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2018.4.4 資産運用キホンのキ
投資の世界でのリスクとは、「結果の不確実性」という意味を含めて、価格変動の振れ幅を表現するときに使われます。
市場で売買される金融商品は、需要と供給のバランスによって、常に価格が変動しています。その振れ幅は商品によって異なり、わずかしか上下しない振れ幅の小さなものもあれば、大きく価格が上下する振れ幅の大きなものもあります。
このとき、振れ幅の小さな商品について「リスクが小さい(低い)」、振れ幅の大きな商品は「リスクが大きい(高い)」と表現するのです。
リターンとは、投資により得ることができる利益のことです。リスクと表裏一体の関係にあります。
リスクが大きいものほどリターンが大きくなりますし(ハイリスク・ハイリターン)、リスクが小さいものほどリターンが小さくなります(ローリスク・ローリターン)。
このように、金融商品のリスクとリターンは、一般的に比例する関係になっています。
ここまで、リスクとリターンについてご説明してきましたが、金融商品に関するリスクは、価格変動だけではありません。それ以外のリスクについても知っておきましょう。
為替リスクは、外貨預金や外貨建て投信など、海外の資産に投資する場合に想定されます。投資する際、最終的な収益を日本円で受け取るとなると、為替レートによって損益が変わってきますので、その国の通貨と円との為替レートを考慮する必要があるのです。
一般的には円安になれば収益はプラス方向へ、円高になればマイナス方向に傾きます。商品そのものが値を上げても、それ以上に円高になれば、結果として損になることもあるのです。
デフォルトリスクとは、債券などを発行する国や自治体、企業などの財政が悪化して、利息や償還金などを支払うことができなくなる危険性のことです。経済基盤がしっかりした国や健全財政の企業であればリスクは小さく、政情が不安定だったり信用不安があったりするような国や企業ではリスクが大きいということになります。
金利変動リスクとは、金利の変動が価格に影響するリスクです。一般的に、金利が上昇すると債券の価格が下がるため、債券に投資する信託商品では価格に影響が出ることがあります。
どんな金融商品にも、必ずリスクがあり、それに見合ったリターンがあります。投資の際に重要なのは、いかにリスクとリターンのバランスをとるかということです。そのためには、「何のために投資するのか」という、投資の目的を定めることが欠かせません。
「まとまった資金を将来のために残しておきたい」というなら、リスクの小さい商品が良いでしょう。たとえリターンが小さくても、長期間保有することで、着実に資産を増やすことができます。
「短期間で資産形成したい」というなら、ある程度のリスクを覚悟の上で大きなリターンを狙うという手もあるでしょう。損をする危険はありますが、それ以上に大きな収益を得られる可能性もあります。
まずは自分自身の「投資の目的」をはっきりとさせ、どの程度のリスクを許容できるか検討し、その上で最適なバランスを備えた商品を見定めることが大切です。