前の記事
わかると差が出る「投資信託の特徴」
2018.3.22 資産運用キホンのキ
REITはアメリカで生まれたしくみで、日本では「J-REIT」と呼ばれることもあります。REITは「不動産投資法人」という、会社のような形態をとります。そして、株券のような「投資証券」を発行し、投資家から資金を集めます。その資金で不動産などに投資し、家賃収入や売却益を上げて、その収益を投資家に分配します。これがREITの基礎的なしくみです。
REITはどのような不動産に投資するかによって性格がかなり異なります。REITの種類を確認していきましょう。
住宅やオフィスビル、商業施設、ホテル、物流倉庫など、不動産の種類は多岐にわたります。これら多種多様な不動産物件に分散投資するのが、総合型REITです。複合型REITとも呼ばれ、リスクの分散を図れるのがメリットです。
これといった特徴がないという面もありますが、「REITを始めたい」というビギナー投資家であれば、まず総合型から手掛けると良いでしょう。
オフィスビルや物流倉庫など、特定の物件に特化したのが特化型REITです。投資先の地域をしぼった「地域特化型REIT」のように、一風変わったREITもあり、ホテルやリゾート施設に特化したREITでは宿泊割引などの優待特典がつくこともあります。
扱う不動産の種類によって安定性やリスク、リターンの大きさなどが異なりますから、購入前に十分な下調べが必要でしょう。
REITにはたくさんのメリットがある一方で、リスクも存在します。REITを始めるときは、これらのリスクについて理解しておくことが不可欠です。
不動産投資には大きな資金が必要ですが、REITなら少額から始めることができます。
投資家から集めた大きな資金は、不動産投資のプロの手によって分散投資されます。
そのため、リスクを抑えた運用ができ、直接投資のような物件管理の手間がいりません。
不動産そのものは簡単に売買できるものではなく、極めて流動性の低い資産です。ですが、不動産を証券化したREITは、証券取引所に上場されていますので、いつでも売買ができます。
商品によって差はありますが、REITでは利益のほとんどが投資家に分配されるしくみになっています。この収益性の高さも大きな魅力のひとつでしょう。
景気動向によって家賃収入が下落したり、テナントの退出が増えたりすると収益が下がり、価格や分配金に影響を及ぼします。
投資対象である建物が火災や地震によって被害を受けるリスクがあります。これは、REITに特有のリスクといえます。
不動産関連の法制度の改正や規制の強化によって、不動産の価値が変わり、分配金等に影響するリスクがあります。
日本版REIT、すなわちJ-REITは、アメリカで誕生したREITに、少々手入れをされて誕生しました。同様に、世界の各地域で欧州REIT、アジアREIT、新興国REITなどが運用されています。いずれも「不動産を証券化して売買し、収益を得る」という、基本的なしくみは同じです。
ですが、これら海外REITを扱うときには、注意が必要です。J-REITと海外REITの違いを確認していきましょう。
国や地域によって不動産や投資に関する法律が違いますから、海外REITにおいても細かな手順やルールなどが異なります。しっかり把握しておきましょう。
海外の詳細な不動産情報を得ることは簡単ではありませんので、売買のタイミングを逃してしまう危険もあります。もちろん、海外投資の一種ですから、為替リスクも発生します。一方で、J-REITよりも高い分配金を狙える海外REITもあります。
不動産投資のハードルを下げてくれるREIT。そのメリット・デメリットを押さえながら、ぜひ検討してみてください。