すべてのはじまりは、13年前に訪れたNZ

神奈川県相模原市のご自宅兼料理教室にてお話を伺いました

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それは2007年末のこと。富永さんは夫婦でNZに訪れました。

「夫婦ともに海外移住に興味があり、いろんな国を訪れていました。その中でも大きな契機になったのが、NZ旅行。NZの最北端にある、1日1組限定のロッジに宿泊しました。
オーナーが目の前のビーチで釣った鯛やアワビを使って、奥さまが作ってくれた家庭料理は、とても美味しくて。オーナーご夫婦に私たち夫婦の未来を重ね合わせて、こんな暮らし方ができたらと思うようになったんです」

帰国した年の秋に息子さんを出産。仕事と子育て、お母さまの介護でしばらく忙しい日々が続きましたが、時間を見つけては、やりたいことやアイデアをノートに書き連ねていきました。

そして帰国から3年後。旦那さまが青森に単身赴任になり、徳島に住んでいたお義母さまが上京。

「育児に忙しい私のために、義母が家事を手伝ってくれるようになりました。義母の料理があまりに美味しくて、これを海外の方に食べていただくことができたらすごく喜んでもらえるんじゃないかとひらめいたんです。これを機に、『外国人向け料理教室』を開こうと決意しました」

“外国人向け料理教室”と“認定講師の育成”。2つの事業を軌道に

わしょクックのロゴ。お義母さまのイラストだそう

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富永さんはお義母さまに料理を教わり、レシピにまとめていきました。さらに、友人にも手料理をふるまったところ大好評。大きな手ごたえを感じました。

「『20分で調理できる』というコンセプトを考え、企画書にまとめて、自宅近くの自治体が運営する国際交流ラウンジに提出。同時に、ブログを開設し企業やメディア向けに情報を発信していきました。マーケター時代に培ったスキルも活かし、多くの人の目に触れるように工夫しました」

当時、こういったサービスは画期的でした。国際交流ラウンジでのイベント実施も決まり、情報誌から取材の申込がありました。また、イベントで配布したビラを見た日本在住の外国人も、料理教室に参加してくれるように。

製薬会社勤務のため、料理教室は自宅で週末のみ開催。さらに1年後、新たな事業をスタートさせることとなります。

「『私も外国人に料理を教えたい』という問い合わせをいただくようになったのです。ニーズがあるのなら、事業化しよう。そんな思いから認定講師の育成事業を立ち上げました」

ノウハウをテキストにまとめ、講座を開講。フランチャイズ化の仕組みを構築しました。

さらに、ビジネス交流会にも参加。

「起業家や個人事業主など、自分自身の力でビジネスを立ち上げて成功している方々と交流でき、とても勉強になりました」

2016年、それまで勤務していた会社を退職し、いよいよ正式に会社を立ち上げました。社名は、わしょクック株式会社。

「和食とクックを掛け合わせて、キャッチーで覚えやすい社名を編み出すことができました。マーケター時代のコンセプトワークの経験が活かせましたね」

わしょクックを設立した2016年は、インバウンド需要が急激に高まった時期です。

「市役所にPRリリースや企画書を持って行くと、メディアに情報を流してくれたんです。それを機にテレビ番組の出演依頼がいくつも舞い込んだほか、法人向けの料理教室も開催するようになりました」

順調に事業を拡大させていった富永さんでしたが、大きな壁にぶち当たります。

コロナショックにより、対面の料理教室が困難に。オンラインに活路を見出す

オンライン教室ではスマホを三脚に取り付け撮影

  • オンライン教室ではスマホを三脚に取り付け撮影

「2020年春、新型コロナウィルスが世界的に流行。対面による料理教室の開催が厳しくなってしまったのです」

そこで富永さんは、オンラインに活路を見出すことに。

「オンラインでも料理の様子をうまく伝えられるだろうか、コミュニケーションは問題なくとれるだろうか……。初めてのことだったので不安がありましたが、思い切って挑戦することに。すると、これが大成功。日本食や日本が好きな外国人に人気を博し、結果的にはコロナ以前より多くの方が参加してくれるようになりました」

認定講師の育成事業もオンラインにシフト。
「一時は予約のキャンセルが相次ぎましたが、今ではコロナ前よりも多くの方がオンラインの料理教室や認定講師の講座を受講してくれるようになりました」

オンラインには「遠方に住む方でも気軽に参加できる」というメリットがあり、海外に住む日本人の方も認定講師の講座を受けるようになったそうです。

■事業の割合(コロナ前とコロナ後)

事業の割合(コロナ前とコロナ後)

初期費用は30~40万円。自宅で料理教室を開催することで、経費節約!

「薬学部の出身ですが、マーケティングに興味があり、新卒からずっとマーケターとして仕事をしてきました。商品開発も経験したし、事業計画の立案や営業の仕事にも携わりました。また、外資系の化粧品会社では英語を習得。これら会社員時代に身につけたすべてのスキルや経験が、今の仕事に役立っています。結果、会社員時代より多くの収入を得ることができるようになりました」

■売上の推移

売上の推移

開業のための資金は、最低限に抑えました。

「なるべく経費をかけたくなかったので、自宅のキッチンを使って料理教室を開催。初期費用は30~40万円で、食器と調理器具、パソコンとプリンターを新たに購入したぐらいです」

会社員時代、富永さんは「上司のため、部下のために働いていた」と言います。

「当時はとにかく忙しくかったです。子どもと関わる時間もほとんど持てなくて、息子は私の仕事が大嫌いでした。今では『うちのお母さんは料理の先生』と胸を張って言ってくれるようになりました」

現在は誰のためでもない、自分や家族のために生きている。そんな実感があるとのこと。

「独立した今は、時間や場所にとらわれない自由な働き方ができています。なので、子育ても家庭も仕事も私自身のことも、すべてがつながっているシームレスな生き方ができていると感じています。今も時間に追われることはありますが、会社員時代と違ってストレスを全く感じません」

NZ移住を目指して、投資を開始。10年間で約8,000万円の資産を形成

かつてNZで家庭料理のおもてなしを受け、移住を考えるようになった富永さんご夫婦。外国人料理教室は、その夢を叶えるための第一歩でした。

「NZに移住する方法はいくつかあって、私たちは『投資家ビザ』の取得を考えていました。投資家ビザは、日本円で8,000万円程度の資産があれば取得できます。もともと貯蓄は好きだったのですが、それだけでは限界がある。そこで帰国した年から資産運用をスタートしました」

ボーナスの半分を貯蓄にまわし、投資信託や外貨を購入していったそうです。

「両親が株式投資をやっており、その株式を相続したタイミングで、より積極的に投資を行うようになりました。お世話になっている金融機関の方に情報を聞いて、納得のいく商品のみ買うようにしています。基本的には長期で安定して運用できる投資信託で資産形成をしています。
初心者の方は、まずは少額でも良いので、すぐに使わない余裕資産から始めるのがおすすめです。周囲に運用経験者がいれば、相談してみるものいいと思いますよ」

■金融資産の割合

金融資産の割合

しかし、当初予定していた資金は既に貯まったものの、投資家ビザの審査基準が厳しくなってしまいました。そこで方針を変更して、現在は起業家ビザの取得を目指しています。

成功の秘訣は、トライ&エラーを繰り返しながら、前に進んでいくこと

“まずは自分の人生を振り返り、アウトプットすることから始めてみて”

  • “まずは自分の人生を振り返り、アウトプットすることから始めてみて”

2020年秋、富永さんは「たびクック」という新しいサービスをスタートさせました。

「たびクックはわしょクックを発展させたサービスです。日本だけでなく、世界中の国々のお料理を学びながら、その土地を旅しているかのような経験をしていただくことができます」

そんな富永さんに、現在のご自身に点数をつけていただきました。

「70点です。移住という目標がまだ達成できていないので……。いつかNZに住まいの拠点を築き、世界中の人々に日本の家庭料理を広めていきたいですね」

最後に、働き方に悩んでいる人に向けてアドバイスをいただきました。

「まずは、人生の棚卸しをしましょう。今まで、どんな経験をしてきたのか。何をしている時が一番好きなのか。強みや弱み、克服してきたことなどを書き出してみてください。その中から、好きなことを突き詰めていくと、やりたいことが見えてきます。次にやるべきことは、頭に思い描いたプランを『利益を生むビジネス』に育て上げること。思い付きでスタートするのではなく、必要な知識を学びましょう。
また、私はみなさんに『計画は60%まで固まったらGoだよ』とお伝えしています。100%の成功はないのだから。たとえ失敗しても、それは有用な実験だったと思って、改善していけばいいだけの話。あまり臆病になりすぎないでほしいですね」

目標ができたら、言葉にすることも大切です。富永さんは周囲の人たちに「海外移住したい」「外国人向けの料理教室をやりたい」と、自分の思いを伝えてきました。

失敗したらどうしようと考えると、前に進めなくなってしまう。失敗ではなく、実験だと考えて、トライ&エラーを繰り返しながら成功に近づけばいいのです――コロナ禍を乗り越えた富永さんらしい、力強いメッセージを贈ってくれました。

<富永さんのモチベーショングラフ>

富永さんのモチベーショングラフ

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次に掲げる事項は、それぞれ2024年以降のNISA(成長投資枠・つみたて投資枠)のことをいいます。

配当金等は口座開設をした金融機関等経由で交付されないものは非課税となりません。

  • NISAの口座で国内上場株式等の配当金を非課税で受け取るためには、配当金の受領方法を「株式数比例配分方式」に事前にご登録いただく必要があります。

リスク及び手数料について

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同一年において1人1口座(1金融機関)しか開設できません。

  • NISAの口座開設は、金融機関を変更した場合を除き、1人につき1口座に限られ、複数の金融機関にはお申し込みいただけません。金融機関の変更により、複数の金融機関でNISA口座を開設されたことになる場合でも、各年において1つの口座でしかお取引いただけません。また、NISA口座内に保有されている商品を他の年分の勘定又は金融機関に移管することもできません。なお、金融機関を変更される年分の勘定にて、既に金融商品をお買付されていた場合、その年分について金融機関を変更することはできません。NISAの口座を仮開設して買い付けを行うことができますが、確認の結果、買付後に二重口座であったことが判明した場合、そのNISA口座で買い付けた上場株式等は当初から課税口座で買い付けたものとして取り扱うこととなり、買い付けた上場株式等から生じる譲渡益及び配当金等については、遡及して課税いたします。

NISAで購入できる商品はSBI証券が指定する商品に限られます。

  • SBI証券における取扱商品は、成長投資枠・つみたて投資枠で異なります。成長投資枠の取扱商品は国内上場株式等(現物株式、ETF、REIT、ETN、単元未満株(S株)を含む※)、公募株式投資信託(※)、外国上場株式等(米国、香港、韓国、ロシア、ベトナム、インドネシア、シンガポール、タイ、マレーシア、海外ETF、REITを含む※)、つみたて投資枠の取扱商品は長期の積立・分散投資に適した一定の公募株式投資信託となります。取扱商品は今後変更する可能性があります。
  • SBI証券が指定する制限銘柄(上場株式等)、デリバティブ取引を用いた一定の商品及び信託期間20年未満又は毎月分配型の商品は除きます。

年間投資枠と非課税保有限度額が設定されます。

  • 年間投資枠は成長投資枠が240万円、つみたて投資枠が120万円までとなり、非課税保有限度額は成長投資枠とつみたて投資枠合わせて1,800万円、うち成長投資枠は1,200万円までとなります。非課税保有限度額は、NISA口座内上場株式等を売却した場合、売却した上場株式等が費消していた非課税保有限度額の分だけ減少し、その翌年以降の年間投資枠の範囲内で再利用することができます。
  • 投資信託における分配金のうち特別分配金(元本払戻金)は、非課税でありNISAにおいては制度上のメリットは享受できません。

損失は税務上ないものとされます。

  • NISAの口座で発生した損失は税務上ないものとされ、一般口座や特定口座での譲渡益・配当金等と損益通算はできず、繰越控除もできません。

出国により非居住者に該当する場合、NISA口座で上場株式等の管理を行うことはできません。

  • 出国の際には、事前に当社に届出が必要です。出国により非居住者となる場合には、NISA口座が廃止され、当該口座に預りがある場合は、一般口座で管理させていただきます。なお、海外転勤の場合にNISAで継続保有することが可能な特例措置については当社では対応しておりません。

つみたて投資枠では積立による定期・継続的な買付しかできません。

  • つみたて投資枠でのお取引は積立契約に基づく定期かつ継続的な方法による買付に限られます。

つみたて投資枠では信託報酬等の概算値が原則として年1回通知されます。

  • つみたて投資枠で買付した投資信託の信託報酬等の概算値を原則として年1回通知いたします。

NISAでは基準経過日における氏名・住所の確認が求められます。

  • NISAでは初めてつみたて投資枠を設定してから10年経過した日、及び以後5年を経過するごとに氏名・住所等の確認が必要となります。当社がお客さまの氏名・住所等が確認できない場合にはお取引ができなくなる場合もございますのでご注意ください。
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