そもそも、マイナンバーカードって?

マイナンバーとは、日本国内に住む人全員(住民票を持つすべての人)に、1つずつ割り振られる12桁の番号のこと。社会保障や税などの手続きを効率的に処理するために、2016年に運用がスタートしました。
法令に従って、現在は「税」「社会保障」「災害対策」の3分野に活用されています。

その12桁のマイナンバーを記したプラスチック製のカードが「マイナンバーカード」。氏名、住所、生年月日、性別、顔写真などが記載され、ICチップが内蔵されています。
各家庭にすでに郵送されている紙製の「通知カード」とは異なり、自分で申請して取得する必要があります。

マイナンバーカードがあると、何ができる?

では、マイナンバーカードを持っていると何ができるのでしょう。メリットをご紹介します。

●2020年9月からスタートした「マイナポイント」に登録できる

キャッシュレス決済サービスを登録し、チャージや買い物をすると、利用金額の25%分のポイントが付与されます。上限は1人あたり5,000円。期間は2020年9月から2021年3月末まででしたが、2021年9月末まで延長される見込みです。予算も当初は4,000万人分でしたが、こちらも上積みされる予定。また、マイナンバーカードを申請中の人も対象になることが検討されています(2020年11月時点)。

●公的な本人確認書類になる

マイナンバーカードは、公的な本人確認証明書としても利用できます。運転免許証やパスポートなど、顔写真付きの公的な本人確認書類を持っていない人は、あると便利でしょう。

●税や社会保障の手続きがスムーズに行える

年金、児童手当などの社会保障、確定申告などの税の手続きをする際にマイナンバーカードを提示すれば、住民票や課税証明書などの書類が不要に。手続きがスムーズに行えます。

●コンビニでの住民票の写しの取得、オンライン上での各種社会保障の申請・確認ができる

マイナンバーカードのICチップには、個人を認証する「電子証明書」が入っています。これを使えば、コンビニでの住民票の写しの取得、オンライン上で各種社会保障を申請・確認が可能になります。
仕事などでなかなか役所に行けない人も、マイナンバーカードがあれば時間にとらわれず手続きができるでしょう。

●2021年3月から健康保険証として使える予定

2021年3月からは、医療機関や薬局で、健康保険証として使えるようになります。また、2021年秋からは、服用している薬や健康診断の情報がカードに紐付けされ、本人や医師が確認できるようになる見込み。

今後は、運転免許証、国家資格証など用途の拡大が検討されていて、マイナンバーカードを1枚携帯するだけで、さまざまなことができるようになりそうです。

マイナンバーカードを取得するには? 注意点もチェック!

マイナンバーカードの申請は、スマートフォン、パソコン、まちなかの証明用写真機、郵送などで行うことができます。

いずれの申請方法でも、2015年に家庭に郵送された「通知カード」の下に付いている「個人番号カード交付申請書」に記載されている情報が必要となります。
交付申請書がない場合は、「マイナンバーカード 総合サイト」からダウンロードするか、居住している市区町村窓口で再発行することが可能です。

ここではスマートフォンで申請する場合を紹介します。

●ステップ1 二次元コードを読み取る

  • 交付申請書の二次元コードをカメラで読み取り、申請用Webサイトにアクセス。メールアドレスを登録します。

●ステップ2 顔写真を登録

  • 登録したメールアドレス宛に届いたURLから申請者専用Webサイトにアクセスし、顔写真を登録します。
    顔写真は「6ヵ月以内に撮影したもの」「正面を向いているもの」といった条件があるので、マイナンバー総合サイトで確認しておきましょう。

●ステップ3 生年月日などを入力して申請

  • その他の必要な情報(生年月日など)を入力すれば、申請は終了です。

●ステップ4 交付場所で受け取り

  • 通常は申請から約1ヵ月程度で、交付通知書(はがき)が届きます。
    必要な持ち物を用意して、記載された期限までに、交付場所へカードを取りに行きましょう。
    交付窓口で本人確認を行い、暗証番号を設定した後、カードが交付されます。

パソコンで申請する場合は、オンライン申請用サイトにアクセスし、メールアドレスを登録。その後の流れは、上の図のステップ2以降と同じです。

郵便で申請する場合は、「個人番号カード交付申請書」に記入をし、記載された送付先に郵送します。記入方法は「マイナンバーカード総合サイト」で確認できます。
申請書を郵送した後は、上の図のステップ4と同じ流れになります。

交付通知書が届くまで時間がかかる自治体もあるため、事前に確認しておくと良いでしょう。

私たちの暮らしはどう変わる?

今後、行政の手続きはマイナンバーと紐付けて行われることが予想されます。

記憶に新しいのは、コロナ禍の個人に対する支援金として給付された10万円の特別定額給付金。オンライン申請では、マイナンバーカードが必要でした。

米国では、個人番号が金融機関の口座と結びついており、政府が個人の口座を把握しているため、素早く給付金を振り込めています。
日本政府も1人1口座をマイナンバーと紐付けることを検討しているようです。

先述しましたが、マイナンバーカードを運転免許証や国家資格証として利用する計画もあり、今後も幅広く活用される見込みです。

マイナンバーカードの取得を億劫に思っている人も、カードを持つ利便性の方が大きく感じる時がくるでしょう。
まだ持っていない人は、マイナポイントがスタートしたこの機会に申請してみてはいかがでしょうか。

  • この記事は2020年10月28日に公開した内容を2020年12月1日に内容を更新して掲載しています。今後、変更されることもありますのでご留意ください。

ファイナンシャルライター 瀧 健

『PRESIDENT Online』などの経済系Webメディアでも多数の執筆協力経験をもつ。ライフプランや資産運用の提案が得意。自らも株式・債券・投資信託などの運用を行っている。社会保障にも詳しい。

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