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新NISAにデメリットはある?メリットや賢く運用するポイントを解説
2024.2.8新NISAについて知ろう
2024年から、新NISAがスタートしました。新NISAは、成長資金の供給拡大を促しつつ、家計の安定的な資産形成をさらに推し進めていくことを目的としています。
新NISAは、つみたて投資枠と成長投資枠という2つの枠が用意される点が特徴です。これまでのNISAよりも非課税投資限度額が拡大し、非課税保有期間が無期限化されました。[注1]
表1 新NISAとこれまでのNISAの違い
下の表は横にスクロールできます
これまでのNISA | 新NISA | |||
---|---|---|---|---|
一般NISA | つみたてNISA | 成長投資枠 | つみたて投資枠 | |
年間の非課税投資上限額 | 120万円 | 40万円 | 240万円 | 120万円 |
非課税保有限度総額 | 600万円 | 800万円 | 1,800万円(うち、成長投資枠は1,200万円) | |
非課税保有期間 | 最長5年 | 最長20年 | 無期限 |
具体的に非課税投資枠を比較すると、「つみたて投資枠」はこれまでのつみたてNISAの3倍、「成長投資枠」はこれまでの一般NISAの2倍です。
また、トータルの非課税保有限度額も拡大されます。つみたてNISAの非課税保有限度額は800万円、一般NISAの非課税保有限度額は600万円でした。一方、新NISAの非課税保有限度額は1,800万円(うち、成長投資枠は1,200万円)となっており、大幅に拡充されたことが見て取れます。
非課税保有限度額の拡充を受けて、SBI証券ではこれまでつみたてNISAではできなかったクレカ決済と現金決済の併用が可能となりました。現在SBI証券のクレカ積立の設定上限額は5万円(2023年12月26日時点)ですが、5万円を超える積立には現金決済が利用できます。
また金融庁は、新NISAを通じて投資家の資産形成の利便性を高めるため、クレジットカード決済の月額上限の引き上げを検討しており、今後各証券会社でクレカ積立の限度額が上がる可能性も示唆されています。[注2]
以下、年間投資枠と非課税保有限度枠に分けてそれぞれ詳しく解説します。
新NISAでは、年間投資枠がこれまでのNISAよりも拡大されました。
投資家にとって大きな変更点となるため、具体的な内容を確認しましょう。
年間投資枠とは、1月から12月までの1年間に非課税で投資できる枠です。「年間投資上限額」「年間非課税枠」「非課税投資枠」と呼ばれることもあります。
年間投資枠の算定期間は、4月から3月までではない点に注意しましょう。1〜12月であることを押さえて、計画的に投資することが大切です。
年間投資枠の範囲で投資を行い、当該金融商品から得られる分配金や配当金、値上がり益は非課税で受け取れます。
新NISAの年間投資枠は、これまでのNISAと比べて大幅に拡大しました。これまでのつみたてNISAの年間投資枠40万円が新NISAのつみたて投資枠では120万円に、これまでの一般NISAの年間投資枠120万円が新NISAの成長投資枠では240万円に拡充されました。
年間投資枠が増えれば、非課税で受け取れる利益も増えることが期待できるため、効率のよい資産運用が可能です。
年間投資枠は、年間の利用額に関係なく、1年に1回更新されます。余った年間投資枠は、翌年以降に持ち越せない点に注意しましょう。
例えばつみたて投資枠の年間投資枠120万円のうち、80万円しか利用しなかった場合、残りの40万円を翌年に繰り越し、翌年の年間投資枠120万円と合わせて160万円をつみたて投資枠で非課税投資できるわけではありません。
12月を過ぎると、その年の年間投資枠はリセットされる点を押さえておきましょう。
新NISAは、つみたて投資枠と成長投資枠を合わせて、年間360万円まで非課税で投資できます。
国税庁の「令和3年分民間給与実態統計調査結果について」によると、日本人の平均年収は約443万円です。[注3]
ここから社会保険料や税金が差し引かれることを考慮すると、多くの場合、毎年年間投資枠上限額まで活用できる可能性は低いでしょう。
新NISAは、非課税期間が無期限であるため、急いで年間投資枠を埋める必要はありません。毎月、少額から長期的に積立投資を行うことを心掛けましょう。
新NISAでは、年間投資枠だけでなく、非課税保有限度額も拡大されます。非課税保有限度額が拡大されることで、資産運用の効率が高まるメリットが期待できるでしょう。
これまでのNISAとの違いを整理しつつ、自分に合った新NISAの活用方法を検討してみてください。
非課税保有限度額とは、生涯において非課税で保有できる限度額を指します。「非課税投資枠の最大」「非課税限度の総枠」「生涯非課税制度枠」と表現される場合もありますが、意味合いは同じです。
新NISAの非課税保有限度額は1,800万円です。つまり、生涯において、1,800万円を非課税で運用できます。ただし、成長投資枠のみで投資を行う場合、非課税保有限度額は1,200万円である点に注意しておきましょう。
これまでのNISAでは、つみたてNISAの非課税保有限度額は800万円、一般NISAの非課税保有限度額は600万円でした。いずれかの選択制であったため、両方合わせて1,400万円を非課税で投資することは不可能でした。
しかし、新NISAは非課税保有限度額が1,800万円です。これまでのNISAの倍以上となり、非課税保有期間が無期限となったことで、資産運用の選択肢が広がりました。
これまでのNISAの非課税保有限度額よりもっと非課税で投資したいと考えていた方にとって、新NISAの非課税保有限度額の拡大は大きなメリットです。
新NISA非課税保有限度額の総枠は1,800万円ですが、そのうち成長投資枠で利用できるのは最大1,200万円です。成長投資枠で購入可能な個別の上場株式やREITなどで、1,800万円の枠を全て使えない点には注意しましょう。
一方でつみたて投資枠のみ、もしくは つみたて投資枠と成長投資枠の併用の場合、1,800万円の非課税保有限度額の総枠を利用できます。
成長投資枠の活用を検討している方は、非課税保有限度額が最大でも1,200万円まで(年間では240万円まで)となっている点に留意しましょう。
新NISAでは、資産を売却すると、売却した商品の取得価額分の枠で翌年以降に再利用できます。これまでのNISAでは、このような非課税枠を再利用できる仕組みがなかったため、大きな変更点と言えます。
すでに1,800万円の非課税保有限度枠を使っている場合でも、取得価額が100万円の資産を売却すると、翌年以降に100万円の非課税枠を再利用可能です。
売却回数に制限もないため、柔軟かつ機動的に資産運用を行えるでしょう。ただし、非課税枠を再利用する場合でも、年間投資枠の範囲内でなければなりません。
例えば、取得価額が500万円の資産を売却して翌年に500万円の非課税枠が復活しても、つみたて投資枠120万円・成長投資枠240万円という年間投資枠を超えて投資することはできません。(上図)
新NISAでは、年間の投資上限額と非課税保有限度額が大幅に拡充されました。年間360万円まで、生涯通算で1,800万円まで非課税で投資できるため、これまでのNISAよりも多くの資金を非課税で運用できます。
また、非課税期間が無期限となる・資産を売却すると翌年以降に非課税投資枠が再利用できるなど、柔軟に資産運用を行うことも可能です。
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柴田充輝
大学卒業後、不動産業界で6年間勤務。その後保険業界に転職し、FP1級資格を活かして家計相談や保険の見直し等を行っている。保険業とともに、金融関係の記事を多数執筆。資産運用やクレジットカード、カードローンなど、これまでに1,000記事以上の執筆経験がある。