つみたてNISA(積立nisa)を始める前に、まずは基礎知識をおさらい

たておさん たておさん

つみたてNISAって、そもそもどんな制度なんですか?

FP FP

投資によって出た運用益が非課税になる投資制度です。
長期・積立・分散投資に適した商品の中から運用ができるので、投資初心者の方でも始めやすくなっています。

つみたてNISAとは、2018年1月よりスタートした長期・積立・分散投資を支援するための投資制度です。

若い方のつみたてNISA口座数も伸びており、2022年9月末時点と2021年9月末時点を比較すると、20代が40万42口座増、30代が61万3709口座増となっています。

年代別つみたてNISA口座数

株式投資やFXは、投資にある程度まとまった資金が必要だったり、リスクが高く、失敗すると大きな損失を出してしまうイメージもあったり、投資未経験の方にはハードルが高くなかなか始めづらいものでした。

その点、つみたてNISAは投資未経験の方でも資産運用を始めやすい制度として注目を集めています。以下では、つみたてNISAが投資未経験の方でも始めやすいとされる理由について解説します。

@年間40万円・最長20年間非課税で運用できる

つみたてNISAの大きなメリットのひとつに、運用益が非課税になる点が挙げられます。

従来の投資方法では、投資によって得た利益に対して20.315%の税金がかかる仕組みになっています。

しかし、つみたてNISAの場合、毎年40万円までの非課税投資枠が設けられており、各年に購入した投資信託を保有している間に得た分配金や譲渡益は、購入した年から数えて20年間にわたり非課税となります。

毎年上限いっぱいの40万円で投資信託を購入していた場合、20年間にわたって非課税で運用できる投資総額は最大800万円です。

Aリスクを抑えて運用できる「長期・積立・分散投資」に適した商品が対象

つみたてNISAの投資対象商品は、「長期の積立・分散投資に適した投資信託」であることが法令で定められています。

具体的には、投資信託自体の運用期間が20年以上など長期であること、分配金の受け取りが毎月ではなく元本を増やしやすいこと、運用期間中にかかる手数料が低いこと、などの条件があります。

長期・積立・分散投資は「リスクを抑えて運用ができる」という投資の大原則ですが、その効果について以下のようなケースを見てみましょう。たとえば、一度に4,000円分のりんごを購入した場合と、毎月1,000円ずつ購入した場合では、後者の方が平均的な購入単価が抑えられて多く購入することができます。

積立投資によるリスク分散のイメージ

B定期的に自動買付

つみたてNISAでは、あらかじめ決まったタイミングで自動的に一定金額の買い付けが行われます。

長期で資産形成を目指す中で、いちいち購入の手間をかけずに済みますし、購入するタイミングに悩むことや、購入忘れの心配がないのも魅力のひとつです。

C柔軟な投資方法

つみたてNISAは途中で買付金額を変更したり、換金したりすることもできるので、自分の投資スタイルに合わせて資産運用することが可能です。ただし、つみたてNISAの非課税枠は年間40万円なので、購入金額は年間で40万円を超えないように注意しましょう。

以上のように、つみたてNISAには他の投資商品にはないさまざまな特徴・メリットがあることから、投資経験者はもちろん、投資未経験の方からも多くの関心が集まっています。

実際に2022年9月末時点で、証券会社の一般NISA口座における投資未経験者の割合は約49.3%、それに対してつみたてNISA口座では約89.1%にも上っており、人気が高いことがわかります。

NISA・つみたてNISAの投資未経験者割合推移
  • 出典: 日本証券業協会 NISA口座開設・利用状況調査結果(2022年9月30日現在)について

ただ、つみたてNISAは株式やFXに比べてリスクが少ないとはいえ、預貯金のように元本が保証されているわけではありません。

また、公募株式投資信託の場合は購入時の手数料こそかからないものの、預けている資産に対して一定の率で信託報酬などが発生します。

つみたてNISAを始めるときは、元本割れのリスクや手数料の負担があることを理解したうえで運用を始めることが大切です。

つみたてNISAについて、よりくわしいことはこちらの記事を参考にしてください。

【関連記事】つみたてNISAとは? つみたてNISAのメリット・デメリットから始め方まで完全網羅!

つみたてNISAの始め方とは? 運用スタートまでの3STEP

たておさん たておさん

つみたてNISAを始めるには、まず何をすればいいですか?

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金融機関で専用の口座を開設することからスタートします

以下では、つみたてNISAで資産運用を開始するまでに必要なステップを3つに分けて解説します。

STEP1.金融機関で口座を開設する

まず、つみたてNISAを始めるには、金融機関で専用口座を開設する必要があります。

つみたてNISAで開設できる口座は1人1口座だけです。金融機関によって、たくさんの商品を取り扱っているところや、扱う商品を厳選しているところもあります。投資経験の少ない人は、ある程度商品が厳選されている金融機関のほうが商品選びに迷うことが少なくなるのでおすすめです。そのほか、サポートの手厚さなど、自分の投資スタイルやニーズに合った商品を提供している金融機関を選ぶようにしましょう。

口座開設に必要な書類

つみたてNISAを始めるためにはマイナンバーカードのほかに、証券会社の場合は「証券総合口座」、銀行の場合は「普通預金口座と投資信託口座」が必要です。なお投資信託口座はNISA口座と同時に申込みできます。
普通預金口座を持っていない人は、まずこちらから普通口座開設をお申込みください。
口座開設に必要な書類は、申込方法によって異なります。

【インターネット申込みの場合】
マイナンバーカード、または通知カードに加え「運転免許証・パスポート・住民基本台帳カード(顔写真つき)・在留カード・特別永住者証明書のいずれか1点」が必要です。

【店頭窓口での申込みの場合】
印鑑とマイナンバーカード、または印鑑と通知カードに加え「顔写真付き本人確認書類1点※1」または「顔写真のない本人確認書類2点※2」、もしくは印鑑と個人番号付住民票の写しに加え「顔写真付き本人確認書類1点」または「顔写真のない本人確認書類1点」のいずれかの組み合わせで必要書類を用意する必要があります。

  • ・・・運転免許証・パスポート等。
  • ・・・各種健康保険証・住民票の写し等。

手続き方法

インターネット申込みの場合は、申込みに必要な情報を入力後、必要書類をアップロードします。面談や店頭での申込みの場合は、必要書類を持参して店頭で手続きを行います。
申込み手続き後の審査を経て、税務署で二重口座でないことが確認されたあと、つみたてNISA口座が開設され、投資が可能となります。

STEP2.毎月の投資金額を決める

つみたてNISAの非課税投資枠の上限は年間40万円ですので、12ヵ月で割ると1ヵ月あたりの投資金額の上限は約3.3万円となります。三井住友銀行であれば、月1万円から始めることができ、月々の掛金を1万円・2万円・3万円から選ぶことができます。

途中で投資金額を変更することも可能ですが、計画的に運用していけるよう、家計を見直して無理のない投資金額を設定しましょう。

STEP3.投資商品を選ぶ

つみたてNISAの投資対象商品には、長期・積立・分散投資に適した投資信託が選ばれており、特定の株価指数に連動する運用成果を目指す「インデックスファンド」や、株式・債券などの資産に分散投資をする「バランスファンド」など、さまざまな種類があります。

それぞれ期待できるリターンとリスクに違いがありますので、まずはつみたてNISAでどのくらいの資産を作りたいのか、目標やゴールを設定してみましょう。

そのうえで、目標を達成できそうな投資商品をチョイスするのがファンド(投資先)選びの基本となります。

【投資初心者向け】金融機関を選ぶときのポイント

ここまで、つみたてNISAで運用を始めるための3ステップについて解説しましたが、投資未経験者の方は、自分に合った商品をどう選べばよいか迷ったり、月々の積立金額をいくらに設定すればよいのか、運用スタート後に相場の値動きへの対処方法や手続きに不安や疑問を感じたりすることもあるでしょう。

つみたてNISAは銀行だけではなく証券会社でも口座開設が可能で、証券会社のほうが取扱商品数は多い傾向にあります。しかし、中長期の運用をする中で困ったときにすぐ相談できるよう、つみたてNISAを始める金融機関は、近くに窓口があったりWebで気軽に問い合わせたりできる銀行を選ぶのがおすすめです。

▼つみたてNISAの口座を開設したい方へ
三井住友銀行なら来店不要で口座開設

つみたてNISAの申込から運用開始までの流れ

たておさん たておさん

つみたてNISAは具体的にどうやって申し込めばいいんですか?

FP FP

申込方法は金融機関によって異なり、オンラインで申込できるところもあります

ここでは一例として、三井住友銀行でつみたてNISAをWebで申し込む場合の流れについて紹介します。なお、つみたてNISA口座開設には、別途普通預金口座の開設が必要です。

以下の手順は、すでに普通預金口座を保有していることを前提としています。

三井住友銀行で申込する場合の手順

@必要書類の準備

  • マイナンバーカード または…
  • 通知カード+本人確認書類(運転免許証・パスポート・住民基本台帳カード(顔写真つき)・在留カード・特別永住者証明書)

ASMBCダイレクトに ログイン

  • 店番号、口座番号、ログイン暗証

Bお客様情報の入力

  • 口座開設手続

C投資先の選定

  • 投資プランや ファンドを選ぶ

三井住友銀行では、つみたてNISAの口座開設から申込みから投資先の選定まで、すべてオンラインで完結できます。

口座開設には、マイナンバーカードか、通知カード+本人確認書類(運転免許証やパスポートなど)が必要です。

次に、必要書類を準備したら、SMBCダイレクトのページで店番号・口座番号・ログイン暗証を入力してログインします。

口座開設と同時に、積立を行うプランやファンドの申込みも行いますので、あらかじめ投資対象商品を選んでおきましょう。

用意しておいた本人確認書類をアップロードしたら、申込みは完了です。

始める前に知っておこう! つみたてNISAの注意点

つみたてNISAを始める前に知っておくべき注意点を紹介します。ここで紹介する内容を確認したうえで、つみたてNISA口座の口座開設を検討しましょう。

元本割れの可能性がある

つみたてNISAの対象商品は、金融庁の定める要件を満たした比較的リスクの低い投資信託に限られています。しかし、元本割れのリスクはゼロではありません。運用期間や選んだ運用商品次第では元本割れする可能性がある点に注意しましょう。

損益通算ができない

つみたてNISA口座ではない、一般的な課税口座で株式や投資信託を運用する場合、課税口座内の投資における損益を相殺(損益通算)することで、運用益に対する税金を減額できます。
しかし、つみたてNISAは、つみたてNISA専用の口座を使用して一般的な課税口座とは分別されているため、課税口座との損益通算はできません。

金融機関を変更する場合には手続きが必要

つみたてNISAは複数の金融機関で口座開設することができません。金融機関所定の期日までに申込めば、年単位で金融機関を変更することは可能です。ただし、変更前・変更後どちらの金融機関でも手続きが必要になります。
長期・積み立てというメリットを活かすため、運用開始後に金融機関を変更することがなるべくないよう、金融機関はつみたてNISA開始前の段階で慎重に選びましょう。

【関連記事】つみたてNISAとは? メリット・デメリット、向いている人を解説!

まとめ

つみたてNISAを始めるときは、まずつみたてNISA専用の口座を開設する必要があります。

金融機関によって、取り扱っている投資商品に違いがありますので、自分のニーズや投資スタイルに合った商品の提供を行っているところで口座を開設するようにしましょう。

また、投資未経験の方はわからないこと、疑問に思うことがあったときにすぐ頼れる店舗やWeb窓口がある金融機関を選んだほうが、いざというときに安心です。

三井住友銀行では、つみたてNISAについて、わからないことやお困りのことがある場合、店頭や電話での相談に乗ってもらうことも可能です。

オンラインからの口座開設も行えますので、つみたてNISAに興味・関心をお持ちの方は、こちらから口座開設を始めてみましょう。

▼オンラインでも口座開設できる!
三井住友銀行のつみたてNISAの口座開設

  • この記事は2021年11月2日に公開した内容を2023年3月8日に更新して掲載しています。今後、変更されることもありますのでご留意ください。

金子 賢司

個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師なども務めるファイナンシャルプランナー。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信している。CFP、日本FP協会幹事。

https://fp-kane.com/

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