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2021.7.21 くらしのマネー辞典
金融広報中央委員会の資料によると、住宅ローン残高の平均は60代で920万円、70代以上でも816万円(2人以上世帯/世帯主の年代別)となっています。
また、同資料からの推測ですが、「住宅の取得または増改築などの資金」のために借入れている人の割合は、60代で18.6%、70代以上で6.9%と推測できます。
つまり、60代では5人に1人、70代以上では14人に1人が住宅ローンを抱えていることになります。
定年後の住宅ローンとどう付き合うか、さらには住まいを今後どうするのか。長期的なライフプランとマネープランをしっかりと考えておかなければなりません。
住宅ローンを借りた後、どのような返済プランにするのかは年代や家庭の状況によって変わってきます。ここでは年代別で考えてみましょう。
住宅ローン完済の予定が定年後になる場合は、できれば定年までに返済できるよう、「期間短縮型」の繰上返済を活用するとよいでしょう。
期間短縮型とは、毎月の返済額を変えずに、返済期間が短縮される繰上返済の方法です。例えば、住宅ローン残高が1,000万円あったとき、300万円を繰上返済すると、本来の返済期間が10年だったものが7年になります。その結果、短縮された期間に支払う予定だった利息が軽減されます。
ただし、子どもがいる場合は、教育資金の準備と並行して繰上返済を行うことになります。ライフプランを考慮しながら、無理のない範囲で行うことが大切です。
今後、教育費が増えそうな場合はまとまったお金を事前に用意して、「返済額軽減型」の繰上返済を活用する方法があります。返済期間を変えずに、毎月のローン返済額を引き下げられます。
50〜60代は、定年前に完済できるよう繰上返済をしていきましょう。繰上返済をするときには、老後に必要となるお金について考慮することが大切です。
退職金で住宅ローンを完済する方法もありますが、その時点の資産状況によって退職金は老後資金として手元に残しておきたい場合もあります。このようなケースでは、低金利の住宅ローンへの借り換えをすることで返済額を減らせることもあります。早めに確認しておくようにしましょう。
住宅ローンを変動金利で借りている場合、物価が上昇するに伴い、金利も上昇するのが一般的です。そのため、固定金利型への切り替えを検討するのがよいでしょう。
60〜70代以降も住宅ローンの返済が残る場合や、完済したものの老後の生活費に余裕がない場合は、リバースモーゲージについて、知っておくとよいでしょう。
リバースモーゲージとは、自宅を担保にお金を借りることができる金融商品です。
原則として、同居している配偶者など連帯債務を負っている方を含む、お金を借り入れた方全員が亡くなったとき、自宅などの不動産を売却して一括で返済します。
自宅を担保に、旅行や趣味、介護費用、リフォームなど使い道を限定せず※1、必要なタイミングで、利用可能な範囲内のお金を借りることができます。
ただ、リバースモーゲージを利用すると、基本は自宅そのもので返済するため、子どもに家を残すことはできません。子どもが相続を希望する場合には、相続人である子どもが返済するお金を用意し一括返済する必要があります。
「リバースモーゲージ型住宅ローン」は、自宅を担保にして借入中の住宅ローンの借り換えや、住み替え(購入、建て替え、リフォーム)用の資金を借りることができる商品です。
以下より、2つのタイプの住宅ローンを紹介します。
<向いているのはこんな人!>
利息のみを返済するリバースモーゲージ型住宅ローンに借り換えることで、同じ家に住み続けながら月々の返済額を減らし、毎月の支出を抑えることができます。
<向いているのはこんな人!>
住み替えタイプのリバースモーゲージ型住宅ローンでは、自宅の担保評価をもとに借入れができます。評価額により借入金額は異なります。この商品を利用することで、今の生活に合った家に住み替えることができます。
このような選択肢を知っておけば、老後のマネープランはもちろん、ライフプランの選択肢も広がります。
焦って繰上返済を行ったり、無理をして退職金で完済したりした結果、老後の資金が足りないということにならないよう、将来のマネープランは住宅ローン返済とのバランスを考えましょう。
住宅ローンについてわからないことがあれば、銀行の窓口やWebサイトのお問い合わせ窓口から相談してみるとよいでしょう。