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2018.3.28 資産運用キホンのキ
金融商品を選ぶときにまず気になるのが金利です。大切なお金を預けるのですから、少しでも安全で、しかも金利の高いものに投資したいと考えるのは当然のことでしょう。
金利を考える場合、見逃してはいけないのが「単利か複利か」の区別です。これは、金利の計算方法の違いであり、単純に数字だけで比較することはできません。
元本10万円、運用期間5年間、金利5%とした場合の、単利と複利それぞれの金利について考えてみましょう。
単利は常に元本のみに利子が発生します。ですから「1年分の利子×運用期間」が利子の総額となります。例えば元本10万円を1年単利5%で運用していく場合を考えてみましょう。
1年分の利子が5,000円となります。5年間運用すると、「5,000円×5年間」で25,000円の利子となり、元本と合わせた資産額は12万5,000円です。
複利では、1年分の利子を元本に組み入れ、翌年の元本として繰り越していきます。そのため運用期間が長くなると、単利よりも利子の総額が大きくなります。
例えば元本10万円を1年複利5%で運用していく場合を考えてみましょう。1年目の利子は5,000円になります。2年目の元本は、「10万円+利子5,000円」で10万5,000円となりますので、利子は5,250円と毎年増えていきます。
5年間運用すると、元本は12万1,550円で利子は6,077円になり、資産額は12万7,627円となります。
複利の金利効果を高めるために2つのポイントを押さえておきましょう。
複利の商品は、運用期間が長くなればなるほど、元本そのものが増えていきます。つまり、長く続けるほど金利効果が高まるのです。そうした点を考えると、長期にわたる積立型の金融商品なら、複利の効果をより発揮できるでしょう。
また、複利においては、金利が大きければ大きいほど、その恩恵を受けやすくなります。複利の金利効果も上乗せすることができ、元本がより増えていくことになります。
複利の商品を選ぶ際には、利息を元本に組み入れる期間についても注意が必要です。例えば「1年複利」であれば、1年ごとに1年分の利子が元本に組み入れられます。また、「半年複利」であれば、半年ごとに6ヵ月分の利子が元本に組み入れられます。
「どちらでも大差ないのでは?」と思われるかもしれませんが、組み入れの期間が短いほど元本の成長が早く、それだけ資産が増えていきます。
1年複利よりも半年複利、さらには1ヵ月複利のほうが元本がより増えやすいといことを覚えておきましょう。
複利運用の金融商品は数多くあります。資産を増やすことを考えれば、これら複利で増やす商品を中心に、資産運用を考えていくべきでしょう。
複利運用の積立預金は、最も身近な金融商品といえるでしょう。積立預金は、毎月指定した日に一定額を積み立てて預金を増やしていきます。預金には利息がつき、次の利息を受け取るときに元本に利息をプラスした金額で計算することになります。
定期預金には「元利自動継続」というオプションがあり得ます。これは、満期を迎えた定期預金の金利を元本に組み入れ、自動的に継続するというものです。こうしておけば複利と同じく、元本を成長させながらより多くの利子を得ることができます。
単利と複利はわずかな違いかと思いきや、長期間で考えると大きな違いになります。単利と複利についてしっかりと把握して活用していきましょう。