夢の金額(最初の1年間)
ゴルフ:約60万円程度〜※1
山歩き:約10万円程度〜※2
- ※新品で中クラスの道具一式を購入/都内で週2回打ちっぱなし、月1回ラウンドを1年間続けて、都内のゴルフ教室に通った場合
- ※日帰りコースを想定し、新品で中クラスの道具一式を購入した場合(旅費は含まない)
2019.10.30定年後の夢、How Much?
ゴルフ:約60万円程度〜※1
山歩き:約10万円程度〜※2
定年後に趣味を始めたい、何かに没頭したい。そう考えている人も多いのではないでしょうか。
定年後の楽しみや、定年後にやりたいことなどを聞いたアンケートを見てみても、「趣味」は「旅行」と並んで、定年後の大きな関心ごとの1つになっています。
【関連記事】定年後に「毎年、旅行をする」夢、いくらかかる?
まず、プランAでご紹介するのは、アウトドア系の趣味をはじめる費用について。各種スポーツをはじめ、釣り、キャンプ、ツーリングなど、アウトドア系の趣味にはさまざまなものがありますが、今回は激しい運動を必要としない「山歩き」と「ゴルフ」をピックアップ。最初の1年間にかかる費用の目安をご紹介します。
(1)ゴルフ
下の表は横にスクロールできます
最初の1年間でかかるトータルコスト | 約60〜80万円※3 |
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初期コスト(新品で中クラスの道具一式を購入した場合) | 約10万円※3
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1年間のランニングコスト | 約50〜70万円※4
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(2)山歩き
下の表は横にスクロールできます
最初の1年間でかかるトータルコスト | 約10万円〜 |
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初期コスト(日帰りコースを想定、新品 で中クラスの道具一式を購入した場合) |
約10万円〜※5
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1年間のランニングコスト | なし |
ゴルフをはじめる場合のシミュレーションには、ゴルフ教室に通う費用も考慮しています。
ゴルフに限った話ではありませんが、スポーツを楽しむためには、ある程度の練習が必要になる場合があります。はじめたての頃につまずいてしまうと、長続きしないケースも少なくありません。初心者のうちは教室に通うなどして、人から習うのも良いでしょう。上手になるにつれ、楽しみは増します。
また、ゴルフ用品や登山用品には、さまざまな価格帯のものがあります。自分の予算に合ったものを選びましょう。
ギター演奏:約15.5万円〜※6
絵画:約16.6万円〜※7
プランBでは、インドア系の趣味をはじめる費用をご紹介します。インドアでできる趣味は、絵画や陶芸などのアート系、音楽観賞や楽器演奏、手芸、読書、料理、テレビ・映画鑑賞など、挙げればキリがないくらい豊富です。
アウトドア系の趣味は、天候などの環境に左右されますが、インドア系の趣味は、いつでも好きな時間に好きなだけ没頭できるのがメリットです。
今回は、「楽器演奏」と「絵画」にかかる費用をシミュレーションしました。
(1)ギター演奏
下の表は横にスクロールできます
最初の1年間でかかるトータルコスト | 約15.5万円〜 |
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初期コスト(新品のギターを購入した場合) | 約3万円〜※8 |
1年間のランニングコスト | 約12.5万円〜※9
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(2)絵画
下の表は横にスクロールできます
最初の1年間でかかるトータルコスト | 約16.6万円〜 |
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初期コスト(新品の道具一式を購入した場合) | 約1.3万円〜※10
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1年間のランニングコスト | 約15.3万円※11
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プランAでご紹介したゴルフと同じく、楽器演奏や絵画は、独学では上達が難しいかもしれません。最初のうちは、人から習うのも良いでしょう。今回のシミュレーションでは、教室に通う費用も加えています。
また、インドアな趣味は1人で自由に楽しむこともできますが、色々な人と時間を共有するのも醍醐味の1つです。楽器演奏は、心身を癒し病気を予防するなど健康に良い影響を与えるという報告もあります。
昔、バンドに憧れて楽器をかじったことがあるという人も、時間がたっぷりとある定年後にこそ、もう1度チャレンジしてみてはいかがでしょう。
60歳で定年退職して、平均寿命まで生きた場合、退職後の時間は男性で約9万時間、女性で約12万時間あるといわれています※12。これは会社で働いていた時間に匹敵する長さです。「セカンドライフ」といわれる所以ですね。
夢中になれるもの、没頭できるものがあれば、定年後も有意義な時間を過ごすことができるでしょう。
現役時代に比べ、定年後後は人と会う機会が減るかもしれません。イギリスでは社会的孤独者問題に対処するために「孤独問題担当国務大臣」が設けられましたが、長期間に渡る孤独や孤立は、心身に大きなストレスを与えると言われています。
趣味を持って、さらに同じ趣味をもつ人との交流が生まれれば、社会的孤立を防ぐための一助となるでしょう。
また、夫婦や孫など、家族で同じ趣味を持つのもおすすめです。共通の話題が生まれますし、共有できる道具などがあれば費用も減らせるというメリットもあります。
趣味が見つからない場合は、先入観にとらわれず、色々試してみるのも1つの手です。加齢とともに価値観が変わり、昔は苦手だったものも好きになれる可能性もあります。例えば、配偶者の趣味に付き合ってみるのも良いかもしれません。
また、いくつかの趣味を並行して行うこともおすすめです。ゴルフや野球などの団体で行うもの、対戦相手が必要なものは、天候や周りのスケジュールなどに左右されます。晴れていても雨が降っていても、1人でも行える趣味も持っておくと良いでしょう。
先述しましたが、スポーツや楽器演奏を楽しむためには、ある程度の練習や技術が必要となる場合があります。技術の習得には、一定の時間がかかるため、現役時代から少しずつ取り組んでおくと良いかもしれません。
趣味は続けるほど、目標が高くなり、道具などにかける費用が増えていくことがあります。特に、ニッチな趣味は、道具の単価が高い傾向に。資産運用などで余裕資金を準備できれば、それだけ趣味や習い事の世界を広げることができるでしょう。
現役時代から、資産の一部を投資信託など、経済成長によるリターンが期待できる金融商品に分散投資しておくのも手。投資をはじめる際は、税制優遇されている「つみたてNISA」や「NISA」がおすすめです。
もちろん、お金がなくても楽しめる趣味はたくさんあります。反対に、いくらお金があっても何にも興味を持てず、何もすることがなければ充実感は得にくいでしょう。
充実したセカンドライフを送るために。心豊かに過ごせる趣味を持つ夢への準備、現役時代からはじめてはいかがですか。
ファイナンシャルライター 瀧 健
『PRESIDENT Online』などの経済系Webメディアでも多数の執筆協力経験をもつ。ライフプランや資産運用の提案が得意。自らも株式・債券・投資信託などの運用を行っている。社会保障にも詳しい。