世界で最もキャッシュレスが進んだ国スウェーデン
街中には「現金お断り」のお店も

北欧のスウェーデンというと、自然が豊かだったり福祉が充実しているというイメージでお馴染みの国ですが、実は音楽ストリーミングサービスのSpotifyが生まれたりイノベーションでも有名な国なのです。特に最近では「世界でもっともキャッシュレスが進んだ国」として注目されているのはご存知でしょうか。

なんと、日本銀行の分析によると、2015年時点でスウェーデンに流通する現金はGDP(国内総生産)の1.7%、すなわち、残り98.3%は現金以外で支払いをしているというのです。ちなみに日本の場合は19.4%と世界主要各国の中でもダントツで高く、日本人が"キャッシュ好き"なことがわかります。

実際、スウェーデンでは現金を使えるシーンは限られていて、家電量販店はおろか個人経営の飲食店の入り口に「ノーキャッシュ(現金お断り)」のプラカードがかかっていることは珍しくありません。じゃあ、皆さんはどうやって支払いをしているかというと......スマートフォンに入っている「スウィッシュ」という決済アプリ。これはスウェーデン国内の複数の銀行が共同で開発したもので、ほとんどの国民がこれを使っているのです。まさにスウィッシュもフィンテックのひとつなのです。これにより、スウェーデンのキャッシュレスは一気に進みました。

進化はとどまるところを知らず、スウェーデンはさらに先を行こうとしています。なんと、親指と人差し指の間に埋め込む、長さ1センチ程度のチップを使って支払いをすませるサービスも既に始まっているとか! なんだかSF映画の世界のようです。

押し寄せるキャッシュレスの波
日本でも"当たり前"のなる日も近い?

お金をデジタルで扱うメリットは数え上げればキリがありません。お店からすると現金を管理する手間がなくなり、両替も必要なし。消費者だってお財布をパンパンにすることはなく、強盗に遭うリスクだって減るかも。何よりも、読み取り端末にスマートフォンをタッチすれば会計は終わりますから、レジ渋滞にイライラしないですみます。国としてもお金の偽造を防ぐことができますし、お金を発行する労力やコストからも解放されます。こういったメリットに注目して、一部の国内大手小売業はお店からレジをなくす実証実験をすでに始めています。いずれは「昔は小銭やお札を使っていたんだよ」「え〜、なにそれ?(笑)」なんて子供に昔話をする時代がやってくるかもしれません。

さらに未来では、まばたきや手のひらをかざすだけで決済ができる、そんな日が訪れることもそう遠くはないのかもしれません。

私の暮らしはどう変わる?

"キャッシュレス"は、日本でも今後普及が加速していくと思われます。キャッシュレスといっても、クレジットカードやデビットカードから、スマートフォンやウェアラブル端末まで複数の選択肢が存在します。いろいろと試して、自分に合った方法を見つけると、より人生が便利で楽しくなるかもしれませんね。

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