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節税効果のある「生命保険料控除」支払った保険料に応じて控除される制度
2021.3.24 くらしのマネー辞典
新社会人の皆さんが初任給をどう使うか、どう貯めているかをみてみましょう。
三井住友銀行が行った独自調査によると、初任給のなかから貯金したと回答した人は8割超でした。「1~3万円未満」の人が最も多く、次いで「3~5万円未満」が多いという結果になっています。
また、同調査で年間貯金額を聞いたところ、「0円」と回答した人は約1割にとどまりました。つまり、9割の人は貯金をしていて、100万円以上貯めたという人も10%以上います。
こうしたデータから、初任給を手にしてもすべて使い切るのではなく、しっかりと貯めている貯蓄上手な新社会人の姿が伺えますね。
貯蓄上手になるには、貯蓄の目的を明らかにし、その目標額を設定することが大切です。まずは、今後の人生にかかるお金について把握しておきましょう。主なライフイベントとかかる費用の目安は次の通りです。
将来のライフイベントにかかる金額の目安が分かったら、自分の「貯蓄プラン」を立てましょう。その際のポイントは以下の2つです。
「貯蓄」とひとくちに言っても、貯める目的は人それぞれです。自分のライフプランに合わせてお金を貯める目的を整理して、下の表のようにまとめてみましょう。趣味などわくわくする目的も加えておくと、モチベーションがアップします。
目的を整理する際に、まず押さえておきたいのは「生活予備費」です。病気やケガ、失業など、人生は何があるかわかりません。万が一に備えて、生活費3〜6ヵ月分の「生活予備費」を優先して貯めましょう。
生活予備費が貯まったら、結婚資金へ切り替えて貯めていってはいかがでしょう。結婚資金の目安は521万円ですが、親・親族からの援助の平均が192万円なので、パートナーと2人で300万円を貯めておくようなイメージです。
次に、今後10年以内にかかる可能性があるお金(たとえば資格取得、旅行、趣味、結婚、住宅購入、起業など)を書き出して、時期と目標額を設定して貯蓄プランを立ててみましょう。
年齢とともに貯めたいお金の優先順位や金額配分をどう変えていけばよいが、見えてくるでしょう。
貯蓄の目的が浮かばないという人は、「25歳までに100万円貯める」「20代で200万円貯める」といった数値目標でも良いでしょう。自分のモチベーションが上がる方法で目標を立てることが大事です。
また、一人暮らしなら「手取り収入の2割」、社宅や実家暮らしなら「手取り収入の4割」など毎月の貯蓄ペースを決める方法もあります。
手間をかけずにより貯められるのは、積立型の貯蓄です。一度設定すれば、毎月自動的に定額を積立貯蓄できるので、忙しい社会人にはぴったりです。
生活予備費や3年以内に確実に必要となる資金(たとえば、資格取得や海外旅行など)については、自動積立定期預金や職場の財形貯蓄などで、先取り貯蓄をするのがおすすめです。
生活予備費が貯まり、さらに当面は使う予定のないお金(たとえば、結婚資金や住宅取得費など)を貯める場合は、「つみたてNISA」で資産運用をはじめるという選択肢もあります。
年間40万円まで投資信託で積立投資ができ、最長20年は、運用で得た利益に税金がかからないというメリットがあります。投資できる商品は、手数料が低水準であるなど、長期での積立投資に適したものに限定されていて、資産運用がはじめての人でも利用しやすいところが特徴です。
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給料の額は同じでも、所得税や住民税を節税できれば、手取り額を増やすことができます。所得から差し引かれることで、税金がかかる所得の金額が減り、結果的に減税できる「控除」についても、社会人になったら覚えておきましょう。
1年間に支払った保険料に応じて所得控除を受けられる制度
所得税の控除額の上限は12万円、住民税の控除額の上限は7万円です。たとえば、課税される所得金額が300万円で所得税・住民税ともに上限まで控除された場合、年間1万9,000円の節税効果があると試算できます。つまり、年間で1万9,000円の手取りが増えることになります。
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老後資金の準備として積み立てるお金に対して、全額所得控除を受けられる年金制度
会社員の場合(企業型DCがない会社に所属)は、年間27万6,000円を上限に積み立てることができ、その全額が所得控除になります。
iDeCoの公式サイトでは税控除額をシミュレーションしてみると、たとえば、年収300万円の人が上限まで積み立てた場合、年間約4万円の節税効果があるという試算になります。つまり年間約4万円の手取り収入を増やしながら、老後に備えられる制度と言えます。
【関連サイト】
個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」 : 三井住友銀行
積み立てたお金は、未来の自分への贈り物になります。新社会人になったら将来のイメージを描きながら貯蓄プランを立て、できることからはじめてみてくださいね。
豊田 眞弓(とよだ まゆみ)
ファイナンシャルプランナー、住宅ローンアドバイザー、相談診断士。FPラウンジ代表。マネー誌ライター等を経て、94年より独立系FP。現在は、個人相談のほか、講演や研修講師、マネーコラムの寄稿などを行う。6カ月かけて家計を見直す「家計ブートキャンプ」も好評。亜細亜大学等で非常勤講師も務める。「50代・家計見直し術」(実務教育出版)など著書多数。座右の銘は「今日も未来もハッピーに!」。
Webサイト:https://happy-fp.com/