3.経営戦略
新銀行グループの今後5年間(平成16年度まで)を展望した経営戦略の柱は、以下の5点であります。
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顧客セグメントの明確化、収益性の高い商品・サービスの拡販、ローコストオペレーションの確立を通じた個人業務収益の拡大 |
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アセット効率の高いビジネスモデルの確立による内外企業取引の推進 |
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地域別戦略を明確にした上での海外業務の再構築と拡大 |
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マーケティング力強化、中堅・中小企業顧客のネットワーク化等へ向けた戦略的なIT投資の実施 |
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ネットビジネス等におけるリーダーシップの発揮 |
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(1) 個人業務収益の拡大
新銀行とグループ会社の保有する多彩な金融サービスを、本邦において最大かつ利便性において最高のネットワークを通じて、資産運用/形成ニーズをお持ちの方、日常の資金決済ニーズをお持ちの方、借り入れニーズをお持ちの方等々、多くのお客様にご利用いただくことにより、収益機会を拡大してまいります。併せて、ローコストオペレーション体制を確立していくことにより、個人業務収益の飛躍的拡大を実現してまいります。
具体的には、 |
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投資信託を始めとする運用商品の販売力強化 |
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住宅ローンのオリジネーション業務の継続的な増強と証券化の推進 |
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従来型店舗ネットワークの合理化、IT活用による窓口事務の効率化等による徹底したローコストオペレーションの確立 |
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コンビニ等とのアライアンスを通じた稠密なサービスネットワークのローコスト展開 |
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グループ会社(クレジットカード会社、ローン会社、信販会社、ネットバンク等)の収益拡大 |
等に注力してまいります。
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(2) アセット効率の高い内外企業取引の推進
お客様の金融ニーズに十分応えながらアセットを増やさないビジネスモデルを確立し、アセット効率の高い企業取引を推進してまいります。これにより、アセット規模の適正化と、非金利収入の増加を軸とする収益力の強化を同時に推進し、資産効率・資本効率の改善を図ってまいります。
具体的には、 |
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お客様のニーズに適った質の高いソリューションの提供による収益性の高いアセットの積み上げ |
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伝統的な融資業務に代わる、ローン・シンジケーション、ローン・セキュリタイゼーション、ノンリコースローン、ストラクチャードファイナンス、プロジェクトファイナンス等の新たな「市場型間接金融ビジネス」の内外における推進 |
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資金効率化ニーズを捉えた決済関連サービス、キャッシュマネジメントサービスの提供等による手数料収益の増強・決済性資金の捕捉 |
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お客様との確固たるリレーションシップを梃子にしたM& A、MBOファイナンス、プライベートエクイティ、資産流動化・証券化等の投資銀行業務の展開 |
等に注力してまいります。
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(3) 海外業務の再構築と拡大
地域毎に業務戦略を明確化した上で、経営資源を積極的に投入し、海外業務の再構築と拡大を図ってまいります。
具体的には、 |
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欧米金融機関に対し地理的な優位性のあるアジアにおける、両行の持つ顧客基盤・拠点ネットワークの統合・戦略的強化を通じた業務拡大 |
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内外大企業に対する、従来の商業銀行の枠に囚われない先進的サービスの提供 |
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欧米の一流銀行に対しても競争力を発揮できる新たな業務の開発と展開 |
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海外金融機関との戦略的アライアンス |
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海外の重複拠点の統合等により捻出される経営資源の戦略的再配置 |
等に注力してまいります。
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(4) 戦略的なIT投資の実施
競争力の強化へ向けて、IT投資を積極化してまいります。
具体的には、 |
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個人業務におけるデータベースマーケティングの高度化のための投資 |
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中堅・中小企業顧客のネットワーク化推進のための投資 |
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ネットビジネスの金融コンテンツと関連インフラへの投資 |
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リスク管理および経営管理の高度化を担保するシステムの構築 |
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生産性の向上へ向けた行内情報インフラの高度化 |
等に注力してまいります。
今後、システム統合を進めていくことにより、これまで両行それぞれが行ってきたソフトウェア開発の一本化、メインテナンス費用の削減等の効率化が実現いたします。新銀行は、この効率化効果を戦略的なIT投資に振り替えてまいります。
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(5) ネットビジネス等におけるリーダーシップの発揮
新銀行グループは、経済全般に亘るグローバル化や規制緩和の進展、高齢化社会・ネットワーク社会の到来といった歴史的な変化に主体的かつ積極的に取り組み、産業構造の変革においてリーダーシップを発揮してまいります。
また、IT、コンテンツ、ネットワーク、顧客基盤等に強みを有する多彩なパートナーとのアライアンスを進め、21世紀の高度情報化社会における新たな複合金融グループとして、ネットバンク、ネット証券、金融ポータルサイトを始めとする様々な金融関連のネットビジネスにおいてリーダーとなることを目指してまいります。
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