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定年後に「好き」を仕事にする夢、いくらかかる?
2022.11.2定年後の夢、How Much?
約235万円〜/人
※定年後の15年間、アジア各国へ毎年1回旅行に行った場合のツアー料金と食事代、お土産代を含めた金額での試算。
1964年の海外旅行自由化以降、海外旅行者数は概ね増加傾向にあります。観光省の「観光白書」によると、コロナ禍前の2018年の出国日本人数は1,895万人(対前年比6.0%増)で過去最高を記録し、人気の渡航先は、上位から順に、米国、韓国、中国、台湾、タイでした※1。
そこで今回は、「毎年、米国(ハワイ)へ旅行」、「毎年、アジア各国へ旅行」の2パターンをシミュレーション。もちろん、渡航先や旅程によって旅費は異なりますので、ひとつの目安にしてみてください。
*65歳で仕事をリタイアして、80歳までの15年間、毎年、海外旅行すると仮定。(東京発)
(1)ハワイ・ホノルル旅行(15回)
ツアー料金※2 (5日間) | 約300〜600万円 |
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(2)アジア各国へ旅行(ソウル5回/バンコク5回/シンガポール5回)
ツアー料金※2 (4日間) | 約160〜185万円 |
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このように、毎年ハワイやアジア各国へ旅行をすると、15年間のツアー料金だけで、少なくとも160万円は必要になりそうです。
これは、あくまで安値のツアーを利用した場合(飛行機+宿代のみ)のシミュレーション。食事代などは含まれていません。
仮に、食事代やお土産代などに1日1万円かかるとすれば、加えて75万円(5日間×15回分)が必要になります。 つまり、旅行費としては【160万円+75万円=235万円】が、1人あたり最低限用意しておきたい金額となります。
約85万円〜/人
※定年後の15年間、毎年国内旅行に1回行った場合の旅行費用を試算。
観光省の「観光白書」によると、コロナ禍前の2018年の日本人1人あたりの国内宿泊観光旅行の回数は1.30回。1人当たりの国内宿泊観光旅行の宿泊数は2.1泊でした※3。
あくまで平均ですが、国民全員が毎年少なくとも1回は旅行に出かけていることになります。
また、「じゃらん宿泊旅行調査」によると、1回の宿泊旅行にかかった旅行費用の全体平均は大人1人あたり56,900円でした※4。(2021年度)
そのため、15年間(15回)を想定すると、56,900円 ×15 =853,500円。行き先や旅程によって費用は異なりますが、毎年国内旅行にでかけると、15年間で少なくとも85万円程度の費用がかかると考えておくと良いでしょう。
併せて、「毎年、沖縄旅行」と「毎年、東北旅行」をした場合のシミュレーションを行いました。 参考にしてみてください。
*65歳で仕事をリタイアして、80歳までの15年間、毎年、国内旅行すると仮定。(東京発)
(1)沖縄旅行(15回)
ツアー料金※2 (3泊4日) | 約80〜185万円 |
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(2) 東北旅行(15回)
ツアー料金※2 (2泊3日) | 約65〜140万円 |
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会社に勤めているときは、ゴールデンウィークやお盆休み、年末年始など、旅行のハイシーズンにしか休暇をとれない人が多いかもしれません。一方、定年後は自由にスケジュールを組むことができます。
そこで、閑散期(いわゆるオフシーズン)を狙って旅程を組むと、旅費を節約することができます。場合によっては、ハイシーズンの1/3程度の料金設定がされているものもあります。
また、交通各社は「シニア割引」を設けていて、最大で運賃が半額程度になることも。例えば、航空会社では、当日に空席があれば飛行機のチケットが半額程度に。時間や日程に余裕のあるとき、利用してみてはいかがでしょうか。
そして、当たり前かもしれませんが、こうした旅費は余裕資金から捻出するようにしましょう。定年前からコツコツ用意しておくと良いでしょう。
注意したいのが、退職金を一括で受け取ったとき。ついつい使い過ぎてしまうかもしれません。
充分な余裕資金がある場合は別ですが、退職金は日常生活費を賄うものとして考えておきましょう。
こうした夢のために、貯蓄だけではなく、投資信託などで資産を運用するのも1つの方法です。
というのも、現在、大手銀行の定期預金の金利は年間0.01%。今後もこの金利が続くとすると、毎月1万円を30年間貯蓄しても、30年後の積立額は360万5,390円、うち運用益は5,390円です。ほとんど増えていませんね。
仮に、上記と同じ条件で資産運用をして、年間の利回りが3%だった場合、30年後の積立金額は582万7,369円で、運用益は222万7,369円にもなり、222万1,979円の差です※5。
元本割れのリスクと、得られるであろう利益を比較して納得がいくのであれば、余裕資金で長期的な資産運用をしても良いのではないでしょうか。
資産運用をする際は、「つみたてNISA」や「NISA」といった税制優遇制度を上手に活用しましょう。通常であれば、運用益には20.315%の税金がかかりますが、これらの制度を利用すれば、運用益は非課税になります。
「つみたてNISA」は、年間40万円を最長20年間、「NISA」は年間120万円を最長5年間積み立てられる制度。2つを併用することはできませんので、長期的な運用を考えている場合は「つみたてNISA」がよいでしょう。
定年後に毎年旅行を楽しむ、という夢を叶えるために、現役時代にこそ検討してみてはいかがでしょう。
▼「つみたてNISA」を始めるメリット3つ
▼これからのマネープランを考えよう
老後のお金についてどう計画を立てる? 定年前後世代のお金の色分け術
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定年後の夢、How Much?〜あなたの夢の値段、教えます〜
ファイナンシャルライター 瀧 健
『PRESIDENT Online』などの経済系Webメディアでも多数の執筆協力経験をもつ。ライフプランや資産運用の提案が得意。自らも株式・債券・投資信託などの運用を行っている。社会保障にも詳しい。