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2023.1.11 くらしのマネー辞典
今年も確定申告の時期がやってきました! 2023年(令和4年分)の申告期間は、3月15日(水)までとなっています。サラリーマンでも、副業や投資などで得た収益、多額の医療費がかかった場合などに申告が必要となります。今回は、サラリーマンが確定申告しなければならない場合や確定申告したほうが良い場合についてご紹介します。
一般的なサラリーマンの方は、会社が年末調整を行ってくれるため原則確定申告をする必要はありません。しかし、給与が2,000万円を超える方や、副収入が20万円を超える方などは期日内に申告をする必要があります。
2021年の国税庁のレポートでは、総就業者6,676万人のうち、確定申告をしている方は2,249万人。およそ34%の方が確定申告をしています。
近年認知度もかなり上がってきたふるさと納税。「納税」という言葉が使われていますが、法律上は「寄附金」として扱われ、寄付金控除が適用されます。年間の寄付先の自治体が5つ以内であればワンストップ特例制度が適用され、確定申告をしなくても、書類を自治体に送付するだけで寄付金控除を受けられます。(翌年の1月10日までに要申請)
6つ以上の自治体に寄付を行った方は確定申告が必要となります。
投資などで20万円以上の利益が出た場合にも、原則として確定申告が必要です。 少し複雑になりますが、取引の状況や、どの口座を使っているかなどで申告の要否が異なるのでご注意ください。
なお、近年、話題になっている仮想通貨も、20万円以上の利益が出た場合、雑所得として確定申告が必要です。
▼くわしくはこちら
わかると差が出る「投資信託の分配金の仕組みと確定申告が必要な場合」
▼投資を検討している方へ
▼投資信託の税制について
2017年から始まったセルフメディケーション税制(医療費控除の特例)。これは、健康診断や予防接種などを受けている方が、特定の市販薬を年間12,000円以上購入した場合、超えた分から上限88,000円が所得控除されるというものです。
従来からある医療費控除は1年間に10万円以上の医療費がかかった場合に適用されるため、ぐんとハードルが下がりました。この2つは併用できないのでご注意ください。
対象となる医薬品は3,000種類以上あり、厚生労働省のホームページで確認できますし、店頭に並んでいる商品にも共通識別マークがついています。
医療費控除には届かなくても、セルフメディケーション税制は活用できるかもしれませんので、対象の市販薬を購入した際にはレシートを、健康診断や予防接種を受けた際には領収書を捨てずに保管しておきましょう!
「セルフメディケーション税制」の適用開始〜超高齢社会で求められる健康の自己管理〜
サラリーマンが経費にできる数少ない支出に「特定支出控除」という制度があります。これは、仕事のために使ったお金(スーツ代/研修費/図書費など)が経費として認められ控除されるというものです。
ただ、適用を受けるためには領収書の添付のみならず、勤務先の証明書も添付する必要があるためハードルが高く、活用している方はあまり多くないのが現状です。
敬遠しがちな税金の話でしたが、確定申告をすることで「控除」を味方につけることも資産の防衛につながります。
サラリーマンの確定申告について主なものを下表にまとめましたので、申告漏れがないか今一度見直してみましょう!
▼特定口座年間取引報告書と確定申告について
▼iDeCo(イデコ)は、確定申告でも税金が戻ってくる!?
個人型確定拠出年金(iDeCo)の年末調整・確定申告 (税制優遇、所得控除)
水野 綾香(みずの あやか)
女性のためのマネーセミナー講師」としてこれまで全国で6,000人以上の方に講演。むずかしく思われがちなお金の情報を、楽しくわかりやすく伝えることがモットー。FPとして、各メディアでのマネーコラム執筆も多数。ライフミッションは、精神・経済・キャリアにおいて自立していて、自分の人生を自分で選択できる女性をもっともっと増やすこと。