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2018.3.22 資産運用キホンのキ
少額投資非課税制度のNISAは、2014年からスタートしました。通常、株式投資や投資信託で売却益や配当金には、20.315%の税金が課せられます。ですが、NISAでは年間購入額120万円までを非課税枠とし、それらの商品から得られた売却益や配当金について、購入から5年間は非課税となります。
多くの人々にとってハードルが高い「投資」が身近になるだけでなく、銀行金利よりも高い金融商品で資産形成を図れば、将来の備えとしても活用できます。
NISAには基本となる制度に加えて「ジュニアNISA」と「つみたてNISA」があります。
NISAは20歳以上でなければ口座を開設できませんが、ジュニアNISAは0歳から19歳までを対象としたNISAです。非課税枠が新規投資額で年間80万円までであること、原則として18歳までは払い出しができないことを除けば、一般のNISAとほぼ同じです。20歳以降は自動的にNISA口座が開設され、そちらに移行します。
子供や孫の将来のために、親や祖父母が利用することが想定されています。
予め決めておいた金額を定期的に投資するのがつみたてNISAで、長期・積立・分散投資をサポートするための制度です。対象となる金融商品が安定した資産形成にマッチしたものに限られていること、非課税枠は新規投資額で年間40万円と低めに抑えてあることから、投資初心者にも優しい制度設計といえます。
一方で、非課税期間は投資した年から最長20年間と長いため、最大800万円までの金融商品を運用することができます。
NISAは投資初心者に魅力的な制度ですが、メリットだけではなくデメリットもあることは覚えておいたほうがいいでしょう。
投資による配当金や譲渡益にかかる20.315%の税金が5年間ゼロになるというのは、NISAの最大の魅力です。
例えば株を100万円分買って、120万円になって売却したら、売却益は20万円になります。本来ならば20万円×20.315%=40,360円の税金がかかることになりますが、NISAだと非課税となり、売却金をそのまま受け取ることができます。
NISAはNISA口座の中だけで完結しますので、他の特定口座や一般口座との損益通算ができません。NISA口座で損が出たからといって、他の口座の利益を通算して非課税にすることはできません。
NISAは少額投資に特化した優遇制度なのですが、金融商品に関する税の優遇制度はほかにもいくつかあります。それらの制度とNISAとの違いについて把握しておきましょう。
毎月決まった額を拠出して運用先を指示し、年金として受け取る制度です。近年では個人型確定拠出年金「iDeCo」も普及してきました。拠出金も運用益も非課税で、老後の生活資金の積立を目的にしたものです。
会社員など働く人のための貯蓄商品になり、「財形住宅貯蓄」「財形年金貯蓄」「一般財形貯蓄」の3つがあります。財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄は、元利合計で550万円までは利子などに税金がかかりません。
給与から天引きで積み立てられていきますから、将来の住宅購入や老後の資金として、着実な資産形成が図れます。
障害者の方や遺族年金を受けている方のための制度で、預金や国債・地方債などについて元本350万円までの利子所得が非課税となります。
NISAは損が出たときに損益通算ができないというデメリットもありますが、利益が非課税になるのは大きな魅力です。ぜひ活用してみてください。