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Sibos大阪『オープニング・プレナリー』頭取基調講演要旨(1/1)


平成241029

各 位

株式会社 三井住友銀行

 

Sibos大阪『オープニング・プレナリー』頭取基調講演要旨

 

 本日、三井住友銀行 頭取 國部 毅は、Sibos大阪『オープンニング・プレナリー』において、下記要旨の基調講演を行ないました。

 

【要 旨】

1.大阪でのサイボス開催

30年を超える歴史を持つサイボスが初めて日本で開催され、多くの方にご来阪頂けたことを嬉しく思う。わが国の商業の中心として栄えてきた大阪には、新しいものを積極的に受け入れる文化があり、多くの国際的な企業を育んできた。また、最近では、「関西イノベーション国際戦略総合特区」の取り組みなども進められており、金融サービスのイノベーションについて議論するサイボスの開催地として相応しい都市である。

 

2.金融界をめぐる3つの“変化”

本日は、金融界をめぐる3つの外部環境の“変化”とその対処についてお話したい。

1つ目は、規制環境の“変化である。“リーマンショック”に端を発した金融危機は、それ以降の国際的な金融規制の枠組みを大きく変化させ、商業銀行業務や決済業務の重要性が再認識されている。2つ目は、経済情勢の“変化である。先進国と、アジアを中心とする新興国の経済力の二極化は当面持続すると思われる。但し、今後もアジアが世界の成長を牽引していくためには、域内内需中心の経済への移行が必要であり、金融機関もその商流の変化を支えるべく決済業務を高度化していくべきであろう。3つ目は、テクノロジーの“変化”である。スマートフォンやソーシャルメディアの普及は、わが国の金融界にも新たな競争をもたらしており、最新のテクノロジーを新しい金融サービスに生かしていくことが求められている。

 

3.“変化”への対処

(1)時代の先を読みプロアクティブに行動する

この外部環境の3つの“変化に対して、銀行界はどのように対処すべきであろうか。世界経済は、極めて先の見通し難い状況が続いており、金融市場も不安定な状態が続いている。こういった環境で重要となるのは、時代の先を読みプロアクティブに行動することである。新しい現実を認識してプロアクティブに行動していくためには、『今の状態が常識的にみて永続性のあるものか』といった目線で判断していくことが有効である。

 

(2)一貫して守るべきもの

 また、このような判断基準を持つことで、我々が一貫して守るべきものが何かということも明らかになる。商業銀行業務を重視する姿勢と顧客へのコミットメントは、銀行界が変わらず維持していくべきものであろう。当行は、金融危機以前より一貫して商業銀行業務を重視しクオリティを追及してきた。決済業務においてもアジアを中心に顧客ニーズへの対応力強化を進めてきた。インフラファイナンスに代表される積極的な長期成長資金の供給もアジアへの一貫したコミットメントの証しである。当行の香港支店は今年、シンガポール支店が来年50周年、バンコック支店も今年60周年を迎える。長年に亘り地域の顧客と築き上げた信頼関係こそが、当行最大の財産となっている。

 

4.結び

最後に東日本大震災における国際社会の支援について感謝の意を表明したい。当時、銀行界は一致団結して必要な金融機能を維持することに注力し、結果としてわが国金融システムの頑健性を示すことができた。

これまでスイフトは、国境を越えてオペレーションの標準化を推進することで、銀行界の効率化に貢献しており、今後も様々な“変化に対する適切な処方箋を示すことが期待されている。その意味において、このタイミングで、ここアジアでサイボスが開催される意義は大きい。この機会を通じて決済業務のイノベーションについての議論を一段と深めて頂き、その果実が新しい金融サービスの力の源泉となることを祈念している。

 

以 上




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