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弊行に対する行政処分について(1/3)
平成18年4月27日
各 位
株式会社 三井住友銀行
本日、金融庁より、弊行法人営業部における金利スワップの販売態勢等に関し、銀行法第26条第1項に基づく行政処分(業務停止命令 並びに 業務改善命令)を受けました。このような事態に至りましたことは極めて遺憾であり、本件に関しまして、お客さまをはじめ関係者の皆さまにご迷惑をおかけいたしましたことを深くお詫び申し上げます。
行政処分の内容等は下記のとおりでありますが、弊行といたしましては、今回の処分を厳粛に受け止め、このような事態を二度と発生させることのないよう、独占禁止法遵守のための諸施策の徹底や、法人営業部における金利スワップの販売態勢の見直しなど、再発防止を図りますとともに、お客さま、株主、社会からの信頼回復に全力で取り組んでまいる所存でございます。
1.
行政処分の内容と行政処分の理由
(1)
行政処分の内容
@業務停止命令
1)法人営業部における金利系デリバティブ商品(組込商品を含む)に係る販売業務(提案・勧誘を含む)を平成18年5月15日(月)から平成18年11月14日(火)までの間、停止すること(当該法人営業部における既存顧客より当該商品購入に係る自発的かつ合理的な意思表示があり、かつ、そのような意思表示であることが客観的に認められる場合を除く)。
2)法人営業部の新設を、平成18年5月15日(月)から平成19年5月14日(月)までの間、行わないこと。
A業務改善命令
1)銀行として、金融商品の販売等に係る適切性を確保し、顧客本位の営業態勢を実現するため、以下の観点から経営管理態勢、内部管理態勢及び法令等遵守態勢を確立すること。
ア.顧客本位の営業態勢の確立及び法令等遵守態勢構築に向けた経営姿勢の明確化
イ.法人営業部における顧客に対する適切な説明を行うための態勢の整備及び遵守の徹底のための方策(本部による指導・管理態勢の構築のための方策を含む)
ウ.各法人営業部における相互牽制機能強化による法令等遵守態勢の確立(自己責任の下での「自律機能」の見直しを含む)
エ.顧客本位の営業体制、法令諸規則に則った適正な業務運営・管理を確保するために行う業務計画作成、業務推進のあり方についての方策
オ.顧客本位の営業体制、法令諸規則に則った適正な業務運営・管理を確保するために行う法人営業部及び本部を対象とした本部による監査について、態勢・方法等の見直し、並びに、監査実施の徹底及び監査後のフォローアップの実施・強化
カ.顧客からの苦情、問い合わせ等への対応を含め、個別事案に関しての顧客に対する説明態勢等の確立(当該問題事案先に対する顧客への対応を含む)
キ.平成18年1月5日付「取引等の適切性確保への取組みについて」(金融庁)を踏まえた金融取引、金融商品・サービス販売等の適切性に万全を期すための適切な取組み
ク.持株会社による管理機能を通じた態勢整備確保
ケ.本部における、客観性を確保しつつ相互牽制機能を強化する法令等遵守態勢の確立
2)業務停止命令、業務改善命令に至った問題等の原因となった役職員の責任の所在の明確化(問題事案発生時における役職員の責任の所在の明確化を含む)。
3)上記1)、2)に係る業務の改善計画を平成18年6月2日(金)までに提出し、直ちに実行すること。
4)上記3)の実行後、当該業務の改善計画の実施完了までの間、平成18年8月末を第一回目とし、以後、3ヶ月毎に計画等の進捗・実施及び改善状況をとりまとめ、翌月15日までに報告すること。
(2)
根拠となる法令の条項
銀行法第26条第1項に基づく命令
(3)
行政処分の理由
@平成14年から平成16年までの間に販売した金利スワップ商品について、公正取引委員会から独占禁止法第19条(優越的地位の濫用)違反として4件につき指摘を受け、同法に基づく勧告審決を受けたこと。
A内部調査の結果、上記公正取引委員会指摘分に加え、平成13年度から平成16年度の間に販売した金利スワップ商品を中心として優越的地位の濫用事案(懸念事案を含む)が少なからず認められたこと。また、金融商品販売法上の説明責任を含む法的責任懸念事案も多数認められたこと。
その原因として、恒常的な収益重視の一方で、それに見合った態勢(経営管理、内部管理、及び法令等遵守など)につき、取引等の適切性の確保の観点から、以下のような重大な問題が認められること。 更に、意識の改革を含めた大幅な改善には相応の時間がかかると認められること。
ア.本部が毎年度作成する業務計画において、地域特性や実績分析を十分行わないまま収益目標を法人営業部に課していたこと。法人営業部は、目標達成のため金利スワップ販売に傾斜する実態が認められること。
イ.法人営業部に対する本部指導は収益目標の進捗管理が中心であり、期末月に業務粗利益が増加する実態がある中、収益が前倒し計上される金利スワップの過度な業務推進抑制の観点が不十分であったこと。
ウ.金利スワップ販売ルールの策定において、優越的地位濫用防止の観点からの検討が十分でなかったこと。
エ.業務計画、業務推進に当たって、各部店の自己責任の下での「自律機能」による法令等遵守体制によるチェックが不十分であったこと。
オ.苦情分析など、モニタリング機能が十分でなかったと認められること。
カ.法人営業部宛監査について、金利スワップ販売状況に係る監査が不十分であったほか、本部宛監査に際しては、優越的地位の濫用防止の観点が含まれていなかったこと。
B金融業界を取り巻く環境変化に伴う公正取引委員会や金融庁の警鐘に対し、独占禁止法遵守の実効性ある対応を怠っていたこと。
2.
弊行特別調査委員会による調査結果概要
昨年12月、弊行は公正取引委員会より、金利スワップの販売に関して、一部の法人営業部において優越的地位の濫用事案が認められたとのご指摘を受けたうえ、独占禁止法に基づく勧告を受けております。
これを踏まえ、弊行といたしましては、他にも同様の事態がないかなどについて自主調査を実施することとし、昨年12月、弊行と顧問契約のない第三者である弁護士が参加する特別調査委員会を設置し、厳正な調査を実施いたしました。
その調査結果などについて、別紙のとおり、報告いたします。
3.
再発防止策
弊行では、このような事態を二度と発生させることのないよう、お客さま本位、並びに、法令等遵守の意識を行内に再徹底するとともに、業務推進面、管理面など、大幅な改善に向けた業務改善計画を策定してまいる所存であります。具体的には、次のような観点から、再発防止の実施を図ってまいります。
(1)
独占禁止法遵守に関する態勢の強化
1)独占禁止法の遵守にかかるルールの見直し等を実施
2)本部の施策における独占禁止法遵守のポイントを明確化
3)営業活動における独占禁止法の遵守状況のモニタリングを実施
(2) 法人営業部における金利スワップの販売態勢の見直し
1)金利スワップを販売することができるお客さまの対象を厳格化
2)お客さまの自由意思に基づく契約を確保する態勢を確立
3)提案書の内容を大幅に改定
(3)「お客さま本位」の営業態勢の整備
1)法人営業のあり方をお客さま起点の観点から大幅に見直し
2)法人営業部における業績表彰ルールの抜本的改定
3)商品企画において、顧客保護等に留意したルールを策定
4)品質管理部を設置し、お客さまの声を集約化・分析し、経営に反映する体制を整備
4.
お客さまへの対応
金利スワップのご契約に関して、各種ご要望等をいただいております法人営業部のお客さまに対しましては、弊行特別調査委員会による調査結果等を、個別に説明のうえ対応させていただきます。
お客さまへの対応に際しては、真摯かつ誠実な姿勢で臨むのは勿論のこと、各法人営業部のみならず、本部も十分噛み込み、法的な観点も踏まえ、適切に実施してまいります。
5.
責任の明確化
今回の事態については、法人営業部のみならず、本部も含め、各種問題点が認められており、経営として、真摯な反省が必要と認識しております。就いては、問題の原因となった役職員の責任の所在を明確化のうえ、厳正な行内処分を実施いたします。その結果につきましては、業務改善命令に基づく業務改善計画の策定の後、別途、公表いたします。
以 上