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【初心者向け】証券口座とは?銀行口座との違いや開設方法を解説
2024.9.5投資初心者 はじめの一歩
新NISAとは、2024年1月から内容が改正された「少額投資非課税制度(NISA)」のことです。本来、投資信託や株式等への投資では分配金や配当金、売却益などの利益に20.315%分の税金がかかりますが、新NISA口座を通して投資した場合、これらの利益が非課税になるという制度です。
証券会社や銀行など、多くの金融機関が新NISAを取り扱っていますが、新NISA口座は1人一つしか開設できません。なお、どの金融機関で新NISA口座を開設しても、無料で口座開設ができます。
NISA自体は2014年から始まりましたが、2024年1月に新NISAとして、制度の枠組みや年間非課税枠(投資上限額)や非課税保有期間など多くの点で制度内容が改正されました。
それぞれの違いについては「新NISAとは|これまでの制度との違いや注意点をわかりやすく解説!」の記事で詳しく説明していますので、ぜひ参考にしてください。
新NISAを始めようと思ったら、証券会社や銀行、信用金庫、信用組合などのさまざまな金融機関に申し込むことができます。ただし、新NISA口座は1人1口座までという決まりがあるため、申し込みの際には注意が必要です。口座開設については「NISAは複数口座を開設できるの?口座開設時に気を付けるべきポイント」もご参照ください。
どの金融機関に申し込む場合でも新NISA口座が必要ですが、その他に必要となる口座は金融機関によって異なります。ここからは証券会社と銀行の場合に分けて、それぞれに必要な口座を見ていきましょう。なお、信用金庫や信用組合等の金融機関も銀行として説明します。
証券会社で新NISA口座を開設する場合、同時に証券総合口座も必要となります。金融機関によっては「総合取引口座」ともいいます。
証券総合口座は、投資信託や株式、ETFなど投資商品を買い付けるためのお金や購入した投資商品を預けておくための口座です。新NISA口座で投資商品を買い付ける際にも証券総合口座に預けているお金が使われます。
証券総合口座がない場合、新NISA口座の開設申し込みと同時に開設する必要があります。
詳しくは「【初心者向け】証券口座とは?銀行口座との違いや開設方法を解説」で説明しています。
銀行で新NISA口座を開設する場合、申し込みをする銀行の普通預金口座、投資信託口座、新NISA口座の3つが必要です。
投資信託口座とは、投資信託を買い付けるためのお金や購入した投資商品を預けておくための口座です。証券会社の証券総合口座と似た役割を持ちますが、銀行では投資信託のみを取り扱うため、投資信託口座と呼んでいます。
新NISA口座を開設する銀行に普通預金口座や投資信託口座がない場合、新NISA口座の開設申し込みと同時に開設をする必要があります。
新NISA口座を開設する際にはさまざまな書類の提出が必要です。必要書類をあらかじめ確認し、準備を進めておくとスムーズに口座開設が進められます。証券会社と銀行では必要書類が若干異なる場合があるため、それぞれの場合について確認しておきましょう。
まずは証券会社での新NISA口座開設に必要な書類を紹介します。「インターネット申し込み」と「店舗申し込み」のそれぞれで確認しておきましょう。
インターネット申し込みする場合の必要書類は以下のとおりです。
「非課税適用確認申請書 兼 非課税口座開設届出書」は証券会社から送られてくる書類です。証券会社から受け取ったあと、必要事項を記入して提出します。
本人確認書類として、運転免許証、健康保険証、パスポート、印鑑登録証明書、住民票の写し、在留カード、特別永住者証明書カードなどが提出できます。提出するマイナンバー確認書類の種類によって、本人確認書類が1種類または2種類必要です。詳しくは申し込みをする証券会社に確認してください。
なお、いずれも氏名、住所、生年月日が記載されていることが必要です。また、本人確認書類に記載されている住所と口座開設手続き時に届け出た住所は同じでなくてはなりません。転居歴などがある方は提出前に確認しておきましょう。
証券総合口座を持っていない場合には、証券総合取引口座開設申込書の提出も必要です。
店舗に出向いて申し込みをする場合の必要書類は以下のとおりです。上記書類に加えて印鑑が必要です。
証券総合口座の申し込みもあわせて行う場合、預金通帳やキャッシュカードなど、銀行口座等の支店名および口座番号がわかるものも持参しましょう。
続いて、銀行で新NISA口座を開設する場合に必要な書類を確認していきましょう。
インターネット申し込みをする場合の必要書類は以下のとおりです。
なお、インターネット申し込みの場合、銀行によってはWEB上にアップロードできる本人確認書類に制限がある場合があります。
また、証券会社の場合と同様、提出するマイナンバー確認書類の種類によって本人確認書類が1種類または2種類必要です。詳しくは申し込む銀行に確認してください。氏名、住所、生年月日の記載についても同様です。転居歴などがある方は提出前に確認しておきましょう。
銀行店舗に出向いて申し込みをする場合、上記書類に加えて印鑑が必要です。
すでに投資信託口座を持っている場合で、投資信託口座と普通預金口座の届出印が異なる場合は、その印鑑も一緒に持参しましょう。
必要書類がわかったら、実際に新NISA口座を開設する方法を確認していきましょう。証券会社、銀行それぞれで新NISA口座を開設する方法を説明します。
まずは証券会社での新NISA口座開設方法を紹介します。インターネットで申し込みをする場合、「オンライン上での口座開設手続き」と「郵送での口座開設手続き」のどちらかを選ぶことが可能です。証券会社によって多少の違いはありますが、一般的には以下のような流れで手続きできます。
オンラインで新NISA口座を開設する場合の流れは以下のとおりです。
証券会社のWEBサイト上にある「新NISA口座開設」ボタンから申し込み画面へ進みます。申し込み画面上のフォームに必要項目を入力し、必要書類をアップロードします。あとは証券会社から新NISA口座開設完了の連絡が届くのを待つだけです。
口座開設にかかる日数は証券会社によって異なります。SBI証券の場合、最短で翌営業日から取引可能となります。ただし、原則として、新NISAを利用するには税務署の審査が必要です。もし、すでに他の金融機関で新NISA口座を開設している場合、新たに申し込んだ証券会社での買付けは課税対象となります。新NISA口座開設後すぐに商品の買付けを検討している場合は注意してください。
郵送で新NISA口座を開設する場合の流れは以下のとおりです。
証券会社のWEBサイト上にある「新NISA口座開設」ボタンから申し込み画面へ進み、「郵送で口座開設」を選んで必要項目を入力します。数日後、証券会社から新NISA口座開設書類が送られますので、必要項目を記載し、本人確認書類等をあわせて返送します。あとは証券会社から新NISA口座開設完了の連絡が届くのを待つだけです。
SBI証券の場合、10日程度で取引可能となります。
最後に、銀行での新NISA口座開設方法を紹介します。銀行によって多少の違いはありますが、一般的には以下のような流れで手続きできます。
オンラインで新NISA口座を開設する場合の流れは以下のとおりです。
銀行のWEBサイトを通して「新NISA口座開設」の手続きを進めましょう。三井住友銀行で口座開設をする場合、まず三井住友銀行アプリのダウンロードが必要です。アプリTOPの「Oliveアカウントを申し込む」からお申し込みください。申し込み画面上のフォームに必要項目を入力し、必要書類をアップロードします。あとは銀行から新NISA口座開設完了の連絡が届くのを待つだけです。
銀行にもよりますが、最短1週間程度で取引可能となります。多くの銀行では新NISA口座開設完了とともに投資信託の購入ができますが、税務署の審査が必要なのは証券会社の場合と同様です。万が一、すでに他の金融機関に新NISA口座がある場合、新たに開設した口座で買付けた投資信託は課税対象となります。
郵送で新NISA口座を開設する場合の流れは以下のとおりです。
銀行のWEBサイト上にある「新NISA口座開設」のページを通して、新NISA口座の開設に必要となる書類を請求します。数日後、銀行から新NISA口座開設書類が送られますので、必要項目を記載し、本人確認書類等をあわせて返送します。あとは銀行から新NISA口座開設完了の連絡が届くのを待つだけです。
新NISAを始める際には金融機関で新NISA口座を開設する必要があります。新NISA口座は証券会社や銀行等の金融機関から無料で開設できます。証券会社で開設する場合には、証券総合口座開設後に新NISA口座の開設が必要です。(同時開設が可能な場合があります)銀行等で開設する場合には、新NISA口座のほかに投資信託口座と普通預金口座が必要です。なお、新NISA口座は1人1口座しか開設できないため、金融機関は慎重に選択しましょう。
これから新NISA口座を開設する方は、三井住友銀行アプリでSBI証券の証券総合口座と新NISA口座を開設するのがおすすめです。開設後には一つのアプリで三井住友銀行口座とSBI証券口座を一括で管理できるため便利です。SBI証券での取引や投資信託の残高に応じて、Vポイントが貯まります。
三井住友銀行アプリからOliveアカウントを申し込む際は、同時にSBI証券口座の開設が可能です。Oliveの申込内容がSBI証券の口座開設画面に引き継がれるため、簡単に口座開設ができます。
續恵美子
ファイナンシャルプランナー(CFP®、ファイナンシャル・プランニング技能士)
生命保険会社にて15年勤務したあと、ファイナンシャルプランナーとしての独立を目指して退職。その後、縁があり南フランスに移住。夢と仕事とお金の良好な関係を保つことの厳しさを自ら体験。
渡仏後は2年間の自己投資期間を取り、地元の大学で経営学修士号を取得。地元企業で約7年半の会社員生活を送ったあと、フリーランスとして念願のファイナンシャルプランナーに。生きるうえで大切な夢とお金について伝えることをミッションとして、マネー記事の執筆や家計相談などで活動中。