasterCardなどの国際ブランドと提携しているデビットカードです。国際ブランドの加盟店であれば、世界中で利用可能です。日本国外で利用する場合には、現地通貨での決済額を円換算した金額が即時に日本の銀行口座から引き落とされます。

デビットカードとクレジットカードの違い

デビットカードはクレジットカードと混同されることもあるようですが、それぞれ異なる特徴があります。ここではブランドデビットカードとクレジットカードの違いを説明します。

引き落としのタイミング

デビットカードとクレジットカードの大きな違いの1つが、決済額が引き落とされるタイミングです。

デビットカードは、カードを利用した直後にカードに紐付いている口座から決済額が引き落とされます。この仕組みが「即時払い」です。一方でクレジットカードは、一定期間内の利用額がまとめて、指定の引落日に口座から引き落とされます。この仕組みは「後払い」といいます。

利用限度額

決済額が口座から即時引き落とされる仕組み上、デビットカードは紐付いている口座の残高を超えて利用することができません。そのため原則として口座残高が利用限度額となりますが、セキュリティの面から多くの金融機関が、別途利用可能額を設けています。具体的には、1回、1日、1ヵ月単位での限度額が定められています。また、金融機関が定める限度額の範囲内であれば、カード契約者自身で限度額を変更することも可能です。

クレジットカードは、審査結果に基づきカード会社が利用限度額を設定します。カード契約者が利用可能額の減額あるいは増額を申し込むことはできますが、増額の場合はあらためて審査が行われます。

支払い回数

デビットカードは即時払いの仕組み上、支払い回数は1回払いのみです。決済額を分割して支払うことはできません。

クレジットカードの場合は支払い回数を複数の選択肢から選べます。1回払いの他、決済額を複数回に分割して支払う分割払いや、決済額に関わらず毎月の引き落とし額が一定となるリボ払い、ボーナス時期にまとめて支払うボーナス払いなどがあります。

利用可能な年齢

デビットカードは一般的に満15歳以上から申し込みが可能です。ただし、15歳であっても中学生は利用対象外としている金融機関や、16歳以上から利用可能としている金融機関もあります。また、未成年者がデビットカードを申し込む際は、親権者の同意が必要な場合があります。

クレジットカードは成年年齢に達した満18歳以上から申し込み可能です。一般的に高校生は申し込み対象外である場合が多いですが、一部のカード会社では18歳以上の高校生も申し込める場合があります。

ポイント還元

デビットカードもクレジットカードも、多くの場合は利用額に応じてポイントが付与されます。しかし、一般的にはデビットカードに比べ、クレジットカードのほうがポイント還元率は高い傾向にあります。

なお、デビットカードのなかにはポイント還元がないものもあるため、申し込みをする際にはポイント還元の有無や還元率、ポイントの使い道などを確認しておくとよいでしょう。

ポイント還元についての詳細は、「ポイント還元率が高いクレジットカードって？賢い貯め方やカード選びのポイント」の記事でご確認いただけます。

審査の有無

デビットカードとクレジットカードでは申し込み時の審査の有無も異なります。デビットカードは審査がありませんが、クレジットカードは申し込み時に支払い能力を確かめるための審査が行われます。この審査に通過しないとクレジットカードが発行されません。審査項目には年収や職業、他のカードの利用状況などが含まれ、これらの情報を総合的に判断してクレジットカードの発行可否が判断されます。

クレジットカードの審査について詳しく知りたい方は、「クレジットカードの審査って？みられるポイントや難易度などについて解説」もぜひお読みください。

デビットカードとその他カードの違い

デビットカードとその他のカードの違いも知っておきましょう。

キャッシュカードとの違いは用途

デビットカードとキャッシュカードの主な違いは用途です。デビットカードは主に支払いに使用しますが、キャッシュカードは主にATMで口座からお金を引き出したり預けたりする際に使用します。

プリペイドカードとの違いは支払い方法

デビットカードとプリペイドカードでは、支払いの仕組みが異なります。デビットカードは利用と同時に口座から決済額が引き落とされる即時払い方式です。一方、プリペイドカードでは、あらかじめ一定額をチャージしておき、チャージ残高から決済額が差し引かれる方式です。

デビットカードとクレジットカードはどう使い分ける？

デビットカードとクレジットカードは特徴が異なるものの、どちらが優れているというわけではありません。お金の管理方法や生活パターンに合わせて選択することが重要です。場面に応じて、両方を使い分けるのもおすすめです。

デビットカードがおすすめな方

以下に該当する方はデビットカードが向いています。

使いすぎをふせぎたい方

カードでの支払いは現金と違って支出額が見えにくいため、使いすぎを心配する方はデビットカードがおすすめです。

デビットカードは仕組み上、口座残高かつ利用限度額までしか使えないため、自然と支出を抑制できます。さらに不安な場合には、金融機関が設定している限度額をより低く設定しなおすことで使いすぎを防ぐこともできます。

キャッシュ派だけれどATM手数料を節約したい方

現金支払いを好む方でも、頻繁なATM利用による手数料が気になっている方もいるかもしれません。そのような方にもデビットカードの利用がおすすめです。デビットカードを使用すれば、所持金の範囲内で支払いができ、さらにATM手数料の削減にもつながります。

クレジットカードがおすすめな方

以下に該当する方はクレジットカードの利用を検討するのもよいでしょう。

毎月の負担額を分散させたい方

クレジットカードは、買い物をする際の負担を分散させたい場合に有効な選択肢となります。

クレジットカードでは分割払いやリボ払いなど複数の支払い方法があり、そのときの状況に応じて支払い方法（回数）の選択が可能です。そのため、出費が大きく一度に支払うことが難しい場合、分割払いなどを選べば、一時的な支払い負担を分散できます。

また、一括払いで決済した後も、支払い方法を分割払いやリボ払いに変更できます。

ポイ活を積極的に行いたい方

キャッシュレス払いでポイントを積極的に貯めたい方は、クレジットカードがより適しているでしょう。一般的にクレジットカードはデビットカードに比べて、ポイントプログラムやキャッシュバックなどの還元サービスが充実しています。同じカード払いでも、クレジットカードのほうがより多くのポイントを獲得できる可能性は高いといえます。

ポイ活にご興味をお持ち方は、ぜひ「ポイ活とは？ポイント活動の魅力や効果的に行うコツを解説」もご参照ください。

• ※2024年9月現在の情報です。今後、変更されることもありますのでご留意ください。