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30代独身・夫婦の平均貯金額はいくら?必要な費用や貯金のポイントも解説
2024.10.10年代別×貯金方法〜これからの時代の資産形成
まず20代の平均的な収入を見てみましょう。ここでは、国税庁が2023年に公表した「令和4年分 民間給与実態統計調査」から、20代の前半と後半の平均年収を解説します。
20代前半20〜24歳の平均年収は273万円です。男性は291万円、女性は253万円となっています。[注1]
22歳で4年制大学卒業後、新卒で就職した場合、24歳で社会人2年目を迎えます。20代前半は、キャリアの初期段階であるため、給与水準はそこまで高くない傾向があります。
20代後半25〜29歳の平均年収は389万円です。男性は420万円、女性は349万円となっています。[注2]
また、厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、25〜29歳の学歴別賃金は以下のとおりです。[注3]
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最終学歴 | 1ヵ月の平均賃金 |
---|---|
高校卒 | 24万700円 |
専門学校卒 | 24万9,200円 |
高専・短大卒 | 24万8,300万円 |
大学卒 | 27万2,600円 |
大学院卒 | 29万6,200円 |
20代の人々がどの程度貯金しているのか、貯蓄額の平均値と中央値を見てみましょう。
金融広報中央委員会の家計の金融行動に関する世論調査(令和5年)によると、1人暮らしの20代の平均預貯金額は219万円です。一方、世帯主の年齢が20代の2人以上世帯の場合は、403万円です。2人以上世帯では、共働きのケースが考えられるため世帯全体の収入が上がりやすい傾向にあります。また、20代の金融資産保有額と割合は以下のとおりです。[注4]
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金融資産保有額 | 20代単身世帯 | 世帯主の年齢が20代の2人以上世帯 |
---|---|---|
100万円未満 | 40.9% | 34.3% |
100〜200万円未満 | 19.5% | 15.7% |
200〜300万円未満 | 9.4% | 13.0% |
300〜400万円未満 | 8.8% | 7.4% |
400〜500万円未満 | 4.5% | 7.4% |
500〜700万円未満 | 7.1% | 6.5% |
700〜1,000万円未満 | 3.9% | 3.7% |
1,000〜1,500万円未満 | 2.9% | 1.9% |
1,500〜2,000万円未満 | 0.0% | 0.0% |
2,000〜3,000万円未満 | 0.0% | 3.7% |
3,000万円以上 | 0.0% | 0.9% |
無回答 | 2.9% | 5.6% |
貯金額を調べる場合、平均値だけではなく中央値も確認しましょう。中央値とは全データを順に並べたとき、中心に位置する値です。平均値は一部の極端に高額または低額な貯金によって集計結果に影響が出やすいため、中央値のほうがより多くの人々の実態を反映しやすい特性があります。
金融広報中央委員会の家計の金融行動に関する世論調査(令和5年)によると、20代1人暮らしの貯金額の中央値は103万円です。一方、世帯主の年齢が20代の2人以上世帯の場合は、171万円です。[注5][注6]
平均値よりも中央値のほうが実態に近いと感じた方もいるかもしれません。ただし、中央値も完璧な指標ではありません。自分の経済状況や生活環境は個々人で異なるため、これらの統計値はあくまで参考程度に留め、自身の状況に即した経済計画を立てることが重要です。
金融広報中央委員会の家計の金融行動に関する世論調査(令和5年)によると、年間手取り収入からの貯蓄割合は、1人暮らしの20代の場合は18%、世帯主の年齢が20代の2人以上世帯の場合は14%です。[注7][注8]
一般的な貯金額の目安として、月収の1〜2割程度を貯金に回すことが推奨されていますが、年間収入でも同様に考えると、この年間の貯蓄額の割合は一般的に言われている1〜2割程度の貯金額の目安とおおむね合致しています。
20代から30代は、多くの人が結婚や出産、マイホーム購入といった、大きな出費をともなう人生の節目を迎える時期です。それぞれのライフイベントに必要な費用の目安を事前に知っておけば、より効果的な貯金計画を立てられます。
ここでは、主要なライフイベントにかかる平均的な費用をご紹介します。
1人暮らしをする際には、入居時の敷金・礼金、仲介業者への報酬、火災保険への加入費用、転居にともなう諸経費などの初期費用がかかります。
加えて、新生活に必要な家具や家電製品も整える必要もあるでしょう。毎月の生活費から家電代まで、まとまった資金が必要です。
また、総務省の「家計調査 2023年(令和5年)」によると、1人暮らしの毎月の生活費の平均額は、約16万7,620円です。内訳は以下のとおりとなっています。[注9]
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費目 | 月平均額 |
---|---|
食料 | 4万6,391円 |
住居 | 2万3,815円 |
光熱・水道 | 1万3,045円 |
家具・家事用品 | 5,955円 |
被服および履物 | 4,712円 |
保健医療 | 7,426円 |
交通・通信 | 2万1,796円 |
教養娯楽 | 1万9,425円 |
その他の消費支出 | 2万5,051円 |
消費支出合計 | 16万7,618円 |
ゼクシィ結婚トレンド調査2023によると、挙式、披露宴、ウエディングパーティー総額の平均は、327.1万円です。[注10]
結婚式以外にも結納金やハネムーン、新生活にかかる費用も考慮すると相当な額となるため、親からの支援や計画的な貯蓄など、早めの資金準備が重要となるでしょう。
出産には入院料や分娩料などがかかります。厚生労働省の出産費用の実態把握に関する調査研究によると、出産費用の平均は46.7万円ですが、入院日数や個室利用の有無によっても費用は変動します。[注11]
これに加えて出産後の育児用品の購入なども考慮すると、より多くの資金が必要になります。職場の福利厚生の出産手当金や公的支援を確認し、余裕を持った準備が望ましいでしょう。
マイホームの平均購入費用は、住宅の種類によって異なります。以下に主な種類別の平均費用を示します。[注12]
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住宅の種類 | 購入価格の全国平均 |
---|---|
土地付注文住宅 | 4,694万円 |
建売住宅 | 3,719万円 |
マンション(新築) | 4,848万円 |
中古戸建て | 2,704万円 |
中古マンション | 3,157万円 |
建物本体の価格以外にも、不動産取得税や住宅ローンの金利など、諸費用の把握も重要です。実際の費用は地域や物件の特性によって大きく変動する可能性があります。マイホーム購入を検討する際は、これらの平均値を参考にしつつ、個別の条件や希望に応じた詳細な調査が必要です。
2023年度乗用車市場動向調査によると、車両の平均購入価格は、39歳以下の単身者の場合225万円、一番うえの子どもが未就学児の世帯、または世帯主が39歳以下で子どものいない世帯は295万円です。[注13]
マイカー購入を検討する際は、車両本体価格だけでなく、自動車保険や税金、そして将来的なメンテナンス費用まで、総合的な費用計算が欠かせません。
貯金は早めに始めるほど有利です。ここでは、20代の若いうちから無理なく貯金を増やすためのポイントを4つご紹介します。
20代は働き始めたばかりで、自分でお金を管理する力が問われます。収入と支出をしっかり把握することが、上手にお金を管理するポイントです。家計簿をつけると、思わぬ出費や無駄遣いが見つかるかもしれません。スマートフォンの家計簿アプリを使えば家計管理も続けやすいでしょう。
貯金を増やすには、まず日々の出費を見直すことから始めましょう。光熱費やスマートフォン代、各種サブスクリプション代、保険料などの固定費から手をつけるのがおすすめです。食事代や交通費も、計画的に買い物をしたり、交通機関を利用したりするだけで、自然と出費を抑えられるようになります。
給与口座などのメイン口座とは別に貯金専用の口座を作ると、日々の出費と貯金を分けて管理できます。多くの銀行が提供している自動振替を使えば、毎月決まった額を自動的に貯金口座に移せるため、意識せずに貯金が増えていく仕組みが作れます。
20代のうちから収入の1〜2割を貯蓄に回す習慣をつければ、将来の大きな出費や思わぬ出来事にも余裕を持って対応できるはずです。
20代という早い段階から資産運用を始めると、複利効果を最大限に活用できます。複利効果とは、投資で得た利益をさらに投資に回すことで、お金が雪だるま式に増えていくことです。
初めての資産運用に不安を感じる方でも、少額から始められる投資信託や、リスクの低い債券型商品から始めるのも1つの方法です。さらに、NISAやiDeCoなどの税制優遇制度を使えば、より効率的な資産運用が可能です。
ただし、投資にはリスクがともなうため、自己の資金状況や知識レベルに応じて、慎重に選んでいくことが大切です。
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20代は収入が限られているため、なかなか貯金できないと感じる方も多いでしょう。しかし、将来の大切な出来事や思わぬ出費に備えるには、若いうちから少しずつでも貯める習慣をつけておくと安心です。
結婚、住宅購入、子育てなど、人生の節目には多額の資金が必要となります。「まだ先のこと」とあと回しにせず、むしろ20代こそ貯金しやすい時期だと認識し、計画的な貯蓄を心がけましょう。
20代のうちに貯蓄が身につけば、将来の経済的安定につながります。この記事で紹介した効率的な貯金方法を参考に、自分に合った貯め方を見つけて実践してみましょう。
黒髪りの
金融ライター。FP資格や投資経験をもとに、資産運用や生命保険、不動産関連の記事を執筆。半導体・自動車業界で16年にわたり技術翻訳を担当していた経験から、英語学習の記事執筆も行う。