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投資信託の始め方
2021.7.14投資信託Q&A
投資信託(ファンド)の商品情報は、金融機関のWebサイトにあるファンド情報のページで確認できます。
ファンド情報のページには運用方針、投資対象、直近の運用状況、手数料などが載っています。一覧から選べるほか、検索画面からファンドの種類や決算回数、手数料の有無などの条件を絞って自分の希望に合ったファンドを探すこともできます。
気になるファンドを選んだら、購入前に必ずファンド情報のページを見て、自分の運用志向に合っているかを確認しましょう。
さらに詳細を確認したいときは、ファンドについての重要事項がまとめられた、「交付目論見書」も読んでみるとよいでしょう。
まず、自分の運用志向=どの程度のリスクとリターンを見込むのか、に沿って投資対象や地域を決めましょう。
株式は債券と比べると高い収益を望める反面、損失が大きくなる可能性もある「ハイリスク・ハイリターン」な商品と言えます。また、同じ株式でも、国内株式に投資するファンドより海外株式に投資するファンドの方が、ハイリスク・ハイリターンになります。
まずは運用志向に合わせたファンドを探し、そこから信託報酬(運用管理費用)と純資産総額のチェックもしたうえでどれを選ぶか決めましょう。
ファンド選びのポイントは、大きく以下の3点です。
ファンドの種類には、さまざまな分け方がありますが、「インデックスファンド」「アクティブファンド」「バランス型ファンド」の3つは知っておくとよいでしょう。
「日経平均株価」や「東証株価指数(TOPIX)」は、日本の株式市場の値動きを表す指数で、インデックスとも呼ばれます。このインデックスは、「日本の債券」「米国株式」など、特定の投資対象・地域ごとに数多くあり、「先進国の株式市場全体」など、複数の国の市場の値動きを反映したものもあります。
このインデックスと同じ値動きになるような運用を目指すのが「インデックスファンド」です。インデックスファンドのリターンは、市場全体の上昇率・下落率とほぼ同じになります。
株式を投資対象とするファンドの場合、株価の上昇が期待できる企業を厳選して投資し、市場平均を上回るリターンを目指すものが、アクティブファンドです。こちらも「日本の株式」のみならず、「日本の債券」「米国株式」など、さまざまな種類があります。
ただし、完全な予測はできないので、市場平均を上回る高いリターンを得られることもあれば、市場平均以下の結果となることもあります。
「日本の株式」のように同じ地域・資産を投資対象とするファンドを購入する場合でも、インデックスファンドよりアクティブファンドの方が、ハイリスク・ハイリターンになります。
「国内外すべての地域の株式と債券を所定の比率で購入する」といった、複数の投資対象を組み合わせたファンドが、バランス型ファンドです。1つのファンドで世界中のさまざまな資産に投資でき、初心者でも簡単に分散投資ができるメリットがあります。
信託報酬(運用管理費用)は、投資信託の運営や管理にかかる費用を投資家全体で負担するというもので、投資信託を保有している間、投資家が払い続ける手数料です。保有している間は必ずかかるものなので、長期的な収益率にも大きく影響します。アクティブファンドは企業の分析や売買に手間がかかるため、インデックスファンドより信託報酬が高くなっています。もし、投資対象・地域などが同じファンドで迷ったら、信託報酬の安いものを選べばよいでしょう。
純資産総額とは、そのファンドが運用している資産の総額のことです。純資産総額が少なすぎると、想定した運用が出来ずファンドの運用が終了し、現金化されてしまう可能性があります。目安として、最低でも50億円程度あるファンドを選びましょう。
ファンド情報には主に以下の項目が書かれています。次のポイントをチェックしましょう。
ファンドの目的・特色:
手数料:
投資リスク:
運用実績:
ファンドが購入する資産は、間接的に自分が保有する資産です。まずは、ファンドが購入する資産は「どこ」の「何」かを、必ずチェックしましょう。バランス型ファンドの場合には、資産・地域ごとに何をどのくらいの比率で購入するのかを見ておきます。
インデックスファンドか、アクティブファンドかも大事なポイントです。アクティブファンドは高い収益を得られることもあれば、損失が大きくなることもあります。また、もし直近の運用成績のよいファンドがあったとしても、10年、20年と続くかどうかはわかりません。
手数料はもちろん低い方が望ましいもの。毎年かかるコストである信託報酬は、最終的な収益率を大きく左右するので必ずチェックしましょう。
投資信託の商品を選ぶときは、まずはどのような商品か知ることが大切です。次のポイントを意識して、自分の運用志向に合ったものを選びましょう。
・ファンドを選ぶときは、Webサイト等で商品概要(ファンド情報)をチェックする。
・複数の商品から、自分の運用志向に合うものか比較する。
・長期の運用を念頭に、直近の利益ばかりにとらわれないこと。保有している間にかかる手数料(信託報酬)も、忘れずに確認する。
次回は投資信託の収益の種類と確認方法について解説します。
【投資信託やってみた】
「投資信託の商品を選んでみよう!」の記事は こちら
執筆:歌代 将也(うたしろ まさなり)
ファイナンシャルプランナー(CFP®)、社会保険労務士。妻と子ども2人、住宅ローンありという普通のサラリーマンから、「うたしろFP社労士事務所」代表に。社会保険、マネー関連記事の執筆・監修やセミナー講師などを行い、お金のことで必要以上に不安を感じることなく、楽しく働き続けたい人と会社をサポートしている。
うたしろFP社労士事務所:https://uta-fpsr.com