「国際観光旅客税」
観光立国ニッポンのインフラ整備やPR費用に活用

2017年の外国人旅行者数は政府や民間が訪日観光プロモーションを推進したこともあり、2,800万人を突破して過去最高となりました。2018年は4月までの累計で1,051万9,000人となり、過去最速のペースで1,000万人を超えました。さらに、2017年の日本人出国者数はおよそ1,789万人で、前年比約77万人(約4.5%)増え、2年連続で増加しています(「JNTO(日本政府観光局)」調べ)。
2017年の外国人旅行者と日本人出国者の合計は約4,500万人。1人当たり1,000円を徴収すると450億円の税収になります。

これらの税収はどのように使われる予定なのでしょう。政府は2020年に外国人旅行者4,000万人/年という目標を掲げています。その実現に向けて「海外でのPR」「空港での出入国の円滑化」「観光案内・標識の多言語対応」など課題はたくさんあり、出国税で集めた財源は、これらの用途に使われるとされています。適正に運営されれば、大都市だけではなく、地方でも観光インフラが整備され、外国人旅行者の誘致が期待できます。

賛否両論の「出国税」
そもそも普段、税金について考えている?

今回の出国税では負担割あ合の不公平性も一部で囁かれています。というのも、100万円のファーストクラスの旅行でも、LCCを利用した近場への旅行でも、旅行代金によらず一律1人1,000円の課税となります。後者の人にとっては、税の負担割合が重くなります。例えば、2万円の航空券なら5%。家族で出かけるとなればなおさらでしょう。

このように、新たな税制や増税には賛否両論がつきものですが、実は、あなたの身の回りには、意識していない税金がたくさんあるかもしれません。消費税は、意識している人も多いと思いますが、たばこ税、酒税、ゴルフ場利用税、石油税など特殊な間接税も多数あります。また、会社員であれば、所得税や住民税も給料から天引きされている方も多いでしょう。実際に、毎年総額いくらの税金を払っているか正確に把握されている方は少ないのではないでしょうか。

新しい税は注目されますが、今自分が支払っている税金についても一度考えてみても良いかもしれません。

  • 平成30年7月現在の税制です。今後の税制改正にともない、変更されることもありますのでご留意ください。税金に関しては専門家にご相談ください。

私の暮らしはどう変わる?

出国税、酒税、たばこ税など身近なものから、相続税など金額が大きなものまで、税制改正は社会情勢の変化により今後も行われるでしょう。知らず知らずのうちに、多くの税金を支払ってしまっていることも。まずは、給与明細を確認するなど、自分の見える範囲だけでも税金の額を把握してみてはいかがでしょうか?暮らしのコストに敏感になり、家計も引き締まっていくかもしれません。また、確定申告やふるさと納税など、税金に関する制度についても、考えるきっかけになるでしょう。

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