【失敗しないために】つみたてNISAの銘柄変更には注意が必要!
銘柄変更を検討してますが、注意しておくことはありますか?
つみたてNISAのメリットが失われてしまう可能性を知り、
一喜一憂して銘柄変更しないようにすることが大切です。
前述のとおり、つみたてNISAの銘柄変更には注意したいポイントがあります。
- 頻繁に銘柄変更するのはよくない
- スイッチングはよくない
- これまで積み立てた銘柄は保有し続ける
- 値下がりが理由で銘柄変更するのはよくない
それぞれの注意点をくわしくみていきましょう。
頻繁に銘柄変更するのはよくない
つみたてNISAは、同じ銘柄を長期運用することでメリットを得られる制度です。主なつみたてNISAのメリットとは、「ドルコスト平均法」「複利効果」などがあります。
頻繁に銘柄変更してしまうと、これらの効果が失われてしまう可能性を知っておきましょう。
ドルコスト平均法
つみたてNISAは、ドルコスト平均法の効果が得られる投資方法です。
ドルコスト平均法では、一定の金額を投資し続けることにより、値下がりしたときは口数が多く、値上がりしたときは口数が少なくなります。そのため、平均購入価格を抑えられるのです。
銘柄を購入するタイミングを分けることで、価格変動によるリスクを軽減できるという考え方です。
たとえば、1口1,000円の投資信託を一度に100口購入した場合、投資額は10万円となります。しかしその後値下がりして1口900円になった場合、投資直後に1万円の損失を抱えることになってしまいます。
一方、1口1,000円の投資信託をまずは50口、1ヶ月後に1口900円で50口購入した場合、値下がりによる損失は5,000円です。時間を分散させなかった場合と比較すると、5,000円の損失を防げたことになります。
時間の分散による効果を得られます。頻繁に銘柄変更してしまうと、この時間の分散による効果を得られなくなってしまいます。
つみたてNISAでは毎月一定額を一定の銘柄に投資していくため、ドルコスト平均法の効果を得られます。
ドルコスト平均法を活用できるのは、一定金額で同じ銘柄を継続して購入した場合ですので、銘柄を途中で変更してしまうと、ドルコスト平均法は初めからやり直しとなってしまいます。
複利効果
複利効果とは、元金だけでなく運用益を再投資することで、得られる利益を増やしていく効果です。
しかし、頻繁に銘柄変更してしまうと、複利効果による効果は薄れてしまいます。
スイッチングはよくない
スイッチングとは積み立てている銘柄を売却し、そのお金で別の銘柄を積み立てていく手法です。実は、つみたてNISAではスイッチングはおすすめできません。
その理由は、つみたてNISAの非課税投資枠が年間40万円だからです。
たとえば、30万円分の非課税枠を銘柄Aで使い切っている場合、銘柄Aを全額売却し、翌月から銘柄Bにスイッチングしても、その年は10万円分しか投資できません。
この場合、銘柄Aを売却せず翌月から銘柄Bに変更し、銘柄Bの割合を増やしていくほうが非課税投資枠は無駄にならず、銘柄Aの運用益も見込めるでしょう。
これは、仮に銘柄Aが元本割れしていても、長期で保有していればいずれ価格が上昇し、運用益が得られる可能性が十分あるからです。
これまで積み立てた銘柄は保有しておこう
前述したとおり銘柄変更の際に売却しても、非課税投資枠は復活することはなく、その分が無駄になってしまいます。
さらに長期運用のメリットもなくなってしまうため、銘柄変更する場合でも、これまで積み立てた銘柄は安易に売却せず、保有し続けましょう。
値下がりが理由で銘柄変更するのはよくない
積み立てている銘柄が値下がりしていると、値上がりしている銘柄に変更したくなる人もいるでしょう。
しかし、値下がりを理由に銘柄変更するのはおすすめできません。
前述のとおり、つみたてNISAはドルコスト平均法を活用する長期投資です。価格変動にかかわらず、買い続けることで平均買付価格を抑えられる効果があります。
ドルコスト平均法を活用するうえでは、同じ価格で多くの口数を購入できるため、値下がりは買い増しのチャンスです。せっかくのチャンスを逃してしまう可能性もあるため、値下がりしているからといって安易な銘柄変更はやめましょう。
こんなときは銘柄変更を検討しよう!
銘柄変更はどのような場合に検討すると良いですか?
より運用益が出る銘柄があったときやご自身の投資スタイルを
変えてみたいときに見直してみると良いでしょう。
ここまで、銘柄変更のデメリットや注意点について解説してきました。では、どのようなときに銘柄変更を検討するとよいのでしょうか。
同じ条件で信託報酬が安い商品があったとき
積み立てている銘柄より、信託報酬の安い商品が見つかった場合は銘柄変更を検討してもよいかもしれません。
信託報酬とは、投資信託を運用する際にかかる費用です。信託報酬が高い場合、その分ファンドの資産から差し引かれるため、運用益が減少する原因になります。
ただし前述のとおり、信託報酬が安いからと安易にスイッチングするのはおすすめできません。銘柄変更するなら、積み立てている銘柄は売却せず運用を続けるとよいでしょう。
投資のスタイルを変更したいとき
投資スタイルを変更したい場合には、銘柄変更を検討してみてもよいでしょう。
たとえばリスクを取ってでも利益を増やしたい場合、現在の銘柄からハイリスク・ハイリターンの銘柄へ変更することを検討します。
また、より慎重に積み立てていきたい場合は、よりローリスクな銘柄へ変更するか迷うかもしれません。もし銘柄選び、銘柄変更で迷う場合は、金融機関に相談してみるとよいでしょう。
三井住友銀行では、「投資信託のご相談」から投資に関する相談の申し込みを受け付けています。
【手続き】三井住友銀行でつみたてNISAの銘柄変更をする場合
つみたてNISAの銘柄変更を行うときにはどのような手順で行いますか?
変更手続きは金融機関によって異なりますが、オンラインで変更できるところもあります。
最後に、三井住友銀行でつみたてNISAを銘柄変更するときの手続きについて説明します。
現在積み立て中の銘柄を減額し、新たに銘柄を追加する場合
現在積み立てている銘柄の積立金額を減額し、新しく銘柄を追加する場合の手続きは、以下のとおりです。
- SMBCダイレクトにログインする
- メニューから投資信託を選択し、「つみたて内容の変更・中止」を選ぶ
- 口座選択後、「積立内容の変更」をクリックする
- 変更したいファンド、積立金額を選択して変更する
- 新たに追加したい銘柄の積立金額を設定する
現在積み立て中の銘柄を中止し、別の銘柄を積み立てる場合
現在積み立てている銘柄の積み立てを停止し、新しく銘柄の積み立てを始める場合の手続きは、以下のとおりです。
- SMBCダイレクトにログインする
- メニューから投資信託を選択し、「つみたて内容の変更・中止」を選ぶ
- 口座選択後、積み立てをやめたい銘柄を選択して、「積立の中止」を押す
- あらたに積み立てたい銘柄を選択する
- 積立金額を設定する
まとめ
つみたてNISAの銘柄変更はいつでも自由に実行できますが、ドルコスト平均法、複利効果のメリットを得にくくなってしまいます。そのため、安易な銘柄変更は避けましょう。
ただし、信託報酬の安い銘柄を見つけたときや投資スタイルを変更したいときには、銘柄変更が有効な場合もあります。つみたてNISAの銘柄変更で迷ったら、まずは金融機関に相談してみましょう。
▼三井住友銀行のつみたてNISAについてもっと知りたい方へ
つみたてNISAとは?:三井住友銀行
- ※2023年4月現在の情報です。今後、変更されることもありますのでご留意ください。
大木 千夏(おおき ちなつ)
独立系FP、金融ライター。もともとは臨床検査技師として病院に勤務、その後フリーランスライターとして独立した。ライターとして活動するうち、金融業界に興味を持ちAFP取得後、独立して横浜に事務所開設。
2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP。