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中小企業向け産学連携の新プログラムで共同研究1号案件合意(1/1)


                2007年4月23日

各  位

 国立大学法人東京大学

株式会社三井住友銀行

 

 

Proprius21:東京大学と三井住友銀行

中小企業向け産学連携の新プログラムで共同研究1号案件合意

三井住友銀行が発掘した中小企業と東京大学が共同研究契約に合意

 

 

国立大学法人東京大学(総長:小宮山 宏、以下東京大学)と株式会社三井住友銀行(頭取:奥 正之、以下三井住友銀行)は、同大学が開発した中小・ベンチャー企業向けの新しい産学連携プログラムにおいて、初の共同研究を創出しました。

本件は、三井住友銀行が発掘した中小企業の抱える技術的な課題について、東京大学は三井住友銀行と産学連携の可能性を検討した結果、その企業と共同研究契約を締結することで合意したものです。

 

本プログラムでは、三井住友銀行は共同研究員を東京大学に派遣し、顧客である中小企業の技術課題を解決するために、東京大学産学連携本部(本部長:藤田隆史、以下産学連携本部)教員とともに、その企業と東京大学との産学連携の可能性を探索するものです。

東京大学はこの一年、発起人の1社である三井住友銀行を中心とした他金融機関との研究会の場で、研究、討議を重ね、この産学連携プログラムを開発、以降具体的な一号案件の合意形成に向けて取り組んで参りました。

 

東京大学と三井住友銀行は、今回のプログラムによってこれまで培った両者の強みを最大限活かし、中堅・中小・ベンチャー企業等の産業界、大学、金融機関の各ステークホルダーが産学連携創出による価値を見い出し、積極的に推進して参ります。広く産業界に活用され、さらにその成果が教育・研究機関、政府・官公庁及び企業において新たな価値の創造を促進し、社会への知の還元を図り貢献することを目指します。

 

 

1.今回合意した共同研究の概要

本プログラムの具体的な1号案件として三井住友銀行は、顧客である株式会社アルマード(東京都中央区日本橋2-10-8、会長:長谷部 由紀夫、以下アルマード)を、東京大学と三井住友銀行との共同研究契約(Proprius21)に基づいて、産学連携本部に橋渡しを実施しました。三井住友銀行から派遣されている共同研究員と産学連携本部は連携の上、学内の研究者を探索し、研究テーマに賛同した複数部局の研究者とアルマードの面談を設定し、共同研究に向けて討議を重ねて参りました。その結果、東京大学とアルマードはこの度共同研究契約の合意に至ったものです。(4月中には共同研究契約締結予定)

テーマは、卵殻膜(卵の薄皮)成分が生体に及ぼす効果を実験動物や培養細胞を用いた検証(東京大学大学院農学生命科学研究科:加藤 久典准教授)、および健康増進効果の細胞生物学的検証研究(東京大学サスティナビリティ学連携研究機構:跡見 順子特任研究員)を実施します。(なお共同研究費用は合計で約3,000万円、共同研究期間は2年)

 

2.東京大学の共同研究の現状

東京大学の平成17年度の民間等との共同研究は総件数850件、総研究費41.1億円でしたが、中小企業との件数、研究費の占める割合はそれぞれ、12%、19%です。東京大学では、企業のサイズに関わらず研究開発指向型中小企業との間の共同研究の申し入れについて窓口を開いているところであります。

 

3.Proprius21とは

東京大学産学連携本部が推進している産学連携プログラムのひとつです。研究の成果に主眼を置き、研究テーマの検討段階から産学との間で徹底的に討議を行い、双方が合意できる共同研究計画を策定するものです。

具体的なプロセスは、まず三井住友銀行ほか他金融機関(以下、金融機関)は、新製品の開発や新規事業立ち上げ意欲が旺盛な企業、解決すべき技術的な課題を抱える企業、大学の研究開発力に関心を持っている企業等のニーズを選別し、東京大学との橋渡しをアレンジします。引き続き産学連携本部と金融機関は、これらのテーマ、ニーズに対して学内における研究者探索、研究企画支援等を行い最適な連携方式を創出し、共同研究に向けて学内研究者との合意形成を探ります。この結果、Proprius21に相応しい研究課題であれば、この企業との間で別途Proprius21契約を締結し、期待される研究成果、ロードマップ、研究スケジュール、研究体制、資金計画等詳細を立案、共同研究を進めるというものです。

 

4.本プログラム創出の経緯

東京大学は、大手銀行、信用金庫等の金融機関を中心とした「金融機関の紹介する中小企業・ベンチャー企業と東京大学との産学連携推進策を検討」する研究会を約1年前に発足。これら参加金融機関による産学連携への取組状況、現状の課題等のヒアリングを通して東京大学は、どのような形で貢献できるか、また当事者(中小企業、金融機関、産学連携本部、東京大学研究者)にとって最適の制度、システム、銀行法等などの法令、学内規則に則り、設計開発した経緯にあります。

 

以  上

 

 

 

 




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