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「二拠点生活」を叶えた“お金と暮らしのメリハリ術”(前編)
2020.11.18ステキに暮らす人
安井省人さん
株式会社スカイベイビーズ/クリエイティブディレクター。妻と双子の子供の4人家族。子育てに最適な環境を求め、2016年から二拠点生活をスタート。普段は家族が住む小淵沢で過ごし、出社する時のみ川崎の分譲マンションにて一人で暮らす。
安井さん:20代後半から、収入が上がっても生活レベルを変えず、増えた分をすべて貯蓄に回してきました。手元にあるとつい使ってしまうので、自動振替サービスで給料から強制的に天引きされるようにして、貯まる仕組みを作っています。
何かを削って節約するよりも、最初から「ない」前提でやりくりするほうが自分には向いているようです。
お財布分けの感覚で、口座を目的別にいくつか分けています。住宅ローンの繰り上げ返済用、車用、旅行の費用、教育費、未来のためのお金など。お金の管理は、僕の担当。妻からは毎月使った分の請求書が送られてきます(笑)。妻とは、お金に対する価値観がすごく似ているので、信頼してもらっているのかなと思います。
安井さん:二拠点生活を考えるようになってから、資産形成について考えるようになりました。iDeCo(個人型確定拠出年金)はそれ以前からはじめていたのですが、ほかの資産運用もやってみようと、まずは積立投資にチャレンジ。自分にあっていると感じたので少しずつ金額を増やしました。最近では、ロボアドバイザーで投資信託も始めたところです。
安井さん:少額からはじめられることや、知識があまりなくてもできること。手間がかからず、必要な時に引き出すのが簡単なことも魅力だと感じました。積立投資にしているので、天引き型で生活を組み立てている自分には向いています。
今後はNISA(少額投資非課税制度)にも興味があるので、試してみたいですね。
安井さん:会う時間が減った分、一緒に過ごす時間を大切に感じますし、コミュニケーションも濃密になりましたね。特に、妻とはこれまで以上に仲良くなったんです(笑)。昔から会話の多い夫婦でしたが、今は2人になると、ここぞとばかりにお互いしゃべりまくります。
日々あったことや子どものことが中心ですが、将来の話もよくしますね。子どもが巣立って2人になった時、どんな暮らしをするか。「海外に住みたいね」「海側もいいかも!」などと、2人で過ごす未来図を思い描く時間が楽しいですね。
安井さん:金銭的な面でいえば、二拠点で同じようにお金をかけていると出費がどんどん増えてしまうので、どちらの生活に軸を置くかを決め、メリハリをつけることが大事だと思います。
シェアハウスや自治体が行っている空き家のサービスなどを活用すれば、コストを抑えることもできる。やり方次第で、二拠点生活を叶えることは十分可能だと思いますよ。
憧れの二拠点生活を実現している安井さん。取材のなかで、特に印象的だったのが、ご夫婦の仲の良さでした。日頃から家族の将来について話し合い、思いを共有しているからこそ、離れて過ごす時間もお互いを近くに感じられ、労いと感謝の気持ちを持って向き合うことができるのではないでしょうか。
今でも「夫婦でよく将来の夢を語る」という安井さん夫婦。住みたい場所や行ってみたい土地、何をしてどんな風に過ごしたいか。子どもが巣立った後の未来に思いを馳せる時間が楽しいといいます。
幸せな未来を描くことが、前向きに資産形成を行うモチベーションにつながっているようです。
「“やりたいこと”を“やりたいタイミング”で実現するためには、備えが必要。お金はそのためのツールだと思っています」
“安井さんにとってお金とは?”そんな質問に対する答えがこの言葉。
自分なりのマネールールを持ち、堅実に備えてきたからこそ、“二拠点生活”という大きな決断にも迷わず踏み出すことができるのでしょう。
“選択できる状態”でいるために、資産運用にもしっかり目を向け、取り組んでいる安井さん。
人生を楽しむ人は、お金との付き合い方も上手なのだと感じさせられました。