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2018.3.22 資産運用キホンのキ
投資によって資産を増やそうとする場合、さまざまな金融商品から選択することになります。国内外の債券や株式、外国為替、それらから派生したデリバティブと呼ばれる商品群もありますし、預貯金も立派な金融商品です。
この中から自分のニーズに合ったものを選び、確実なリターンを得ることは簡単ではありません。金融に関する知識と正確な情報、先を読む洞察力などが必要です。
そこで登場するのが「ファンド」、つまり投資信託です。投資信託とは、たくさんの投資家から集めた資金をプロが運用してくれる金融商品のこと。各種金融商品から得た利益を出資者に配当します。
投資信託は、制度や形態など複数の側面から分類することができます。ここでは、投資対象となる金融商品の種類と、投資可能な時期による分類についてご説明しましょう。
株式を一切扱わずに国債や公社債に投資する「公社債投資信託」と、株式にも投資できる「株式投資信託」があります。前者は安定的な運用を目指すもので、後者はより大きな投資効果を狙ったものです。投資信託商品の多くが、株式投資信託に分類されます。
「単位型」と「追加型」に分けることができます。単位型は募集期間にのみ購入できる投資信託で、満期までのあいだにじっくり育てる投資信託といえます。一方の追加型はいつでも売買ができるため、金利や市場の動きに合わせた運用が可能です。
投資信託は、魅力的ないくつものメリットがありますが、一方でリスクもあります。無理のない投資のために、これら両面を十分に理解しておくことが必要です。
投資の世界には「卵はひとつのカゴに盛るな」という言葉があります。複数のカゴに分けて卵を盛っておけば、ひとつのカゴを落として卵を割ってしまっても、他のカゴの卵は無事に残るという意味です。
投資信託は複数の出資者から集めたお金で、複数の金融商品を扱いますので、まさに複数のカゴに分けた投資なのです。分散投資になりますので、リスクを抑える効果が期待できます。
数々の金融商品を運用して利益を上げるには、高度な専門知識やテクニックが必要です。投資信託は、そうした専門性を備えた投資のプロによって運用されるという安心感があります。
株式や債券を直接購入するとなると、ある程度の資金が必要になります。ですが、投資信託なら、10,000円程度の少額から投資を始めることができます。
投資信託は基準価額が公開されており、日々の値動きや資産価値が明確です。第三者機関による監査も行われており、透明性の高い金融商品といえます。
外貨建ての商品に投資する場合、その通貨と日本円との為替レートの動きによって、損益が発生することがあります。
株式や債券の価格変動に伴う値下がりのリスクがあります。値動きの幅が比較的大きい、株式を中心とした投資信託は、株価の変動によるリスクが高いといえます。
債券の場合、金利の上下によって価格も変化します。また、満期までの期間が長いと、それだけ金利変動のリスクが高まります。
債券等を発行している国や企業などが破綻してしまうと、利息や償還金を支払うことができなくなります。滅多にあることではありませんが、可能性はゼロではありません。
ETFは、市場の値動きに沿うような投資成果を目指す、証券取引所で取引きされる投資信託(上場投資信託)です。これとよく似た金融商品として、同じく市場の値動きに沿うような投資成果を目指す投資信託の「インデックスファンド」があります。
ETFはコストが安く、値動きがわかりやすい上に、簡単に分散投資をすることができます。また、インデックスファンドは1日1回しか取引きができませんが、ETFは取引所に上場していますので、取引時間内であれば何度でも自由に売り買いができます。
投資信託は、さまざまな選択肢から自分の志向にあった商品を選べるのが大きな魅力です。手数料の安いインデックス型や、分散投資できるバランス型など、資産状況によって検討してみてください。