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2018.3.28 資産運用キホンのキ
ファンドは「資金」「基金」などと訳すことができ、かなり広い意味を持った言葉です。ただし、経済用語として使う場合には、「投資ファンド」のことを指します。 投資ファンドとは、多くの投資家から資金を集めて大きな資金を作り、それによって事業を運営して、利益が出たところで出資者に分配するしくみです。
どんな分野であれ、事業を興すには資金が必要です。事業規模が大きくなればなるほど、また事業期間が長くなればなるほど、より多くの資金が必要となりますので、一企業が資金を負担するにはリスクが大きくなります。そこで登場するのが投資ファンドなのです。
株式や債券、不動産など、投資の対象となるものは多数あります。ですが、投資対象を一種類だけにしぼってしまうとリスクが高くなります。例えば株式に投資して、対象の株が暴落したら致命的な損失を受けてしまいます。そのようなことのないよう、値動きの異なる商品や通貨など、複数の投資対象を組み合わせたものがバランスファンドです。
金融市場には、その全体的な値動きを表す指標(インデックス)というものがあります。例えば、日本の株式市場の指標としては「日経平均株価」や「TOPIX(東証株価指数)」がありますし、アメリカの株式であれば「ダウ平均(NYダウ)」や
「NASDAQ総合指数」があります。これらの指標と同じような値動きをするように作られ、運用されているのがインデックスファンドです。また、市場平均を上回る運用を目指すアクティブファンドというものもあります。
複数の投資対象を組み合わせるバランスファンドについて、メリットとデメリットを確認しましょう。
バランスファンドでは、組み合わせの配分から実際の運用まで、金融のプロの手で行われますから、専門知識がなくても買いやすく、しかも手間がかからないので初心者の方でも投資しやすいといえます。
バランスファンドは、投資先が分散されていますので、株式や債券、不動産などに単独で投資するのに比べてリスクは低いといえます。バランスファンドの中の投資対象の1つが値下がりしたとしても、ほかの投資対象が値下がりしていなければ、損失を最小限に抑えることができます。
また、どの程度のリスクをとるかによって、自分に適した配分のバランスファンドを選ぶことができるのもメリットでしょう。
プロによる運用という手間がかかっている分、バランスファンドは高い手数料が設定されています。
バランスファンドを構成する商品や配分などは、自分で変更することはできません。自分で商品を選んで配分したいという方には、デメリットになります。
続いて、株式市場の値動きと連動するインデックスファンドについて、メリットとデメリットを確認しましょう。
インデックスファンドは、構成銘柄や組み入れ比率が、連動を目指す指標と等しくなるように投資していますので、1つの銘柄だけに投資するのと比べると、比較的リスクを抑えることができます。
また、世界中の株式市場、それも先進国から新興国までの市場にバランス良く投資できるインデックスファンドもありますから、確認してみてもいいでしょう。
インデックスファンドは運用コストが低いため、手数料が安いというのはうれしいポイントです。
指標にリンクした値動きをするということはメリットもありますが、デメリットにもなりえます。市場の暴落などが起こると購入時より値を下げてしまうことがあります。
ファンドは、投資において基礎知識として押さえておきたい言葉です。ファンドの意味をしっかり把握して、投資についての理解を深めていきましょう。