前の記事
【初心者向け】米国国債とは?特徴や日本国債との違いを解説!
2024.8.22投資初心者 はじめの一歩
ポイント運用とは、クレジットカードやスマートフォン決済などの利用で貯まったポイントを使って資産運用を体験できるサービスです。実際のお金の代わりにポイントを運用し、運用成果によってポイントが増減します。
ポイント運用では、実際にある株式や投資信託の値動きに合わせて、ポイントが増えたり減ったりします。
選択できる対象の運用商品はポイント運用サービスを提供している会社によりますが、一般的には投資信託を中心に、複数の商品やコースが用意されています。これらの中から運用体験をしてみたいコースや商品を選び、お金の代わりにポイントを投入します。提供されているコースや商品は、実際の金融商品の価格変動に連動し、投入したポイントも増減します。
ポイント運用は、ポイント投資と混同されることがありますが、両者は似ているようで大きな違いがあります。
ポイント運用は、運用成果に応じてポイントが増えたり減ったりする投資の疑似体験です。運用を終えたポイントはそのままポイントで返ってきます。
一方でポイント投資は、ポイントを実際の金融商品を購入代金のすべてまたは一部に充当するものです。実際の金融商品を購入しているため、運用を終えたときに受け取るものは現金となります。
下の表は横にスクロールできます
ポイント運用 | ポイント投資 | |
---|---|---|
目的 | ポイントを貯める | 資産形成 |
仕組み | 選んだコース・商品の値動きに連動してポイントが増減する | 保有ポイントを金融商品の購入代金充当する |
手数料 | なし | 購入する商品や金融商品により、購入時手数料や信託報酬などの手数料がかかる |
引出し時に受け取るもの | ポイント※ | 現金 |
証券口座の開設 | 不要※ | 必要 |
課税有無 | 対象外 | 課税対象 |
ポイント投資については、「ポイント投資ってなに?ポイント運用との違いやメリット、注意点を解説」をご覧ください。
ポイント運用のメリットを確認していきましょう。
ポイント運用の大きなメリットは、初心者でも始めやすいことです。ポイント運用はあくまで投資の疑似体験なので、貯まったポイントを使って手軽に始められます。
投資に興味はあるものの、どのように始めたらよいのかわからず不安を感じている方でも、ポイント運用ならハードルが低いと感じるかもしれません。また、ポイント運用では証券口座の開設が不要なので、手続きの手間もかかりません。
ポイント運用の目的は、運用でポイントを増やすことです。ポイント運用では、貯まったポイントで実際に株式や投資信託を購入するわけではありません。
運用で増えたポイントは、買い物やサービスの利用に活用できます。ポイント運用で運用成果を上げてポイントが増えれば、日常生活でもポイントを有効活用しやすいでしょう。
ポイント運用では、現金ではなくポイントを運用します。仮に投資対象の値動きによる損失が発生した場合、保有するポイントが減ることはありますが、実際のお金を失うリスクはありません。自身の現金を直接運用するのではなく、ポイントを使って運用を体験できるため、投資初心者でも始めやすいでしょう。
ポイント運用の主なデメリットも理解しておきましょう。
ポイント運用はあくまで自分が保有しているポイントを運用するものです。ポイントの貯まり方は、普段の買い物の金額やサービスの利用頻度、ポイント還元率などによって異なります。そのため、運用に回せるポイントを確保しにくい場合もあるでしょう。
また、ポイント運用サービスによっては、運用を始めるために必要な最低ポイント数が設定されていることもあります。したがって、十分なポイントが貯まっていないと、運用を始められないケースもあるでしょう。
ポイント運用の場合、運用の選択肢が限られています。ポイント運用は、「アクティブコース」や「インデックスコース」など各サービス会社が用意している運用コースを選んでポイントを運用します。これらのコースは、運用対象や運用方針があらかじめ決められているため、具体的な金融商品や銘柄を選ぶ必要はありません。ただし、ポイント運用に慣れてくると、用意された選択肢では物足りなく感じる可能性もあります。
ポイント運用は、投資の入門編として最適ですが、投資に関する知識や経験が深まるにつれて、その限界を感じる方もいるでしょう。そのような場合は、実際の金融商品への投資を検討してみるのも一案です。
ポイント運用では、ポイントが減ってしまうリスクがあることも理解しておきましょう。実際に現金が減るわけではありませんが、選んだコースや商品の値動きに応じて運用中のポイントが増減します。したがって、運用状況によってはポイントが減ったり、ゼロになったりするリスクもあります。
ポイント運用を始める際は、ポイントが減るリスクを十分に理解し、無理のない範囲で運用を行うことが大切です。
ポイント運用に向いているのは以下にあてはまるような方です。
買い物やサービス利用などでポイントを活用するために、さらにポイントを増やしたい方には、ポイント運用がおすすめです。ポイント運用を行えば、クレジットカードやスマートフォン決済などの利用で貯まるポイントに加えて、運用の成果によってはさらにポイントを増やせる可能性があります。
次に、投資に興味はあるものの、一歩を踏み出せないという方にもポイント運用がおすすめです。まずはポイント運用で投資の疑似体験をしてみることで、投資や資産運用がどのようなものか理解しやすくなります。
最近投資を始めた方でも、実際の投資と並行してポイント運用をするのもおすすめです。ポイント運用は選択できるコースが絞られているとはいえ、複数のコースがあります。実際の投資とは異なるポイント運用コースを選べば、値動きの違いを学び、今後の投資判断に役立てることができるでしょう。
ポイント運用のメリット・デメリットを踏まえ、興味を持った方のためにポイント運用の始め方を紹介します。ただし、ポイント運用サービスを提供する会社によって具体的な手順が異なる場合がありますのでご注意ください。
まず、貯めているポイントがポイント運用サービスの対象になっているかどうかを確認することが大切です。対象となっているポイントであれば、以下の手順で始められます。
買付けたあとはポイントがどのように増減しているのかチェックするだけです。運用中のポイントは途中で引き出し、買い物などに利用することも可能です。
ポイント運用は、クレジットカードやスマートフォン決済で貯まったポイントを使って資産運用を体験できるサービスです。ポイント投資は実際の金融商品の価格変動に連動してポイントが増減する仕組みで、効率的にポイントを増やせる可能性があります。積極的にポイントを貯めたい方や、投資に興味はあるものの、なかなか一歩が踏み出せない方などに向いているでしょう。
三井住友銀行を経由して口座開設が可能なSBI証券では、投資信託や国内株式をポイントで購入できる「Vポイント投資サービス」を提供しています。Vポイント投資は、貯まったVポイントを実際の金融商品の購入に使うサービスです。ポイント運用とは異なり、貯まったVポイントを実際の金融商品の購入に充当できるサービスとなっています。保有ポイントを買付代金に充当することで、有効活用できます。
さらに、三井住友銀行が提供しているデジタル口座のOliveを活用し、SBI証券でVポイント投資をすると、Vポイントがさらに貯まりやすくなります。Vポイントを活用したポイント投資をお考えの方は、ぜひご検討ください
續恵美子
ファイナンシャルプランナー(CFP®、ファイナンシャル・プランニング技能士)
生命保険会社にて15年勤務したあと、ファイナンシャルプランナーとしての独立を目指して退職。その後、縁があり南フランスに移住。夢と仕事とお金の良好な関係を保つことの厳しさを自ら体験。
渡仏後は2年間の自己投資期間を取り、地元の大学で経営学修士号を取得。地元企業で約7年半の会社員生活を送ったあと、フリーランスとして念願のファイナンシャルプランナーに。生きるうえで大切な夢とお金について伝えることをミッションとして、マネー記事の執筆や家計相談などで活動中。