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2018.4.11 資産運用キホンのキ
外貨預金は、海外のさまざまな通貨を金融機関に預金することです。日本円を銀行に預けるのと同じ感覚でわかりやすく、手間がかかりません。外貨預金の特徴としては、次の2点が挙げられます。
超低金利と呼ばれる日本(※)とは異なり、世界には高金利の通貨もあります。高金利の通貨をまとまった金額で預けておけば、それだけ高い利子を受け取ることができます。
為替レートは日々変化しています。例えば1ドル100円のときに10,000ドル(100万円分)を預金したとしましょう。その後、円安が進み1ドル110円になると、日本円で
110万円となり、10万円分の為替レートによる差益が発生することになります(※)。反対に、円高となると、為替レートによる差損が発生することになります。
FXは、「外国為替証拠金取引」を意味します。まず、FXの専門会社やFXを扱う金融機関に「証拠金」を預け、これを担保として為替取引を行います。外貨預金と似ていますが、FXには外貨預金にはない、以下のような特徴があります。
FXでは、預けた証拠金の数倍の取引ができます。このシステムを「レバレッジ」といいます。例えば、証拠金が100万円で、レバレッジを10倍に設定したら、1,000万円までの通貨取引ができるのです。利益が発生した場合、受取金額が大きくなりますが、反対に損益が発生した場合も大きな金額となりますので、注意が必要です。
低金利の通貨で高金利の通貨を買った場合、「2つの通貨の金利差」を受け取ることができます。これが「スワップポイント」です。外貨預金の金利に似たものですが、スワップポイントは毎日受け取れるという点が魅力です。ただし、高金利の通貨で低金利の通貨を買った場合は、逆に差額分を支払うことになります。
一般的な傾向ですが、FXでは外貨預金よりも多くの通貨を取引できます。そのため、為替の状況を見ながら、より有利な通貨を選んでいくことができます。 また、外貨取引に必要な為替手数料が安いのもFXの特徴です。一般的に外貨預金よりも、FXのほうが手数料が安いため、外貨預金に比べ頻繁に取引をする投資家が多いといわれています。
外貨預金とFXには先に述べたような特徴の違いがありますが、どのように使い分ければよいでしょうか?
あまり手間をかけず、ある程度「預けっぱなしにしたい」という人は、外貨預金が良いでしょう。ただし、預けっぱなしといっても、預金した通貨が暴落してしまうと大きな損失が出ますから、為替の状況や現地の政情などは、定期的にチェックするのが良いでしょう。
よく海外旅行に出掛ける人なら、現地の通貨を預金しておくと、現金やトラベラーズチェックで引き出すこともできる金融機関もあります。
FXは、利益の出そうな通貨取引をみずから仕掛け、レバレッジを活用して大きな利益を得ることができます。
その反面、正確な情報取得力や、タイミングを逃がさない判断力などが求められ、一般的には初心者にはハードルが高いと言われています。レバレッジを利かせた大きな取引ができるということは、大きな損失を被るリスクもはらんでいます。その点はしっかり認識しておくようにしましょう。
外貨預金とFX、どちらも一長一短があります。
自分の経験や性格を考慮し、どちらが向いているのか、よく考えて運用してみてください。