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2018.5.2 資産運用キホンのキ
ETFとは、投資信託の一種です。「Exchange Traded
Fund」の略で、「上場投資信託」とも呼ばれます。
ETFは、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)といった株式指標などにリンクした値動きをするように作られています。投資先は、国内・海外の株式やREIT(不動産投資信託)だけではなく、金や原油といった商品など、豊富な種類がそろっています。
ETFの特徴は、株式投資のような手軽さと投資信託のような安定感があることです。投資信託のように分散投資ができ、株式投資のようにリアルタイムに取引きできます。
ETFには、数々の特徴がありますので、確認していきましょう。
ETFは、株式指標等に連動するため、その指標を構成する多くの銘柄を、少しずつ購入するのと同じような効果を生みます。つまり、ETFをひとつ購入するだけで、市場への幅広い分散投資ができます。また、指標は、個別銘柄に比べ、新聞やテレビなどでも手軽に情報が手に入りやすく、安定感のある運用ができるのです。
投資信託では、通常販売会社などに信託報酬を0.5〜2.5%程度支払う必要があります。ETFは、信託報酬が低く、0.1〜1%程度です。他の投資信託よりもかなり低いため、長期保有して利益を生むのに適しているでしょう。
投資信託は1日1回、その日に決められた基準価額でしか売買できません。ですが、ETFは、証券取引所に上場している投資信託になりますので、株式投資と同様に、取引所の取引時間内ならばリアルタイムで売買ができます。
多くの特徴があるETFですが、デメリットもあります。
ETFでは銘柄ごとに売買の単位(口数)が決められています。例えば、TOPIX型ETFの場合は100口が売買単位となります。そのため、最低投資金額も投資信託よりも高めの傾向となっているので注意が必要です。
ETFは、いくつかの種類に分類できます。それぞれの特徴を説明していきましょう。
市場の代表的な株式の銘柄に分散投資する形で設計されており、市場の値動きとリンクするように変動します。市場が値下がりすれば価値が下がり、市場が上がれば値上がりします。
レバレッジ(ブル)型ETFは、値上がり局面でリターンを期待できます。「レバレッジ」とは「てこ」を意味し、市場の値動きに合わせて価格が上下するのは一般のETFと同じですが、プラスマイナスの値動きが株価指数のおよそ2倍などのように設計されます。値上がり局面では、より大きなプラスを得られますが、逆に値下がり局面でのマイナスも大きくなります。ちなみに、「ブル」とは「雄牛」のことで、雄牛が角を突き上げるような上昇相場を意味します。
インバース(ベア)型ETFは、値下がり局面でリターンを期待できます。「インバース」は「逆」という意味で、レバレッジ型とは逆に、市場が下げ局面のときに利益を得られるETFです。例えば、市場の株価指数のおよそマイナス1倍といったように、逆方向に同じ幅だけ変動するように設計されています。市場指数が下がれば同じ幅だけ値が上がり、上がれば同じ幅だけ値下がりします。ちなみに「ベア」とは「熊」のことで、熊が爪を振り下ろすような下落相場を意味します。
「REIT(リート)」は、投資家から資金を集めて、不動産を購入して運用する不動産投資信託のことで、株式同様に市場で売買ができます。
REIT指数連動型ETFは、REIT全銘柄の値動きを表す「REIT指数」に沿った値動きをするETFです。
ETFは、いくつもの特徴があり、初心者でも比較的わかりやすい商品です。
ETFにもさまざまな種類がありますので、それぞれの特徴をよく把握して検討してみましょう。