商品の評価額に着目するバリュー平均法

バリュー平均法とは、その時々によって変動する商品の「価値」に着目した投資法です。
まず、最終的な目標額を決めておきます。そして、その目標額を達成するためには毎月いくらずつ資産を増やせばいいかを算出します。ここで大事なのは、毎月の購入口数や購入額ではなく、その時点での評価額を決めておき、常にその額を維持することです。

手持ちの金融商品は、その時々によって価格が上下動します。評価額が予定よりも上回っていたら、余剰分を売却して現金化します。下回っていたら、追加購入して予定の額に合わせていきます。
例えば、「10年後に240万円」という目標を設定したとしましょう。この場合、毎月20,000円ずつ資産が増えていけばいいわけですから、毎月20,000円ずつ金融商品を購入することになります。そして、1ヵ月後、投資した20,000円が値下がって15,000円になっていたら、2ヵ月目は25,000円を買い足して、予定額の40,000円に合わせます。反対に、1ヵ月後、投資した20,000円が値上がって25,000円になっていたら、2ヵ月目は余剰分の5,000円を売却して現金化し、予定額の40,000円になるようにします。

まず、目標に向かう階段を作っておき、常にその階段の高さに評価額を合わせていく。これが、バリュー平均法です。

バリュー平均法のメリットとは?

バリュー平均法のメリットは、必ず目標額を達成できることです。投資の開始から終了時まで、その時々の目標額が必ず達成されるように調整していくため、「○年後に○○○万円」という最終目標額が達成されます。子供の学費やマイホーム資金など、「いつまでにはいくら作っておきたい」という場合の資産形成に向いた投資法です。また、結果として、高いときに少なく、安いときに多く買うことになるため、平均購入金額を抑えられる可能性が高いといえます。

バリュー平均法のデメリットは?

目標額をクリアできるというメリットがある一方で、バリュー平均法にはデメリットがあります。それは、大きな下落や長期の下げ局面に弱いことです。
商品の評価額が一時的に大きく下落したり、先の見えない下げ局面が長く続いたりすると、追加投資額が大きくなります。目標額が決まっているので、それに合わせて投資額の負担が大きくなるわけです。場合によっては、「それ以上投資を続けられない」という状況に追い込まれることもあります。

バリュー平均法とドルコスト平均法との違いとは?

バリュー平均法と比較される方法として、「ドルコスト平均法」があります。
ドルコスト平均法は、一定額を毎月、同じ時期に購入することで、市場価格の変動に合わせて、購入口数を増減させる方法です。
バリュー平均法は、ドルコスト平均法と同じように一定額を毎月、購入していきますが、目標額が基準になります。
また、ドルコスト平均法との違いは、バリュー平均法は基準価額より上回った場合に売却するという点です。基準価額を上回った分だけ、現金化されていきます。また、ドルコスト平均法と比べ、毎月の購入額を判断する必要があるため、少し手間がかかるといえます。

バリュー平均法のメリットとデメリットを把握しよう

バリュー平均法は、目標額が達成できるという点が最大の魅力になります。
ですが、比較的新しい投資手法であるだけに、さまざまな議論や提案が飛び交っています。バリュー平均法のメリットとデメリットを、しっかり把握しておきましょう。

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