SMBC信託銀行によるシティバンク銀行のリテールバンク事業取得について(1/1)
平成26年12月25日
各 位
株式会社三井住友フィナンシャルグループ
株式会社三井住友銀行
株式会社SMBC信託銀行
SMBC信託銀行による
シティバンク銀行のリテールバンク事業取得について
株式会社三井住友銀行(頭取:國部毅、以下「SMBC」)と、シティグループ・インク(最高経営責任者:マイケル・コルバット、本社:米国ニューヨーク、以下「シティ」)は、関係当局の許認可が得られることを前提として、本日、SMBCの完全子会社である株式会社SMBC信託銀行(代表取締役社長:中川雅博、以下「SMBC信託」)が、シティの完全子会社であるシティバンク銀行株式会社(代表取締役社長兼CEO:ピーター・ビー・エリオット、以下「シティバンク銀行」)から同社のリテールバンク事業を取得すること(以下「本件」)に合意しました。
また、本件に伴い、SMBC信託とシティは、本日、リテールバンク事業の円滑な移行及び維持・継続に協力していく事に合意し、商品・サービスの継続提供にかかる包括的な契約を締結しました。
1.本件の概要
本件において、SMBC信託はシティバンク銀行から、約74万人の個人のお客さま、32支店、約1,600名の社員を含むリテールバンク事業のすべてを取得いたします。
リテールバンク事業の概要 <平成26年9月30日時点>
預金残高 : 2兆4,400億円
従業員数 : 約1,600名(関係会社への出向等を含む)
店舗数 : 32支店
(インターネット支店、関西出張所含む、平成26年11月30日時点)
顧客数 : 約74万人
(参考)SMBC信託について
SMBC信託の前身は、平成25年10月にSMBCがフランスの大手金融機関ソシエテ ジェネラルSAから取得した、ソシエテジェネラル信託銀行です。SMBC信託は、信託機能を活用したテーラーメード型の資産運用商品を提供し、主にプライベートバンキング事業を行う信託銀行です。
SMBC信託の概要 <平成26年9月30日時点>
設立 : 1986年
所在地 : 東京都港区赤坂一丁目12番32号 アーク森ビル16F
預り資産 : 2,714億円
総資産 : 2,101億円
純資産 : 448億円
2.SMBC信託が目指す方向性
(1)新たな銀行像
本件にあたり、SMBC信託は、シティバンク銀行から、独自性の高いリテールバンク事業を確りと引き継ぎます。具体的には、都市部に居住しグローバルな商品や専門性の高いサービスを求める富裕層をターゲットとし、外貨運用商品やグローバルサービス等を、専門のスキルを有する担当者を通じて提供するという、富裕層向けのビジネスモデルを拡大して行きます。
これにより、SMBC信託は、外資系金融機関として保有していたグローバル性や洗練されたサービスといった特色を活かし、国内の他の銀行や信託銀行とも異なる、独自性の高い銀行を目指します。あわせて、SMBCとのシステムインフラ共有化によるコスト削減を通じ、収益力強化を図ることで、株式会社三井住友フィナンシャルグループ(以下「SMFG」)の中核信託銀行への成長を目指します。
(2)商品・サービス提供の3つの柱
@承継する商品・サービスの継続提供
SMBC信託は、シティバンク銀行からリテールバンク事業のすべてを取得し、商品・サービスも継続して提供します。例えば、海外でも利用可能なキャッシュカードのサービスについては、日本国内の他、海外の200以上の国と地域、約190万台のATMで、従来通り利用できます。また、現時点で136種類ある外国投信や11通貨の外貨預金など、外貨運用商品も従来のラインアップを継続します。取引量や口座残高に応じて、口座維持手数料、ATM利用手数料、振込・送金時の手数料等を優遇するサービスも、従来通り提供します。
シティゴールド・シティゴールドプレミアムについては、専任担当者による資産運用相談や、手数料の優遇サービス等を引き続き提供します。
Aシティとの連携を通じたグローバルなサービス拡充
本件に伴い、SMBC信託とシティは、グローバルな商品・サービスの提供にかかる包括的な契約を締結しました。これにより、海外のシティゴールドラウンジの利用など、シティの海外ネットワークを通じたサービスが引き続き提供可能です。また、本件実施後は、海外でシティのATMを利用した際の手数料が無料となります。
SMBC信託とシティは、今後もお客さまのグローバルニーズに対応した商品・サービスを提供できるよう、引き続き連携いたします。
Bグループ各社との連携強化
SMBC信託は、SMBC及びグループ各社との連携を強化することで、お客さまに、より付加価値のある商品・サービスを提供します。
例えば、資産運用商品については、SMBC信託がこれまで築いてきたプライベートバンキング業務のノウハウのほか、SMBC日興証券株式会社との連携等により、より多くの商品からお選びいただけるよう、ラインアップの充実を進めます。
また、SMBCの口座からSMBC信託(現シティバンク銀行)の口座への外貨送金、円振込の手数料優遇サービスを予定しています。この他、SMBC信託(現シティバンク銀行)のお客さまを対象に、SMBCのATM利用手数料の優遇も予定しています。
(3)実現に向けた取組み
これらを実現するために、SMBCは積極的に経営資源を投入し、SMBC信託の業務運営を支援します。例えば、SMBCが既に構築済の国際キャッシュカードサービスのシステムなど、インフラ構築のための資源・ノウハウをSMBC信託に提供して行きます。
3.事業取得の狙い
本件は、上記のようなSMBC信託の強化という観点に加え、事業取得を通じ、次の3点でも戦略的な意義が高いと考えております。
(1)顧客基盤の拡充
シティバンク銀行のリテールバンク事業のお客さまは、グローバルサービスに魅力を感じて利用されているお客さまが多く、比較的若年で、外貨運用ニーズが強く、電話やインターネットでの取引を好むといった特徴があります。こうしたお客さまが、新たに加わることにより顧客基盤が拡充されます。
(2)外貨調達基盤の確保
今回、シティバンク銀行のリテールバンク事業の約1兆円の外貨預金が加わることによって、SMFGグループの日本における個人向け外貨預金残高は1.6兆円となります。この外貨預金を海外における外貨建て貸出のファンディング・ソースとして活用することで、海外業務の更なる強化を図ります。
(3)サービス提供力の向上
外貨運用や商品開発、マーケティング、人材育成などシティバンク銀行の有するノウハウを共有することで、SMFGグループ全体のサービス提供力向上を目指します。
4.日程
平成26年12月25日 契約締結
平成27年10月(予定) 関係当局からの必要な許認可等を前提に、本件実行予定
以 上