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2018.3.14 資産運用キホンのキ
定期預金とは、予め決めた期間は引き出せない預金のことをいいます。定期預金の預け入れ期間は1ヵ月、2ヵ月、3ヵ月と短く設定することもできますし、10年まで対応している銀行もあります。
原則として、満期日まで預金の引き出しはできません。ただしその分、普通預金よりも高い金利が設定されています。
低金利時代では、定期預金のメリットを感じにくくなっているかもしれませんが、手軽に出し入れできないという点を、うまく利用することもできます。例えば、「退職後の夫婦旅行の資金を定期預金に積んでおく」というように、取り崩したくないお金の保管場所として使ってみてもいいでしょう。
定期預金には、「積立定期預金」や「変動金利定期預金」といった種類があります。その内容を簡単にご紹介しましょう。
積立定期預金は、毎月決まった日に普通預金や当座預金から一定額を引き落とし、積み立てていくものです。予めボーナス月を指定しておけば、その月だけ増額することができますし、臨時収入があったときなど、引き落とし日に関係なく預け入れもできます。
積立定期預金のメリットは、なんといっても「無理なく貯蓄できる」という点でしょう。毎月の積立額は自由に設定でき、途中で変更することもできる金融機関もあります。子供の教育資金やリフォーム資金など、「いつまでにいくら貯めたい」という目標がはっきりしていれば、満期日を事前に決めておく「目標日指定型」で計画的な積立ができます。
また、「特に用途は決めてないけど、将来のために」ということであれば、積立終了日を定めない「一般型」が向いています。さらに銀行によっては、各種ローンの金利が優遇されるなど、特典をつけていることもあります。
あなた自身のニーズに合わせ、無理なく着実な資産形成がしやすい。それが積立定期預金です。
一般的な定期預金は、預け入れた時点での金利が固定され、その後もずっと適用されます。一部金融機関で取扱いのある変動金利定期預金は名称からわかるとおり、一定期間ごとに金利が変更されます。ですから、金利が下がれば利息は減りますし、金利が上がれば利息は増えます。利息が安定しない点はデメリットになりますが、景気が上向きになったときは利息が増えますので、その点はメリットとなります。
多くの変動金利定期預金は6ヵ月ごとに金利の更新が行われ、その時点での金利が適用されます。預け入れ期間は1年から3年程度が多いようですが、金融機関によってさまざまです。
定期預金のメリットとデメリットにはどのようなものがあるのか、把握していきましょう。
お金というのはなかなか貯まらないものです。大きな貯金箱を用意して意気込んで貯蓄を始めても、いつしかサボりがちになってしまい継続できない...というのはよくあること。また、手元にお金があると、ついつい使ってしまうかもしれません。
ですが、定期預金にしてしまえば、簡単に引き出すことができないという心理が働きます。さらに、自動的に引き落とされる積立定期預金なら、着実に預金を増やすことができます。
この貯蓄性の高さこそ、定期預金の一番のメリットといえるでしょう。
普通預金であれば、ATMで簡単に現金を引き出すことができます。ですが、定期預金ではそうはいきません。まとまった額のお金を用意したいと思って中途解約すると、金利が大きく減ってしまいます。満期日になるまでお金の出し入れをしづらいのが定期預金のデメリットといえます。
いくつかの金融機関では「スーパー定期」という商品を扱っています。「普通の定期預金とどう違うの?」と思ってしまいますが、「スーパー定期=普通の定期預金」と考えて差し支えありません。
過去、「護送船団方式」と呼ばれた金融業界には、行政による多くの規制がありました。預金金利もそのひとつで、各金融機関は行政が定めた「規制金利」しか設定できなかったのです。
ところが、この制限が少しずつ緩和され、金融機関はそれぞれに独自の金利を自由に設定できるようになりました。この中から登場したのが、自由金利型定期預金「スーパー定期」でした。
現在、銀行の金利は完全に自由化されています。つまりすべての定期預金が「スーパー定期」になったというわけです。ですが、これらの歴史的な経緯から、一部の金融機関では「スーパー定期」という名称が残っているのです。
改めて普通預金と定期預金の違いについて、まとめておきます。
普通預金は、預け入れと引き出しはいつでも可能で、クレジットカードや生活費の引き落としに使えます。定期預金の場合、基本的には引き出しに制限があります。設定した期間に満たずに引き出すと解約となり、金利が下がってしまいます。
定期預金のほうが普通預金よりも金利が高く設定されています。
普通預金は変動金利となり、金利の影響を受けて利息が変わります。定期預金は、預け入れしたときの金利が適用される「固定金利」が一般的ですが、金融機関によっては、金利が上昇すれば利息も高くなる「変動金利」を選択することができます。
「預金」は私たちにとって、とても身近なものですが、「金融商品」であることに違いありません。その特徴やメリット・デメリットを正しく理解し、効率良く使いこなすことが大切です。