正さん一家のプロフィール
正さん(夫)……40歳、会社員
愛さん(妻)……42歳、専業主婦
祐樹くん(長男)……7歳
2022.1.19こだわりハウス、見せてもらっていいですか?
正さん一家のプロフィール
正さん(夫)……40歳、会社員
愛さん(妻)……42歳、専業主婦
祐樹くん(長男)……7歳
――マイホームの購入を考え始めたのはいつ頃ですか。
正さん
「息子が生まれた、2014年頃です」
愛さん
「息子が小学校に上がる前には引っ越したいね』と話していました。立地、予算、周辺環境など様々な条件と照らし合わせて、申し分のない土地を見つけるまでに約4年かかりました」
正さん
「建物部分も、なるべく理想を実現させたいと思い注文住宅を選びました」
――住まいのこだわりポイントを教えてください。
愛さん
「隣接する公園の桜を楽しめるよう、リビングを2階にしたことです。あとはキッチンやバスルームなどの水回りを集中させて生活動線を短くしています」
正さん
「僕は書斎ですね。約2畳と広くはありませんが、内装にもこだわって床や壁の材質も自分一人で決めました」
――マイホームの購入費用について教えてください。
愛さん
「土地が900万円、建物は頭金を入れて3,050万円です。月々の返済額はあわせて71,000円です」
正さん
「建売だとローンは一つで済みますが、注文住宅は土地代が先に必要で。つなぎ融資ではなく、土地と建物で別々に二つローンが組める金融機関を探すのが大変でした。マイホームの購入で一番苦労した部分かもしれません」
高山先生
「頭金が200万円と低めですね」
正さん
「預貯金は十分にあったのですが、住宅ローン減税の制度を目一杯活用したくて。我が家の場合、所得税・住民税共に控除されるので、とても助かっています」
高山先生
「制度を利用するために、あえて調整されたのですね」
高山先生Point
住宅ローン減税は、毎年の住宅ローン残高のうち1%が控除されます。あえて頭金を低くすることで、その恩恵を十分に受けるのも手段の一つ。10年で減税期間が終わるので、その後は繰り上げ返済なども検討してみてください。
――次に月々の支出を見ていきましょう。高山先生、いかがですか?
高山先生
「どの費目も無駄がなく、堅実に生活されているのがわかりますね」
愛さん
「ありがとうございます。食材は、地元のものを特売で安く買うようにしています。あとは、家族での外出の際は自治体の無料イベントを調べて参加するなど、お金をかけずに思い出作りができる過ごし方を工夫しています」
正さん
「我が家は支払いを家族カードで一本化し、家計簿アプリで家計を管理しています。一目で支出がわかるのでとても便利ですね。キャッシュレス決済は使えば使っただけポイントもたまるので、積極的に取り入れました」
高山先生
「家計簿アプリを利用すると、使った金額が自動的に『見える化』できて無駄遣いを防ぐ効果があります。お二人はメリットをしっかりと理解して活用されてますね。また、キャッシュレス決済にするとポイントもたまりますし、とても効率的だと思います」
愛さん
「ただ切り詰めるのではなく、節約や家計管理は『楽しい』と思える範囲で行うのが良いと思っています」
高山先生Point
家計簿アプリを使うと支出の「見える化」が簡単にできます。支出の把握ができているご家庭は、お金がたまりやすい傾向にありますよ。
――正さんは、3年前に投資を始めたそうですね。
正さん
「個別株や投資信託を買っています。投資信託では、いろいろな銘柄を50本ほど。積立額は月2万円くらいです」
高山先生
「50本も!? かなり多いですね」
正さん
「購入ポイントの利率が最も高くなるように買っていたら、こうなりました(笑)」
高山先生
「なるほど。財形貯蓄と持ち株会でも5万円ずつ積み立てているのですね。資産全体のバランスを考えると、もう少し投資信託の購入額を増やしても良いと思います」
――今後、大きな出費の予定はありますか?
正さん
「家の修繕費や息子の教育費でしょうか。修繕費は財形貯蓄で積み立てた分を充てるつもりで、進学費用に関しては学資保険に入っています」
高山先生
「しっかり備えていますね。預貯金が十分にありますので、一部を運用に回しても良いかもしれません。非課税のつみたてNISAなどを検討してみるといいですよ」
高山先生Point
つみたてNISAは、年間40万円までの利益が最長20年間まで非課税。長期運用に向いた制度なので、お子さんの大学進学費用など、準備期間が長い費用を想定して運用するのがオススメです。
――将来に備えて預貯金も資産形成もしっかりされていますが、今後の目標はありますか。
正さん
「コロナ禍が落ち着いたら、年に2回は家族旅行に行きたいですね」
愛さん
「今まで通り、楽しみながら節約生活を送っていきたいです」
正さん
「僕は調べることが好きで、マイホームの購入も資産運用も自分なりに情報収集をしてきました。これからも有益な情報を集めて、将来のために活用していきたいです」
高山先生
「ご自身で積極的に情報を集めるのはとても良いですね。あとは、資産運用について話ができる方が周りにいると、モチベーションも保ちやすいと思います。ぜひ、これからもご夫婦で話し合ってみてください」
――住宅ローン減税の制度から家計簿アプリの活用、投資信託の購入など、調べて得た知識をきちんと実行に移されているのが印象的でした。
高山先生
「お子さんに十分なお金をかけていきたいという、明確なライフプランをお持ちのご家族でした。そこに向けて行動されているのが素晴らしいですね」
――調べるだけで終わらず、実際に行動する一歩を踏み出す勇気が大切なのですね。
高山先生
「たとえば住宅ローン減税は、入居した翌年の確定申告時に申請しなければ、減税の恩恵を受けることはできません。調べて終わるか、実際に行動に移すか。この二択で人生が大きく変わりますよ」
高山 一恵(たかやま かずえ)
ファイナンシャルプランナー(CFP)、一級FP技能士。株式会社Money&You取締役。
全国での講演活動、執筆、マネー相談を通じて、女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。女性向けWEBメディア『FP
Cafe®』や『Mocha』も運営。また、『Money&You TV』や「マネラジ。」「Voicy」などでも情報を発信している。 主な書籍には、「はじめてのNISA
&iDeCo」(成美堂出版)「1日1分読むだけで身につく お金大全100」(自由国民社)」「はじめのお金の基本」(成美堂出版)「マンガと図解 はじめてのFIRE」(宝島社)などがある。
Money&You:https://moneyandyou.jp/
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