老後を見据えた計画を早いうちから練ろう
老後の生活費の目安は人それぞれですが、生命保険文化センターの調査によると、夫婦2人の「ゆとりのある老後生活費」の目安は約36万円(月額)です。
夫婦でもらえる年金の目安は約20万円(月額)ですので、約16万円(月額)不足することになります。
この不足が25年間続くとすると、不足額の合計は約4,800万円です。
さらに、退職金も踏まえた不足額を確認してみましょう。大卒から中小企業で働き定年退職した場合の退職金の目安は約1,118万円です。約4,800万円から約1,118万円を引くと、退職金も踏まえた不足額は約3,682万円となります。
iDeCoなどの私的年金を活用してこの不足額を補う場合、そのスタートは早いに越したことはありません。
ここでは、iDeCoの掛金23,000円・運用利回り年7.5%と仮定した場合の運用成果をシミュレーションしてみましょう。
上記の図から、30歳からiDeCoで掛金23,000円を積み立て、年7.5%で運用できたとすると、年金と退職金も踏まえた不足額を補えることがわかります。しかし、40歳や50歳から同じ条件で積み立てはじめた場合は、不足額を補うことができません。
この結果から、同じ掛金・同じ利回りでも、より早くはじめるほうが目標額に近づきやすいことがわかります。
今回のシミュレーションはあくまでゆとりある老後生活の目安に対するもので、人によって必要な生活費は異なります。
まずは家族で老後の過ごし方をきちんと話し合い、年金や退職金がいくらもらえるのかを知り、不足額を算出しましょう。その不足額に対して、なるべく早く準備をはじめることをおすすめします。
実際にご自分でiDeCoを運用した際、どれくらいの資産形成をすることができるのか、下記ページで簡単にシミュレーションすることができます。マネープランを立てる際にぜひご活用ください。
iDeCoの運用シミュレーション!
- ※この記事は2020年3月時点の情報を基に作成し、2022年11月に内容を更新しています。今後、変更されることもありますのでご留意ください。
花 惠理 (はな えり)
不動産会社や住宅メーカーに勤務後、現在は不動産・金融関係をメインに執筆しているWebライター。大手メディアなどに多数寄稿。不動産業務には年金・保険・税務・保険などの知識も必要だと感じ、FP2級などの資格を取得。不動産や金融などのテーマを初心者にもわかりやすい言葉で解説することが得意。
ファイナンシャル・プランニング技能士2級/宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士