トピック4「なぜEUを離脱することになったのか!?」
-
ナガイ
先生、イギリスとしては経済的なメリットって大きかったんですか?
-
笠原教授
最初の頃は、大いに感じていたようです。でも、だんだんと社会面や政治面まで統合しようとする動きがでてきたんです。そこで、イギリスの主権意識の強い保守党を中心に、EUを離脱する意見がでてきました。
-
ナガイ
なるほどー。保守的なマインドが強い、伝統を重んじるお国柄ですもんね。
-
笠原教授
そんな中、2004年に東欧諸国10カ国がEUに追加加盟することになったんです。
当時、新規加盟国に対しては、EU内の移動は7年間制限してもいいという制度があったんですが、どういうわけかイギリスは、その制度を適用しなかったんです。
なので、新たに加盟したリトアニアやポーランドの人たちがイギリスにどどっと流入し始めたんです。 -
ナガイ
制限したらよかったのに...。
-
笠原教授
そこで、雇用や、住宅の確保、学校教育現場での負担が多くなり、移民が大量に来ることへの不満が国民の中に広がっていたんです。
-
ナガイ
母国語もバラバラだし、英語も話せないし、負担は大きいですよね...。
-
笠原教授
EU離脱を掲げる右派政党への支持が急速に伸び、与党・保守党もひとつにまとまらなくなってきたため、キャメロン元首相がEU残留か、離脱かを問う国民投票を実施する運びになりました。
キャメロンさんは、あくまでも国民の不満のガス抜き程度と考えていて、イギリス人たちがEU離脱なんていう大胆な選択をするはずがないと思っていたんです。 -
ナガイ
保守的な国ですもんね。
-
笠原教授
当時の世論調査でも、大多数が残留という結果だったんです。が、フタをあけてみたら...
離脱票がわずかに上回る結果になってしまったんですね。
キャメロンさんにとっては大きな誤算だったと思います。 -
マビー
イギリス国民にとっては、身近に感じるストレスを改善したい気持ちが優先されたのかもしれませんね...。
-
ナガイ
安易に国民投票を実施したら、思わぬ結果を生んだってことですね。
軽く一杯のつもりでお酒を飲み始めたら、いつのまにか深酒になってベロベロになってしまうみたいな。 -
マビー
それは、ナガイさんだけです!