iDeCoの受給方法は3種類! 受け取り方で税金が異なる
どれみさん
iDeCoはどうやって受け取ればいいのでしょうか?
FP
iDeCoの受け取り方法は「一時金」方式、「年金」方式、「一時金+年金」方式の3種類あります。
前述のとおり、iDeCoの受け取り方には年金として、あるいは一時金として受給する方法があります。そのほかに、一部を一時金として、残りを年金として受給する方法もあるため、全部で3種類の受け取り方から選択できます。
3つの受給方法は、それぞれかかる税金が異なるため、ここでは受け取り方ごとの仕組みと税金の種類についてみていきましょう。
一時金で受け取る場合の税金
そもそも「一時金での受給」とは、iDeCoで運用していた資産を現金化し、一括で全額受け取る方法です。
税制上、一時金で受け取る場合は退職所得の扱いとなるため、退職所得控除を利用できます。退職所得控除とは、課税対象となる退職所得から、一定金額を差し引ける制度です。
退職所得控除額を求めるときは、勤続年数(iDeCoの加入年数(=iDeCoでの掛金拠出月数))に応じて計算式が異なります。
iDeCoの加入年数(=iDeCoでの掛金拠出月数)(=A) |
退職所得控除額 |
20年以下 |
40万円×A |
20年超 |
800万円+70万円×(A-20年) |
さらに以下の計算式で退職所得を求めると、iDeCoの受取時の金額を計算できます。
退職所得の金額=(源泉徴収前の収入金額ー退職所得控除額)×1/2
たとえば、iDeCoの加入年数(=iDeCoでの掛金拠出月数)が25年で資産が2,000万円の場合で考えてみましょう。
退職所得控除額は800万円+70万円×(25-20)=1,150万円で、退職所得は(2,000万円-1,150万円)×1/2=425万円となります。よって、425万円に所得税がかかる仕組みです。
年金で受け取る場合の税金
iDeCoを年金として受け取る場合、公的年金と同様に毎月一定額を受け取ることができます。この場合、所得の種類は雑所得となり、公的年金など控除を受けられます。
例として、公的年金などに係る雑所得以外の合計所得金額が1,000万円以下の場合における、雑所得金額の求め方を以下に示します。
受け取る人の年齢 |
公的年金など収入金額の合計 |
公的年金など係る雑所得の金額 |
65歳未満 |
60万円以下 |
0円 |
60万円超130万円未満 |
合計額-60万円 |
130万円以上410万円未満 |
合計額×0.75-27万5,000円 |
410万円以上770万円未満 |
合計額×0.85-68万5,000円 |
770万円以上1,000万円未満 |
合計額×0.95-145万5,000円 |
1,000万円以上 |
合計額-195万5,000円 |
65歳以上 |
110万円以下 |
0円 |
110万円超330万円未満 |
合計額-110万円 |
330万円以上410万円未満 |
合計額×0.75-27万5,000円 |
410万円以上770万円未満 |
合計額×0.85-68万5,000円 |
770万円以上1,000万円未満 |
合計額×0.95-145万5,000円 |
1,000万円以上 |
合計額-195万5,000円 |
たとえば、60歳でiDeCoを年金形式で受け取る場合、公的年金とiDeCoの受け取り金額の合計が200万円だったとします。この場合、200万円×0.75-27万5,000円=122万5,000円が雑所得となり、課税されます。
一時金+年金で受け取る場合の税金
iDeCoは、一時金と年金形式の2種類を併用して受け取ることもできます。一時金として受け取る金額を決め、残りの資産は年金形式で受給します。
その際、一時金として受け取る金額には退職金控除、年金として受給する金額は公的年金など控除を受けられます。