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2018.5.2 資産運用キホンのキ
ドルコスト平均法とは、一定額を毎月同じ時期に購入する投資法です。「ドル」という名がついてはいますが、特に外貨に限った投資法ではありません。買い入れる商品に対して、「コストを平均化する」という意味です。長期の投資と相性が良く、特に難しい計算も必要ないので、初心者でも理解しやすい方法です。
積立投資には、「定量投資」と「定額投資」の2つの方法があります。定量投資は、毎月決まった口数の商品を買い入れます。定額投資は、毎月決まった額で買える口数を購入します。
ドルコスト平均法は、後者の定額投資にあたります。商品の価格は日々変化していますから、定量投資の場合は毎月の投資額が上下し、定額投資では毎月の購入口数が変化します。
ドルコスト平均法は、初心者向けの投資法として知られており、さまざまなメリットがあります。
ドルコスト平均法では、商品が値下がりしたときは、購入口数が増えます。一方、商品が値上がりしたときは、逆に購入口数が減ります。そのため、商品1口あたりの購入単価が平準化される傾向があります。
どれほどの利益が出るかは状況次第ですが、購入単価を一般的に低く抑えられるのは大きなメリットです。
相場の動きを読み、安値で買って高値で売るのが、相場の醍醐味といわれます。ですが、上下動を繰り返す相場の動きを、正確に読み切って売買するのは至難の業です。
その点、ドルコスト平均法は、毎月一定の金額を自動的に購入しますので、相場の動きを読む必要がありません。さらに、相場の動きに神経質にならずに済みますので、価格変動に一喜一憂して判断を誤ることもなくなります。
投資では売り時・買い時が大切ですが、そのタイミングを測るのは難しいものです。特に価格が下降している「下げ局面」では、「もっと下がってしまうかもしれない」という心理が働いて、買いにくくなってしまうものです。
ですが、ドルコスト平均法は、下げ局面は、同じ金額で口数を多く買えると考えることができます。下げ局面にあっても、その後の「上げ局面」に備えた準備ができるのです。
購入した商品の価格が上昇する「上げ局面」になると、「安いときに、もっと購入しておけば大きく儲かったはず」と考えがちです。実際にそうなればいいのですが、安いと思い、大量購入したとたんに値が下がり、結果として高い値段で買ってしまう、いわゆる「高値つかみ」をしてしまうこともあります。
ドルコスト平均法は定額投資なので、高値の時は同じ金額で少ない口数しか購入しないことになるため、高値つかみのリスクを抑えることができます。
ドルコスト平均法は、長期間、購入を重ねて効果を発揮する投資法です。上げ局面・下げ局面の双方で堅実な運用を可能にしますし、月々決まった額を購入していくという点でも、長期投資に向いています。
ドルコスト平均法にもデメリットは存在します。
購入額が固定されていることで、底値で大量に買い付けることができず、せっかくの機会を逃してしまうことがあります。
また、商品の価格が下がり続ける異常事態になったときは、損失につながるおそれがあります。
ドルコスト平均法は、毎月定額で購入するという安定感がありますので、長期の積立投資による資産形成に適した方法です。ただし、リスクもありますので、「ドルコスト平均法だから大丈夫」と無防備にならず、しっかりと特徴を把握していきましょう。