Aさん
25歳、東京都在住。大学卒業後、外資系コーヒーチェーン店に就職。約1年後に退職し、現在はフリーランスのモデル、イベントコンパニオンとして活動。ステイホーム期間中に将来について考えるようになり、つみたてNISAをスタート。
2022.2.2資産運用の先輩に聞く! 私の積立スタイル
Aさん
25歳、東京都在住。大学卒業後、外資系コーヒーチェーン店に就職。約1年後に退職し、現在はフリーランスのモデル、イベントコンパニオンとして活動。ステイホーム期間中に将来について考えるようになり、つみたてNISAをスタート。
――モデルやイベントコンパニオンの仕事を始めたのはいつ頃ですか。
Aさん
「学生時代です。就職後は1年ほどお休みしていたのですが、やっぱりこの仕事がしたくて。現在はフリーで活動しています」
――仕事柄、美容費や衣服費にお金がかかるのでは?
Aさん
「そうですね。もともと化粧品や洋服が好きなこともあり、欲しいと思ったタイミングで買っています。買った直後にセールになって落ち込むこともありますが(笑)、それよりも欲しい気持ちを大切にしたくて。“我慢せずに買いたい”という気持ちが働く原動力になっているので、これまでは預金などまったく意識していませんでした」
高山先生
「本当に必要なら、セールを待たずに正規の値段で買って問題ないと思いますよ。逆に、セールのときは、本当に欲しいのか自分でもわからずに買ってしまう“お得のワナ”に陥りがちなので気をつけましょう」
高山先生のワンポイントアドバイス
――そんなAさんが積立投資に目覚めたきっかけは?
Aさん
「ステイホーム期間中、YouTubeで投資に関する動画をたまたま見たのがきっかけです。年下のYouTuberがつみたてNISAをやっていて、刺激を受けました。すぐに口座を開き、昨年の夏にはつみたてNISAを始めました」
高山先生
「素早い行動ですね!」
Aさん
「時間があったし、思い立ったらすぐに行動するタイプなんです。それに、私はフリーランスなので、会社員のように決まったお給料がありません。いつ仕事がなくなるかわからないし、仕事柄、コロナの影響をもろに受けました。それで、将来に対して漠然とした不安を抱くようになって。積立投資が安心につながるならと、迷いはなかったです」
高山先生
「すぐに行動した点が素晴らしいですね。投資に限らず、何事もまずはトライしてみることが大切です。頭で考えていても、実際に試してみないとわからないことはたくさんありますから。それに、たとえ失敗したとしても、その経験が人生の糧になります」
――YouTube以外で参考にしたものはありますか?
Aさん
「Twitterも毎日チェックしています。同年代でもバリバリ投資している人が多く、勉強になりますね。先に投資を始めていた友人からも、いろいろと教えてもらっています」
高山先生
「仲の良い相手でも、お金の話はしづらいもの。ましてや、投資の話ともなればもっとしづらいと思います。その点、投資の話ができるご友人が身近にいるのは、とても良いことですね」
Aさん
「学生時代からとても仲の良い友人で、お金の価値観も合うんです。それもあって、他人には言いづらいお金や投資の話も気軽にできます」
高山先生
「Aさんのような若い世代による積立投資が増えているのは、金融庁の調査でも明らかです。コロナ禍が、将来についてしっかりと考えて行動するきっかけになっていると実感します」
高山先生のワンポイントアドバイス
▼つみたてNISAについてもっとくわしく!
つみたてNISAとは?
コロナ下で「つみたてNISA」がなぜ選ばれた? 初心者でもはじめやすいメリットとは
――つみたてNISAの運用額はどれくらいですか?
Aさん
「毎月1万500円です。YouTubeの動画で『投資は分散が大切だ』と聞いて、米国株や全世界株に投資する投資信託を5本ピックアップしました。それぞれ2,100円ずつ積み立てています」
高山先生
「たしかにたくさんの種類を買われていますね。少額で多くの投資信託を買ってみるのも良いですが、あまり本数が多いと、運用成績を確認したりリバランスを考えたりするのも大変です。初心者の場合、もう少し種類を絞っても大丈夫でしょう。それと、分散という意味では、日本株の投資信託も組み入れるとバランスが取れますよ。つみたてNISAなら、申請の翌月から商品や運用額を変えられます」
Aさん
「変更してみます! あとは、預金と投資額のバランスを知りたいです。銀行には40万円程度預けているのですが、少なすぎるでしょうか……?」
高山先生
「Aさんはフリーランスなので、万が一のことを考えて生活費の半年〜1年分程度の預金を目標にすると良いでしょう。毎月、手取り額の2割分を預金すると、5年で年収分がたまります。預金と積立投資の2本柱がおすすめです」
Aさん
「これからは預金も意識します。あとは、つみたてNISAの運用額を年間40万円まで引き上げるのが先決ですね」
――つみたてNISAを始めていかがでしたか?
Aさん
「思ったよりも上がり幅が大きくてびっくりしました。値動きを見るのは面白いし、もっと積極的に運用したいです。何より、お金を“預ける”と“増やす”を一気に行えるのは、積立投資ならではのメリットだと感じました」
高山先生のワンポイントアドバイス
▼ポートフォリオについてもっとくわしく!
ポートフォリオって何? どうやって組み立てたらいい?
Aさん
「私の場合、つみたてNISAを始めたのはコロナで価格が大きく下がった直後だったので、ラッキーだったかもしれません。つみたてNISAは20年間非課税なので、しばらくの間は預けっぱなしにしておくつもりです」
高山先生
「長期的な視点に立った投資を意識されているのですね」
Aさん
「はい。あとは、株価が上下しても一喜一憂しないようにしています」
高山先生
「Aさんは初心者ながら、投資で大切なポイントをしっかり理解されていますね。やりたいことを自由にやるには、お金が必要なときが多数あります。積立投資で資産が増えれば、できることの幅も広がるでしょう。Aさんはまだお若いので、長期運用で効果を発揮する積立投資で、上手に資産を増やしていってくださいね」
Aさん
「ありがとうございます。社会情勢を見ても、いつ何が起こるかわからない不安があります。いざというときに使えるお金を確保するために、投資を頑張っていきたいです!」
高山先生のワンポイントアドバイス
コロナ禍を経て、投資に興味を持つ方が増えてきました。今回は20代のAさんにお話をお聞きしましたが、同世代のYouTuberが発信した情報を参考にして、無理のない額で積立投資を始めています。モデルやイベントコンパニオンのお仕事もキャンセルが相次いだそうで、先行きが見えない中、自分で調べてしっかりと対策した姿勢が素晴らしいと感じました。
若くから積立投資を始めると、そのぶん積立期間を長く持てます。無理のない額からコツコツと長期にわたって積み立てていけば、複利効果を最大限に発揮して大きく増やすことも可能です。
もう一つ、若い方々にお伝えしたいのは、「今だからこそできることも大事にしてほしい」ということ。例えば積立投資で増やしたお金で旅行に行ったり、習い事をしてみたり。いろいろなチャンスがあると思うので、そのときに備えるという意味でも、積立投資は有効だと思いますよ。
高山 一恵(たかやま かずえ)
ファイナンシャルプランナー(CFP)、一級FP技能士。株式会社Money&You取締役。
全国での講演活動、執筆、マネー相談を通じて、女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。女性向けWEBメディア『FP
Cafe®』や『Mocha』も運営。また、『Money&You TV』や「マネラジ。」「Voicy」などでも情報を発信している。 主な書籍には、「はじめてのNISA
&iDeCo」(成美堂出版)「1日1分読むだけで身につく お金大全100」(自由国民社)」「はじめのお金の基本」(成美堂出版)「マンガと図解 はじめてのFIRE」(宝島社)などがある。
Money&You:https://moneyandyou.jp/
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