例えばこれくらい! ケース別にみる税金の例
3つの例を挙げて、退職金の手取り額と、所得税、住民税などの税金を計算していきましょう。
一時金600万円、勤続15年の場合
勤続15年の人で、退職金を600万円一時金で受け取ったケースです。
退職所得控除を計算すると15年 × 40万円 = 600万円なので、退職金600万円 ー 退職所得控除額600万円 =
退職所得は0円となり、所得税、住民税の税金はかかりません。
よって600万円がそのまま手取りとなります。
一時金1,000万円、勤続20年の場合
勤続年数 |
20年 |
退職所得控除額 |
40万円 × 20年 = 800万円 |
退職所得 |
退職金 退職所得控除額 (1,000万円 ー 800万円) × 1/2 = 100万円 |
所得税(退職所得をもとに計算) |
5万1,050円 |
住民税(退職所得をもとに計算) |
10万円 |
退職金の手取り額 (退職金 ー 所得税 ー 住民税) |
984万8,950円 |
勤続年数20年の人の場合、退職所得控除額は、40万円 × 20年 = 800万円。
(退職金1,000万円 ー 退職所得控除額800万円) × 1/2 = 退職所得100万円で計算をします。
税金を計算すると、所得税が5万1,050円、住民税が10万円(退職所得100万円 ×
10%)となり、退職金の手取り額は984万8,950円です。
一時金2,000万円、勤続30年の場合
勤続年数 |
30年 |
退職所得控除額 |
800万円 + {70万円 × (勤続年数30年 ー 20年)} = 1,500万円 |
退職所得 |
(退職金2,000万円 ー 退職所得控除額1,500万円) × 1/2 = 250万円 |
所得税(退職所得をもとに計算) |
15万5,702円 |
住民税(退職所得をもとに計算) |
25万円 |
退職金の手取り額 (退職金 ー 所得税 ー 住民税) |
1,959万4,298円 |
勤続年数30年の人の場合、退職所得控除額は800万円 + {70万円 × (勤続年数30年 ー 20年)} =
退職所得控除額は1,500万円。(退職金2,000万円 ー 退職所得控除額1,500万円) × 1/2 = 退職所得は250万円。
税金(所得税)を計算すると15万5,702円、住民税は25万円(退職所得250万円 × 10%)となり、退職金の手取り額は1,959万4,298円です。
まとめ
退職金は、勤続年数や受け取る金額によっては税金(所得税と住民税)が引かれ、手取りが減ってしまう可能性があります。また、一時金で受け取るか、年金形式で受け取るかでも、所得区分が異なるため、税金の計算方法が変わります。
一時金・年金どちらの方法で退職金を受け取ったほうが良いのか、発生する税金も計算したうえで、老後のライフプランをしっかり考えましょう。
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: 三井住友銀行
- ※2022年12月現在の情報です。今後、変更されることもありますのでご留意ください。