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わかると差が出る「REIT(リート)の仕組み」
2018.4.25 資産運用キホンのキ
REITの分配金は、基本的に一定の利回りで定期的に支払われます。ですから、利息と同じものと思われがちですが、そうではありません。
REITは不動産に投資して、その賃貸収入等で利益を上げています。その利益から必要なコストを差し引き、さらに残った利益を投資者に還元するのが分配金です。
REITでは当然のことながら、リスクがあります。こう聞くと、とたんに不安になってしまう方もいるかもしれません。ですが、投資にリスクはつきものです。
そうしたリスクを少しでも抑えたいなら、「REIT
ETF」を検討してみてもよいかもしれません。REITは、複数の不動産物件に分散投資する投資信託ですが、そのREITを複数とりまとめて証券化したものがREIT ETFです。つまり1つのREIT
ETFは、タイプの異なる複数のREITで構成されていて、さらにそれぞれのREITがいろいろな不動産に投資しているという構造です。
REITよりも広範囲な分散投資ができる不動産投資信託、それがREIT
ETFというわけです。
REIT
ETFは、複数のREITに分散投資するという性質上、市場におけるREITの値動きとほぼ連動します。一般の投資信託にも同じようなものがあります。それは「インデックスファンド」と呼ばれ、日経平均株価やNYダウ平均などと連動する値動きをする投資信託です。市場価格と連動するため、わかりやすく堅実な資産運用には有効です。
REIT
ETFは、幅広い不動産に投資でき、市場の値動きとほぼリンクしますので、比較的堅実な運用ができると言われています。また、保有するコストが安いため、長期投資にも向いています。値動きがわかりやすい上、上場していますので、いつでも市場で売買することができます。
REITは不動産投資ですので、入居者やテナントが毎月支払う賃料がその収入源です。「いつ、いくらの入金があるか」が明確で、安定した収入源といえます。企業の業績やアクシデントに応じて価格が上下する、株式のような不安定さがありません。急激な価格上昇は考えにくいですが、暴落することもまれです。これは、不動産ならではのメリットでしょう。
もちろん、決して価値が下がらないというわけではありません。マンションでも商業施設でも、入居者やテナントが出ていったあとの空室がなかなか埋まらず、利益率が下がることもありますし、地価の上下による価値の変動もあります。火災や天災によって物件が損傷してしまうこともあるでしょう。
REIT
ETFなら、それらのトラブルによる価値下落のダメージを、比較的小さく抑えることができます。これは複数のREITに分散投資する、REIT ETFならではのメリットです。
REITとREIT
ETFは、不動産投資のリスクを分散させ、堅実な収益を狙った商品です。
不動産投資を考える上で、選択肢のひとつとして検討してみてもいいでしょう。