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iDeCo(イデコ)の掛金、月々いくらまで? 上限額は職業(加入状況)で変わる! 掛金の平均や目安を解説
2021.7.7 iDeCoの疑問
iDeCoの最大のメリットってなに?
積立期間中、運用期間中、受け取るときの税金が安くなることです!
iDeCoとは、「個人型確定拠出年金」の愛称で、老後資金を自分で積み立てる制度です。毎月掛金を積み立てて金融商品を運用し、老後に必要な資金を積み立てていきます。iDeCoの運用商品には、定期預金や保険、投資信託があり、運用の結果次第で老後に受け取る金額が変わります。iDeCoについてくわしくはこちらの記事で説明しています。
iDeCo(イデコ)ってなに? 〜基本をイラストで理解しよう〜
ここでは、iDeCoに加入するとどんなメリットがあるのかを具体的に確認していきましょう。
iDeCoに加入したときの最大のメリットは、税金が安くなることです。
まず、iDeCoで支払った毎月の掛金は、全額が所得控除の対象です。年末調整や確定申告を行い、所得税や住民税の課税対象となる所得から、1年分のiDeCoの掛金を差し引く(控除する)ことで、所得税や住民税の負担が減るのです。
どのくらい負担が減るのかや年末調整の方法について、くわしくはこちらの記事で説明しています。
iDeCo(イデコ)は年末調整が必要? 控除を受けるといくら戻るのかを解説
通常は、投資信託の売買などによって得た利益や定期預金の利息には
20.315%(所得税(復興特別所得税含む)15.315%+住民税5%)の税金がかかります。
しかし、iDeCoを通じて購入した投資信託による売買益や、定期預金の利息などには税金がかかりません。そのため、より効率的に老後の資金を貯められる可能性があります。
iDeCoで積み立てたお金を受け取るとき、一度にまとめて受け取る場合は「退職所得控除」、分割で受け取る場合は「公的年金等控除」が適用されます。
退職所得控除は、退職金のようなまとまったお金を受け取った場合に税金の負担が大きくなりすぎないように適用されるものです。公的年金等控除は、国から支給される老齢年金などを受け取った場合に適用されます。
具体的な控除額は以下のとおりです。
公的年金等の年間収入金額 | 公的年金等控除額 | |
---|---|---|
65歳未満 | 130万円以下 | 60万円 |
130万円以上410万円未満 | 収入金額×25%+27万5千円 | |
410万円以上770万円未満 | 収入金額×15%+68万5千円 | |
770万円以上1,000万円未満 | 収入金額×5%+145万5千円 | |
1,000万円以上 | 195万5千円 | |
65歳以上 | 330万円以下 | 110万円 |
330万円以上410万円未満 | 収入金額×25%+27万5千円 | |
410万円以上770万円未満 | 収入金額×15%+68万5千円 | |
770万円以上1,000万円未満 | 収入金額×5%+145万5千円 | |
1,000万円以上 | 195万5千円 |
たとえば、今60歳でiDeCoに30年加入した方が2,000万円を受け取るとしましょう。
一度にまとめて受け取る場合は、1,500万円(800万円+70万円×(30年-20年)=1,500万円)までは非課税となります。
分割で10年かけて受け取る場合は、1年あたり77.5万円(200万円×25%+27万5千円)までは非課税となります。
2021年6月現在、日本は歴史的な低金利が続いています。金融機関にもよりますが、普通預金の金利は年0.001%、定期預金の金利は年0.002%が一般的です。
iDeCoを利用して掛金を運用し積み立てることで、定期預金など固定金利の金融商品を購入するよりも多くの老後資金を貯められる可能性があります。
iDeCoの掛金は、月5,000円から1,000円単位で設定できます。現在の生活を圧迫しない金額に設定して積み立てを始めることができますね。
通常、投資信託を購入するときに購入手数料がかかる場合があるだけでなく、運用中にもプロに投資信託を管理・運用してもらう手数料として信託報酬を支払わなければなりません。
iDeCoで取り扱われている投資信託は、ほとんどの場合購入手数料がかからず、信託報酬も一般で販売されているものと比較してコストが低いものが厳選されています。
iDeCoの口座開設は、郵送やWebで完結できる金融機関が多く、平日に窓口まで行かなくても簡単に始めることができます。
iDeCoの最大のデメリットってなに?
原則60歳まで積み立てたお金を受け取れないことです。
優れている点が多いように感じるiDeCoですが、デメリットも存在します。
iDeCoで積み立てる掛金は、原則として60歳まで引き出せません。「まとまったお金が必要になった」といった理由で、iDeCoで積み立てたお金には頼れないため注意しましょう。
所定の要件を満たせば脱退一時金を受け取れますが、条件が複数あり誰でも満たせるわけではありません。
iDeCoの掛金は基本的には引き出せないものだと考えておきましょう。
iDeCoを解約するための条件について、くわしくはこちらの記事で説明しています。
iDeCo(イデコ)は途中で解約できない? 解約できる条件を解説
iDeCoでは、投資リスクを加入者自身が負うため、老後の年金が増えることもあれば減ることもあります。
そのため金融商品の選定によっては、支払った掛金の合計よりも、老後の年金額が大きく下回る可能性がある点に注意が必要です。
しかし、長期間コツコツと積立投資を行うiDeCoは、投資の手法の王道である「長期投資」「分散投資」を活用することができ、短期間で売買を繰り返すような投資に比べると、リスクを抑えやすくなります。
iDeCoに加入するときや商品を運用するとき、資産を他の金融機関の口座に移すときなどに手数料が発生します。
iDeCoの手数料は、口座を開いた金融機関に支払う手数料と、iDeCoの統括機関である国民年金基金連合会に支払う手数料の2種類。国民年金基金連合会に支払う手数料は、どの金融機関でiDeCoの口座を開いても支払う必要があります。
ここまでで説明したiDeCoのメリット・デメリットを下の表にまとめました。
iDeCoのメリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット | デメリット |
---|---|
|
|
以上がiDeCoのメリットとデメリットです。
毎月の掛金や手数料は、金融機関によって異なります。
例えば、三井住友銀行であれば、1ヵ月あたりの掛金額は5,000円以上、1,000円単位で設定でき、iDeCoでの積立投資を通じて社会貢献もできる「
みらいプロジェクトコース」を選ぶと、だれでもずっと条件なしで毎月の運営管理機関手数料(消費税込)※が0円です。
iDeCoのメリット・デメリットは職業によって違う?
違います!たとえば会社員なら転職先に持ち運べることがメリットですが、転職先により上限額が異なるデメリットがあります。
iDeCoのメリットやデメリットは、職業によっても異なります。
会社員がiDeCoに加入するメリットは、転職しても転職先に積み立てたお金を持ち運べることです。
従来の企業年金では、勤務先が掛金を支払うため、退職するたびに精算が必要で、転職先に持ち運べませんでした。iDeCoは自分で積み立てる制度なので、掛金の支払い期間中に転職をしても、積み立てたお金を転職先に持ち込み、運用を継続できます。
一方でデメリットは、転職先によってiDeCoの掛金の上限額が減る可能性があることや、持ち運ぶ場合は運用商品を一度売却しなければならないことです。会社員がiDeCoで拠出できる掛金の上限や加入の可否は、勤務先の企業年金などの有無や、企業型確定拠出年金の導入状況によって変わるからです。
専業主婦(主夫)の方は、収入がない場合や扶養内で働いている場合が多く、退職金を受け取れない方が多いです。そのため、iDeCoに加入することで、自分の老後資金を準備できることが最大のメリットです。
ただし、専業主婦(主夫)がiDeCoに加入し掛金を支払っても、【メリット@】で紹介した所得税や住民税の負担が減るといった節税効果が期待できません。収入がない方や扶養内で働いている方については、所得税や住民税が発生しない場合が多いからです。
以上が、職業ごとのiDeCoのメリット・デメリットです。それぞれの職業ごとのiDeCoの選び方などはこちらの記事で説明しています。
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iDeCoはどうやって始めるの?
銀行などの金融機関で口座を開設しましょう!
ここではiDeCoに加入する方法について、紹介していきます。
iDeCoへの加入申込をする前に、投資をしたい金融商品と、口座を開きたい金融機関を選びましょう。
iDeCoで取り扱いのある金融商品は、口座を開設する金融機関によって異なります。投資したい金融商品を探し、その商品を取り扱っている金融機関でiDeCoの口座を開くことで、スムーズに積み立てをはじめられるでしょう。
商品や金融機関の選び方について、くわしくはこちらの記事で説明しています。
iDeCo(イデコ)でおすすめの商品・金融機関はどれ? 具体的な選び方を解説
申込書類作成・提出がオンラインで完結するWeb申込か郵送、どちらかを選択可能な場合もあります。三井住友銀行でのお申込の詳細は、下記関連サイトにてご確認ください。
ここではWeb申込の方法を紹介します。
投資する商品と申し込む金融機関が決まったら、iDeCoに加入するためのWeb申込フォームを取り寄せましょう。
またiDeCoの申込フォームに入力するときに、以下のものが必要になるため、予め準備しておきましょう。
Web申込フォームが届いたら、画面の案内に従って必要事項を入力・添付して金融機関に返信しましょう。
必要な情報は以下の4つです。
2は、会社員や公務員がiDeCoに加入する場合に勤務先に書いてもらう必要があるものです。そのため、自営業や専業主婦(主夫)の方は1・3・4、会社員や公務員の方は、1〜4の情報を準備、書類はスキャンして画像ファイルにして送信しましょう。
申込フォームが金融機関に到着すると、およそ1∼2ヶ月ほどで口座が開設され、自宅宛に郵送で口座番号とパスワードが届きます。
口座番号とパスワードは、コールセンターやインターネット上で、運用の状況を確認するときなどに使用するものなので、大切に保管しておきましょう。
また、iDeCoの始め方についてはこちらの記事でよりくわしく説明していますので、参考にしてください。
参考:iDeCoの概要
iDeCoには、メリットだけでなくデメリットもあるため、それぞれしっかりと理解してから加入を検討しましょう。
メリットは何と言っても、節税効果があることです。掛金を積み立てるとき、掛金を運用するとき、積み立てたお金を受け取るときの3つのタイミングで税金の負担を軽減できます。
一方で、原則60歳まで引き出せない、投資によるリスクがあるなどのデメリットにも注意が必要です。
iDeCoのメリット・デメリットを理解し目的に合った金融商品を選んで加入することで、老後資金を効率よく積み立てられ、より豊かな老後の生活を送ることができる可能性が高まります。
未来の自分を楽しむために、あなたもぜひiDeCoをはじめましょう。
品木 彰(しなき あきら)
FP、保険・金融専門webライター。大手生命保険会社にて7年半勤務し、チームリーダーや管理職候補として個人営業、法人営業の両方を経験。その後、人材会社で転職コンサルタントとしての勤務を経て、2019年1月よりWebライターとして独立。 保険、不動産、税金、貯蓄術など幅広いジャンルの記事の執筆や監修を行なっている。ファイナンシャル・プランニング技能士2級。
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